昨日のマーケットは株式市場が急騰。S&P500指数が5%以上、NASDAQ7.3%の大幅高となっており、背景としてはCPIが予想対比大幅低下という動きとなったことが背景。
CPIは前年同月比+7.7%の上昇となり、予想が+8.0%、前月の8.2%からも大幅に減速している兆候がみられたことでマーケットは敏感に反応した。
コアCPIも+6.3%と予想+6.5%、前月6.6%と比較しても大幅に低下している状況で、コアが低下するのはインフレのピークアウトを期待できる数字と言えるだろう。
米国債金利は短期から長期まで綺麗に大幅低下しており、10年金利は30bpと恐ろしいほど低下した。この30bpの低下には流動性の低下も材料としては含まれている。
金利の低下によって、米ドルは急落しており、ドル円は146円台から140円台まで暴落とも言える動きに。介入レベルでポジションが整理されたようで、足元のドルロングを一気に巻き戻したことがわかる。
ドル円はこのまま年末まで一気に下に突っ込むというのは難しいと考えており、年内は11月下旬にかけてポジション調整の巻き戻しから下落方向に続き易いだろうが、あくまで日米金利差を考えると長期的にショートポジションを保有できる金利差ではないことはポイント。
また12月は流動性が一気に低下するため、理由なき動きというのがみられる月でもあることから、現時点である程度利益を取っている投資家がいるとすればそろそろ休暇ムードに入ってもいいのではないだろうかと考えている。機関投資家は感謝祭を跨いで休みに入ることが多いため、今月は24日なことからあと2週間程度は流動性があるだろうが、それ以降年末にかけては徐々に流動性が低下する動きとなるため注意しよう。
FRBのダラス連銀、ローガン総裁も利上げペースを緩めることが適切なものの、一段と緩和的な政策を意味するとは考えない方がいい」と現時点でのタカ派スタンスを緩めることを許容しつつインフレに配慮する発言を行なっていた。サンフランシスコ連銀デーリー総裁やフィラデルフィア連銀ハーカー総裁も利上げペースの減速は適切な検討事項と、CPIの他にも金利低下を示唆するような材料がみられていたこともポイントと言えるだろう。
また昨日アメリカ財務省が為替操作国認定を発表した外国為替報告書で日本の認定を再度見送った。つまり日本の為替介入に関しては一定の理解をしているということがわかるため、引き続き上方向で推移する場面があったら介入警戒感は残ったままと言えるだろう。
仮想通貨市場は一昨日の急落から一旦は反発する動き。FTXが破綻するという見方が強まっている中、仮想通貨市場は崩壊ムードとなっていたが、昨日の株式市場の急騰と、ポジションの巻き戻しが重なり、大幅上昇する動きとなっている。
ビットコインは一時18,000ドルにタッチする動きとなっており、イーサリアムも1,300ドルを回復する展開に。一旦は反発しているが、今度の動向次第で相場はどちらにも動く可能性があるため、今トレーディングタッチで触るのは危険だろう。
日本のFTX JPが関東財務局より業務停止・改善命令が出されており、FTX.USでは今後数日で取引が不可となる可能性も指摘されていることから、まだFTXの影響は継続しそうな状況。顧客資産が守られているのか不安なところもあり、日本でもFTXユーザーは多いことから動向は見守りたい。
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中島 翔
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