先週末のマーケットはリスク資産が急落する展開。
きっかけはイギリスの経済政策を発表したことを受けた動きとなった。経済対策の内容は新しく就任したトラス首相が、大型減税で景気を下支えする方針を示しており、総額25兆円規模の対策となることや、経済対策のための財源を国債発行で賄うという方針を示したことによって、景気刺激策となることからインフレ懸念と財政悪化が懸念され、株式市場は大幅下落し、イギリスの債券金利は急騰する動きに。
その動きを背景にポンドは急落し、ポンド円は5円ほど1日で下落する動きとなっている。
今回の対策は現在進んでいる高インフレに対して逆効果ともなるため、インフレが進行する中経済を下支えするというアメリカとは全く異なった政策スタンスを示している。
米国株もイギリスの動きを受けて株安で推移しており、米国債金利は短期ゾーンが上昇する中、長期ゾーンの上昇幅は限定的となりフラットニングの動き。引き続き長期ゾーンには買いもそろそろ入ってくるのではないかとも思われていることから、アメリカの景気後退を織り込むような動きとなっている。
今年は債券のパフォーマンスも最悪となっており、リーマンショック以来のセンチメントが悪化しているという状況下、これまで金融緩和方向で進めてきた金融政策が転換しているため、債券バブルが終了というフェーズに入っているということを認識しておいた方がいいだろう。
市場が予想している年末のFRBの利上げ見通しも1.25%の利上げを行う方向で織り込んでいるため、短期金利があとどこまで上昇するかどうかで株式市場の動きは判断したいか。
為替市場は先週の日本の為替介入を受けてドル円は140円台まで下落したが、金曜日時点で既に143円まで回復しており、単独介入は効果がないということを既に市場は織り込みつつある様子。再度ドル円で145円から147円では介入警戒感が高まるだろう。
仮想通貨市場は株式市場が下落する中でも底堅い動きとなっており、ビットコインは19,000ドル台での推移だったが週末ジリ安となり18,000ドル台後半まで下落。
そこまで大きな動きがない状況は変わらず。これまで株式市場が大幅下落するとビットコインが下落していたが、今週末に関してはそこまで相関関係が強くない印象となっている。
ビットコインはチャートで見ると一旦そろそろ買い場になるかという形をしており、再度下落したら損切りを行うという前提で、打診でロングでエントリー中。
引き続き仮想通貨市場は動向を把握するネタがほとんど枯渇している中、言えることは底堅くなっているということと、オンチェーンからみると売る材料はないという点だろう。
仮想通貨市場のニュースはロシアが仮想通貨取引関連の法案を作成中とのニュースが出ており、現在エスカレートしているロシアの動きの中で仮想通貨を利用する動きが続いている様子。
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中島 翔
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