2022.7.13 マーケットレポート【米CPI待ちの様相】

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昨日のマーケットは本日注目されているアメリカのCPI発表を控えて株式市場は調整売りなのか下落する動き。NASDAQで1%弱の下落となっており、指標前に調整が入っている様子。

米国債金利も10年で一時2.90%付近まで低下しているが、その後2.98%まで引けにかけて上昇しており、2年10年の逆イールドが拡大する動きとなっている。

本日のアメリカのCPIは市場予想が対前年比で8.8%の上昇となっており、1981年以来の高い伸びと予想されているが、マーケットの予想以上に高まると金利は上昇し9月以降の利上げ見通しにも影響が出る可能性があることから注意。予想を上回る場合は米ドル高、短期金利の上昇(逆イールドの拡大)、株安と予想される。

為替も昨日ドイツの景況感指数がマイナスの53.8と大きく落ち込んでいることを受けてユーロ安が進行、ユーロドルがパリティまであと少しというところまで下落しており、一旦足元は突破できていないが、本日のCPIでは完全に割れてくる可能性もあるだろう。

一方でリセッションの懸念が強まっていることは確かであり、アメリカの個人消費も弱くなってきていることから、FRBはかなり難しい舵取りを迫られるか。本日のCPIを受けて7月ではなく9月以降の利上げ予測の数字がどのように影響するのか確認するとともに、8月にかけてのそれぞれのアセットクラスの動きに変化が出てくるだろう。

参議院選挙では与党が単独過半数を獲得したことや安倍派のまとまりがなくなることから、岸田首相としては人事を行いやすくなっており、物価高に対応するような金融政策も日銀に求めるのではないかと考えており、日本の金融政策の変更もリスクシナリオとして頭に入れておきた場面となっている。

また昨日は原油価格が大幅下落しており、リセッション懸念が強まっていることや、原油先物ポジションが大幅にロングに傾いていたことから指標前に大きく調整が入ったか。

仮想通貨市場はビットコインが引き続き狭いレンジでの推移となっており、上値が重い地合いは変わらず。

本日のアメリカのCPIを控えて引き続き日中は上値は重くなることが想定されており、CPIが強い場合は株安からビットコインも下落、一方で予想以上にCPIが弱い場合は、株高からビットコインも20,000ドルを回復するような動きとなるだろう。

仮想通貨市場のニュースとしてはスリーアローズキャピタルの創業者が行方不明となっていることが話題となっている。

ポジションは変えていない状況で本日のCPIがあるため大きくは動かせないだろう。

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中島 翔

一般社団法人カーボンニュートラル機構理事。学生時代にFX、先物、オプショントレーディングを経験し、FXをメインに4年間投資に没頭。その後は金融業界のマーケット部門業務を目指し、2年間で証券アナリスト資格を取得。あおぞら銀行では、MBS(Morgage Backed Securites)投資業務及び外貨のマネーマネジメント業務に従事。さらに、三菱UFJモルガンスタンレー証券へ転職し、外国為替のスポット、フォワードトレーディング及び、クレジットトレーディングに従事。金融業界に精通して幅広い知識を持つ。また一般社団法人カーボンニュートラル機構理事を務め、カーボンニュートラル関連のコンサルティングを行う。証券アナリスト資格保有 。Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12