昨日のマーケットは米国株はリセッションを懸念して寄り付き大幅下落でスタート。NYダウは700ドル超の下落でスタートし、後場は下げ幅を縮小させる展開となった。
米国債金利も2.78%まで一時低下する等、インフレ懸念からの株安、金利上昇から、ここ数日は株安金利低下と景気後退を織り込むような両者の動きとなってきている。米国債金利は2年10年が再度逆イールドに入ってきていることもリセッションを警戒する動きの一つの表れと言えるだろう。

また原油価格も供給不足から価格が上昇していたが、世界のリセッション懸念が強まる中、需要の減退から下落する動きが出てきており、昨日も1バレル97ドルまで下落する場面も見られている。
個人的には原油はここから景気後退の懸念が強まる中で、供給サイドが変わらないとなった場合、需要が高まるとは考えにくいことから、下落材料が出る可能性が高まっていると考えている。そのため原油はそろそろ上がったところをショートエントリーで回転させていくのがベターかもしれない。
米国の金利先物市場を見ても来年半ばから政策金利の引き下げを織り込みつつあり、今年の政策金利を引き上げる見通しも上昇してこないことから、米ドルの上昇は限定的になるかもしれない。しかし一方で昨日もユーロが大幅下落しているように、他の国の通貨が強いわけでもなく相対的に米ドルが買われているという展開になりつつあるため、少し難しい展開。
ユーロドルは年初来安値を更新して1.02ドル台前半まで下落しており、20年振りの安値水準へ。市場はパリティ(1.00とユーロとドルが等価になること)に近づくのではないかという見通しが強まりつつある。
仮想通貨市場は大きな変動はなく落ち着いた動きに。ビットコインが20,000ドル台で推移しており、イーサリアムも1,100ドル付近で小さなレンジで推移している。

足元ある程度ビットコインは売り切ったという見方が強まってきており、あと懸念するのは仮想通貨市場の悪材料ではなく、株式市場の急落が起きるかどうかだろう。株式市場の相関が強いということを考えると、ここが崩れればビットコインも下方向を意識しないといけないが、それ以外は下落材料がなくなってきていることから、引き続き長期目線では買いの水準と考えていいか。
ウォレットの数字を見ても1BTC以下のウォレット数が引き続き増加しており、1,000BTCから5,000BTC以上のクジラ勢のウォレットも増加しているということはいい傾向。一方で足元米ドル高が進行していることから、ここは逆相関しやすいビットコインにはマイナス材料。
昨日は米ドル高となる中ビットコインは上昇しており、完全に相関しているわけではないため参考程度に見ておけばいいだろう。
仮想通貨ニュースでは、大和証券グループ本社や大和アセットマネジメント株式会社が出資するGlobal X Japanが金融庁にメタバースETFを申請したというニュースが出ていた。
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中島 翔

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