今回は、元素騎士メタバース(MV)について、大手仮想通貨取引所トレーダーとしての勤務経験を持ち現在では仮想通貨コンテンツの提供事業を執り行う中島 翔 氏(Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12)に解説していただきました。
目次
先日、日本初のクラーケン・ジャパン(Kraken Japan)でMVトークンという暗号資産(仮想通貨)が上場しました。Kraken Globalでは既に上場されており、日本にも上陸したような形となっています。MVトークンとは一体どのようなトークンなのか、そしてどのようなプロジェクトなのか解説します。
①MVトークンとは
MVトークンは『元素騎士オンライン ~META WORLD~』と呼ばれるブロックチェーン技術に対応したオンラインゲームのガバナンストークンです。21年以降、GameFi(ゲーム+金融)分野の注目が高まる中、国産のゲームということもあり期待はとても大きいものとなっています。MVトークンのIDO(イニシャル・DEX・オファリング)トークンセールは20秒で完売に至るなど、注目度の高さを窺わせる結果となっていました。ゲーム自体は22年5月にクローズドαテスト、7月にクローズドβテスト、そして22年8月に正式リリースを迎える計画です。
トークンは以下のような取引所で上場しています。
- Kraken Global
- bybit
- kucoin
- gate.io
- MEXC
このほど、クラーケン・ジャパンでは国内で初めて上場を果たしたという動きになっています。現在は『元素騎士オンライン ~META WORLD~』のゲームに期待するファンが、MVトークンを購入している状況です。
MVトークンの「ステーキング(仮想通貨の定期預金のようなもの)」を行うことで、ゲーム内で今後利用できる「RONDトークン」がエアドロップ(無料配布)されるなどの特典があります。そのため、MVトークンの現在の保有者は相場状況にかかわらず「ガチホ」する傾向が高いことが推測できます。
RONDトークンはゲームプレイに必要なトークンとなっています。MVトークンとの違いは、以下のページでご確認ください。
【関連記事】元素騎士Online -METAWORLD-の2種類のトークン
②『元素騎士オンライン ~META WORLD~』とは
『元素騎士オンライン ~META WORLD~』は、人気MMORPGゲーム(大人数のプレーヤーが同時に参加できるゲーム)である「エレメンタルナイツオンライン」にブロックチェーン技術を活用し、Play and ECO(プレイ・アンド・エコ)として進化させた3Dメタバース空間です。
エレメンタルナイツオンラインについてはこちらのページでご確認ください。
【関連記事】元素騎士Online -METAWORLD-とは?
『元素騎士オンライン ~META WORLD~』では、ユーザーがゲーム内のキャラクター、アセット、土地を作成、売買できるメタバース経済圏の構築を目指しています。MVトークンは、メタバース内の限定イベントへのアクセス、アイテムやNFTを割引価格で購入できる機能やパラメータ付与に使用することができます。また、メタバース内の方針を決めることができる投票権でもあります。
エレメンタルナイツのゲーム要素にブロックチェーンやMFTを組み合わせて、新しくリリースする予定となっており、現在アルファ版というベータテストが行われています。
ALPHA TOMORROW!🚀
May 31st 2022 12:00 UTC+8
Just before we start, we wanted to recap on our journey so far. Thank you so much for the support knights!! We couldn't have made it without you.
(Please be aware, that this is an ALPHA TEST. Graphics will be upgraded from the BETA) pic.twitter.com/WnqRkdyb3V
— GensoKishi Online Metaworld (@genso_meta) May 30, 2022
ユーザー数が多く、現在のdiscordのコミュニティでも数十万人のファンが既に登録しており、期待の高さが窺える数字となっています。筆者が調べた範囲では、ユーザー属性としては6割~7割が日本人と見受けられ、その次に欧米となっているようです。
③MVトークンのメリット
ゲームのもっとも重要なトークンとして位置づけられるMVの概要は以下の通りです。
規格 | Polygon |
通貨名 | Metaverse |
シンボルネーム | MV |
総発行数 | 2,000,000,000 |
また、元素騎士オンラインのホワイトペーパーによると、MVには以下のようなユーティリティーが設けられています。
- オシャレ装備(ゲーム内アイテム)を割安で買える機能
- オシャレ装備をパワーアップする権利
- MV専用の価格大小の様々な有料アイテムを買える機能(ゲームを有利に進める為のアイテムです)
- 本ゲームの方針を決めることができる投票権
- MVをステークする機能(MVを預けてRONDを報酬としてもらう機能)
- プロジェクト側が提示する先行公開クローズドαテスト、クローズドβテストに参加する権利
- オシャレ装備を作成して提供できる権利(UGC機能) ※MVを一定以上ステーキングしている方のみ、サービス開始後のアップデート対応
- ランド、モンスター、NPCを制作する権利を割安で購入できる権利
- ゲーム内トレードの際に使う手数料
④クラーケン・ジャパンとは?
クラーケン(Kraken)は、2011年に米国で誕生した世界最古の取引所の一つであり、強固なセキュリティ対策と高い流動性で知られています。グローバルで50以上の仮想通貨と7つの法定通貨(ユーロ、米ドル、カナダドル、ポンド、日本円、スイスフラン、オーストラリアドル)の取引サービスを提供しています。クラーケンの日本現地法人であるペイワードアジア(Payward Asia)は、2020年10月に日本における仮想通貨取引サービスを本格的にスタート。信託契約の受託先として日証金信託銀行と契約し、法令に基づいてユーザーの預託資産を安全に管理しています。
クラーケンの販売所はビットコインや他の仮想通貨を即時に売買することができます。決済前に「購入する仮想通貨の数量」、「交換レート」、「金額」、「手数料」の詳細が明示されるので、コスト面で安心して取引できるでしょう。取引所では指値・成行注文が可能な「シンプル」モードの他、手数料通貨を選択したり、条件注文やストップロス・テイクプロフィット指値などを設定できる「中級」「上級」モードを選択できます。また、チャートを見ながら取引できるKraken Proも利用可能です。
販売所の取扱銘柄 | 12銘柄:ビットコイン、イーサリアム、リップル、ライトコイン、ビットコインキャッシュ、ベーシックアテンショントークン、ステラルーメン、オーエムジー、チェーンリンク、イーサリアムクラシック、ポルカドット、エンジンコイン |
取引所の取扱銘柄 | 14銘柄:ビットコイン、イーサリアム、リップル、ライトコイン、ビットコインキャッシュ、ベーシックアテンショントークン、ステラルーメン、オーエムジー、チェーンリンク、イーサリアムクラシック、ポルカドット、エンジンコイン、GensoKishi Metaverse、カルダノ |
4-1.クラーケン・ジャパン上場のMVトークンへの影響
①新規ユーザー層へのリーチ拡大
最初の大きな影響は仮想通貨に馴染みのないゲームユーザーが買いやすい環境が整うということです。これまでMVトークンは海外の仮想通貨取引所でしか購入することができない状況でした。
そのため日本の仮想通貨取引所でビットコイン等購入しMVトークンを購入するために送金を行って、購入するという手間がかかっており、ゲームユーザーからすると、日本円で購入できないという手間はとてもハードルとして大きかったと考えられます。
しかしKraken Japanの上場によって、日本円を入金するのみで、MVトークンを購入することができるようになったため、これまでのエレメンタルナイツのファンや今後元素騎士に期待するファン層からの資金が流入しやすい環境となったことは大きな影響でしょう。
②日本でのマーケティング展開
国産のゲームとはいえ、MVトークン自体は日本市場での取扱いが認可されていなかったことから、日本語でマーケティングしても効果を出しにくい状況でした。
しかし、日本で認可されたことによって、今後「仮想通貨×ゲーム」という文脈でアピールができるようになるため、日本の仮想通貨のユーザーにも、ゲームファンにも浸透しやすい環境が生まれました。
⑤まとめ
クラーケン・ジャパンに本格的なゲームのガバナンストークンが上場されたということは日本でも大きなインパクトを与えるのではないでしょうか。元素騎士オンラインのように実績あるゲームは、これまでのブロックチェーンとは一線を画す、ゲーム自体の面白さ・楽しさを発揮すると期待されます。興味のある方は、この機会にクラーケン・ジャパンで口座開設を済ませ、MVトークンを入手してステーキングなどに挑戦してみましょう。
中島 翔
最新記事 by 中島 翔 (全て見る)
- 脱炭素に向けた補助金制度ー東京都・大阪府・千葉県の事例 - 2024年10月22日
- 韓国のカーボンニュートラル政策を解説 2050年に向けた取り組みとは? - 2024年10月7日
- NCCXの特徴と利用方法|ジャスミーが手掛けるカーボンクレジット取引所とは? - 2024年10月4日
- Xpansiv(エクスパンシブ)とは?世界最大の環境価値取引所の特徴と最新動向 - 2024年9月27日
- VCMIが発表したScope 3 Flexibility Claimとは?柔軟なカーボンクレジット活用法を解説 - 2024年9月27日