2022.7.1 マーケットレポート【PCEデフレーターを受けたインフレ鈍化の期待が高まる】

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昨日のマーケットはPCEデフレーターが低下したことにより個人消費の意欲が低下しているとの思惑から株式市場は下落。一方でインフレ鈍化の兆しとも捉えられ米国債金利は急低下し、10年金利は3.10%付近から2.97%あたりまで低下する動きとなった。

インフレ鈍化の可能性から米ドルも下落する動きとなっており、ドル円は一時135円台半ばまで下落するも、NY時間に円安が進行するというアノマリーが続いているのか円高圧力も限定的な動きとなっている。

PCEデフレーターは今年初の減少ということになり、また過去4ヶ月間の数字も下方修正されていることによって、米国のアナリスト勢もこぞって見通しを下方修正し始めており、パウエル議長が経済の前にインフレ抑制のスタンスを強めていることから、株価の下落は免れない状況。

アメリカの株式市場の見通しがとても暗い状態の中、NASDAQに上場している中国株関連(ゴールデンドラゴン指数)の上昇が6月が目立っていることは面白い動きか。

本日から夏枯れ相場を意識しておきたい月になってくることや、今週は日経ETFの配当金原資を作るための売りが1兆円程度出そうとも言われているため、今週末から来週にかけて上値は重い展開となると予想していることから、日経平均株価は戻り売りで攻めていく予定。

アメリカでは現在金利に連動した債券が人気となっており、政策金利が上昇する中インフレヘッジとしての利用が投資家の中で注目されている動きが出ている。

仮想通貨市場は株式市場の下落を受けて、下落する動きに。ビットコインは20,000ドルを再度割れてきており、19,000ドルを割れる場面も見られた。

ビットコインが先日SQを通過して、SQ後には価格が上昇しやすいとも言われていたが、完全にアノマリー通りにはならなかった動きで、結局は株式市場がどうなるのかでビットコインの価格も決まってきそうな印象。夏場は株式市場が上昇しにくいことを考えると、ビットコインの下落方向も再度圧力としては強まっているかと考え始めている。

先日FTXがセルシウスを買収する可能性が報じられていたが、負債総額が2,700億円以上の可能性があるということをFTXが見て買収を断念する可能性が噂されており、セルシウスに救世主が出ない場合は引き続き清算方向で動かざるを得ない状況になる可能性。一方でFTXがBlockFiを2,500万ドルで買収することが決まりそうな状況というニュースが出ており、企業の選別と淘汰が進む動きが続いている。

今日から7月だが、仮想通貨市場は7月は上昇しやすい月でもあるため、アノマリーを信じて買う人もいるのかもしれない。

ポジションは特に変えておらず、7月は株は戻り売りで為替は長期的な円高方向程度でポジションを取っている。

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中島 翔

一般社団法人カーボンニュートラル機構理事。学生時代にFX、先物、オプショントレーディングを経験し、FXをメインに4年間投資に没頭。その後は金融業界のマーケット部門業務を目指し、2年間で証券アナリスト資格を取得。あおぞら銀行では、MBS(Morgage Backed Securites)投資業務及び外貨のマネーマネジメント業務に従事。さらに、三菱UFJモルガンスタンレー証券へ転職し、外国為替のスポット、フォワードトレーディング及び、クレジットトレーディングに従事。金融業界に精通して幅広い知識を持つ。また一般社団法人カーボンニュートラル機構理事を務め、カーボンニュートラル関連のコンサルティングを行う。証券アナリスト資格保有 。Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12