昨日のマーケットはISM製造業景況感指数が予想以上の数字が発表されたことで、経済の底堅さが確認され、利上げ意識が高まったことから、さらなるインフレ懸念から長期債を中心に金利が上昇し株安の展開となった。
株安が進行する中でも金利が上昇したことから、米ドルが大幅上昇したことによりドル円は130円を突破した動きとなっており、再度131円が視野に入ってきている。
ドルは対主要通貨に対しても上昇しており、足元の米ドル安の巻き戻しが起きたような格好となった。ベージュブックも公表されており、金利上昇から景気が減速した地域が増加していることが報告されており、ある意味予定通りな結果が12地区から報告されている。
昨日はカナダ中銀が利上げを行っており、更なるインフレ対策を取る可能性を示唆していることから、カナダドルも上昇する動きとなっている。
昨日のマーケットで一般の投資家が「なぜ?」と考えるのが、ISM製造業景況感指数の数字を受けた株安なのではないだろうか。経済指標が良好な数字を発表しているのはポジティブ材料なので株価は上昇すると考えるのが当たり前だろう。しかし現在はアメリカの最大の優先課題は「インフレを止めること」であり、景気が加速すると、それだけインフレは底堅く推移することにつながるためよくないというのが足元の経済環境ということを理解しておかなければならない。そして経済指標が良好だとFRBもさらにインフレに対しての対応策を取る可能性が出てくるため、その先読みから株式市場が反応したということになる。
この経済指標の数字の動きは一昨日のパウエル議長、イエレン財務長官、バイデン大統領の3者会談の流れもあっての株価の動きと感じており、引き続きFRBは株価の前にインフレ対応に追われることになることから、株式市場はなかなか上にはいけないと感じている。
日経を見るとプライム市場では短期的に過熱感が出てきており、雇用統計までは上値を伸ばせない可能性があると考えていることから短期的にショートでエントリー中。
仮想通貨市場はビットコインが再度30,000ドルを割れる展開。イーサリアムも一時1,700ドル台半ばまで下落する動きとなっており、昨晩は綺麗に株式市場に連動した動きとなっていた。
ビットコインが下落したことにより再度上昇トレンドに入ったと思ったビットコインのロングが清算に追い込まれたことがデータとして見えてくる。
足元は株式市場との相関が弱まっていたが昨日は強くなっているため、この相関が強まるかは気にしておきたいポイント。ビットコインの水準はそこまで変化がないため、コメントもあまりないか。
ポジションはEURUSDロング、AUDJPY、AUDUSDロングを保有しており、S&P500指数、日経、NADAQ、英FTSEショート、中国A50をロングにしている。
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中島 翔
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