2023.1.19 マーケットレポート【日銀政策会合は無風となりドル円は乱高下】

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昨日のマーケットは株式市場が下落。

NYダウは続落しており、この幅の下落について特段の理由が見当たらないが、昨日発表されたPPIがコロナ以来に大幅低下したのはいいものの、財価格の下落が主な内容で、サービス価格は前月比+0.1%と引き続き上昇していることが引っかかったのかというくらい。理由探しも意味はないため、ただ下落したとしか言いようがないか。

ドル円は昨日大きく注目された日銀政策会合で、無風という結果となり、マーケットは政策の更なる変更を織り込んでスタートしたことから、一気にポジション調整の買い戻しから上昇し一時131円台と3円以上の上昇を見せた。

しかしその後は上にいってこいとなり、日銀発表前の水準を割れて、127円台後半まで再度下落する動きとなったことは不思議な動き。個人的には無風であれば130円方向で推移すると考えていたため、難しい相場だったという1日だった。

黒田総裁は金利のバンドを現段階で拡大する必要はないと示しており、また共通担保資金供給オペを拡充するとの動きから、緩和的な政策が継続することを示しており、また低金利と国債金利のアービトラージを行わせることを意図するような政策とも取れるため、やはり国債金利の低下を狙っているという視点は変わっていない。

しかし市場では引き続きどこかのタイミングで日銀の現在の政策修正は余儀なくされるだろうという見方は変わらないことから、日銀総裁人事と併せていつのタイミングで政策変更を行うのかは注目したいところ。個人的には日米金利差が大きいことから長期的にドル円をショートで持ちにくいという状況は変わっていないため、レンジを引き下げて125円から132円くらいのレンジで見ながらのトレードとなるかというイメージを持っている。

アメリカでは昨日ベージュブックが公開され、物価が今後1年間で一段と鈍化するという見方が強まったことが確認された。

雇用に関しては5地区の連銀方向で賃金圧力若干弱まったという報告になっており、一方で財、サービスの需要は減速したものの、多くの企業が人員削減に二の足を踏んだという内容になっており、やはり引き続き労働市場が根強く引き締まっているということが確認されたという内容になっている。

仮想通貨市場は軟調な展開に。株式市場が下落する中、足元の急上昇に調整が入ったか。ビットコインは21,000ドル台前半から、一時20,000ドル台前半まで下落する場面も見られており、4時間足で見ると一旦調整局面に入ったかと思えるローソク足の形状となっている。

コインベースが日本事業の見直しと既存顧客との取引停止を公式に発表しており、海外勢からの日本事業撤退が今後進んでいくのかは注目されるところ。

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中島 翔

一般社団法人カーボンニュートラル機構理事。学生時代にFX、先物、オプショントレーディングを経験し、FXをメインに4年間投資に没頭。その後は金融業界のマーケット部門業務を目指し、2年間で証券アナリスト資格を取得。あおぞら銀行では、MBS(Morgage Backed Securites)投資業務及び外貨のマネーマネジメント業務に従事。さらに、三菱UFJモルガンスタンレー証券へ転職し、外国為替のスポット、フォワードトレーディング及び、クレジットトレーディングに従事。金融業界に精通して幅広い知識を持つ。また一般社団法人カーボンニュートラル機構理事を務め、カーボンニュートラル関連のコンサルティングを行う。証券アナリスト資格保有 。Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12