アクサ・インベストメント・マネージャーズ株式会社は、欧州時間の4月6日発表した「2020年アクティブオーナーシップおよびスチュワードシップに関するレポート」で、同社は20年に300超の発行体とエンゲージメント(投資対象企業との建設的な対話)を行ったと報告、新型コロナウイルス感染による厳しい環境下ながら、19年の217発行体に対して、47%の増加となった。20年のエンゲージメントの80%以上が、国連のSDGs(持続可能な開発目標)に関連したものだった。エンゲージメントが最も多かった分野は「気候変動」(27%)、「資源・生態系」(18%)、「コーポレートガバナンス」(16%)。さらに「人的資本」(15%)、「公衆衛生」(9%)などが続いている。
同社は20年に319の発行体に対してエンゲージメントを行い、6247の株主総会で投票し、6万5827の企業決議に投票した。エンゲージメントは「投資家にとって最も喫緊かつ重要」と同社が考える分野で、年間を通じて50カ国以上の企業に行われた。同社の議決権は、責任投資(RI)ロードマップの優先事項に沿って気候変動、生物多様性、人的資本、ジェンダーの平等、公衆衛生、データのプライバシー、コーポレートガバナンスに行使された。
レポートによると、同社は20以上のエンゲージメント・マイルストーンを記録し、エンゲージメントの奏功によって、発行体に具体的な変化がもたらされた。同社からのエンゲージメントに関して対応がされなかったケースはなかったという。また、発行体とのエンゲージメントに関して30以上のケースでエスカレーションさせ、年次株主総会での決議提案やいくつかのケースではダイベストメント(投資撤退)を行った。
同社は、投資家にとって最も重要と考えられる気候変動、生物多様性の喪失、ジェンダーの平等、公衆衛生といった分野でのエンゲージメント活動拡大に重点を置き、21年以降のプラスの変化をけん引していく方針だ。
【関連サイト】アクサ・インベストメント・マネージャーズ株式会社

HEDGE GUIDE編集部 ESG・インパクト投資チーム

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