イーサリアムのセカンドレイヤーソリューションArbitrumが1月10日、シーケンサーの不具合によりネットワークが一時停止したことを公表した。現在は復旧し、正常にトランザクションを処理している。
Arbitrumを開発するOffchain Labsによると、不具合の原因はメインのシーケンサーノードのハードウェア障害によるものだという。Arbitrumにおけるシーケンサーとは、イーサリアム上のトランザクションを高速処理するためのオフチェーン部分をコントロールするための機能を意味する。
通常はバックアップ用のシーケンサーが自動的に作動するよう冗長化されているものの、今回はソフトウェアのアップグレード中であったため作動しなかったようだ。その結果、シーケンサーが新しいトランザクションの処理を停止してしまったという。ただし、長期にわたってシーケンサーが停止したとしても、イーサリアムのメインチェーンの方で引き続きトランザクションを処理することができる設計になっていると説明された。
停止期間中に受け付けたトランザクション数は284件あったといい、復旧に際してはこれらのトランザクションを正常に処理するためにシーケンサーを部分的に再起動する対応が取られている。なお、今回の不具合による資金の喪失などは発生していないという。
Offchain Labsは、Arbitrumはまだベータ版であり、真の価値はArbitrumが完全に分散化された後に発揮されると言及。シーケンサーは現在Offchain Labsによって運営されているものの、今後は分散管理に向けてロードマップを進めていくとしている。
Arbitrumは、イーサリアムのセカンドレイヤーソリューションの先駆者として、26億ドル以上のTVL(Total Value Locked)を誇る。これは、セカンドレイヤー市場全体の47.7%のシェアに相当する。1日のトランザクション処理件数は3万件前後を推移している。
【関連記事】イーサリアムとは?特徴・仕組み・購入方法
【参照記事】Today’s Arbitrum Sequencer Downtime: What Happened? | by Offchain Labs | Jan, 2022 | Medium
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