アマゾン、物流関連技術に投資する10億ドルファンド立ち上げ。作業環境改善図る

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米アマゾン・ドット・コム(ティッカーシンボル:AMZN)は、サプライチェーン(供給網)の構築やフルフィルメント・ロジスティクス関連の技術開発を試みる企業に投資する10億ドル(約1,300億円)規模のファンドを立ち上げた(*1)。配送スピードや物流施設の安全性の向上に資する取り組みを推進する。

新たに組成した「アマゾン・インダストリアル・イノベーション・ファンド(AIIF)」は、配送スピードの向上にくわえ、物流施設やロジスティクス関連業務に従事する従業員の労働環境の改善に資する新技術に投資する。

AIIFは第1ラウンドの投資としてすでにスタートアップ企業への投資を進めている。そのうちの1社であるModjoulは、筋骨格系障害(MSDs)やねんざ、および筋違えなどの怪我につながる行動を検知し、警告を発するウェアラブル機器を開発する。MSDsはアマゾンの物流施設でもっとも多発している怪我であり、作業プロセスの改善が求められている状況だ。そのほか、2足歩行ロボットを開発するAgility Roboticsなど、計5社に投資している。

アマゾンは10年前に物流施設向けの搬送ロボットを開発するKiva Systemsを買収した。それ以来、ロボットを活用した複数のフルフィルメントセンター(物流拠点)を開設し、配送スピードの向上を図っている。2021年には、従業員の身体への負担を軽減すべく、研究開発中の新たな搬送ロボットを4種類披露した。

自社の従業員だけでなく、政治家や団体などからの圧力の高まりを受け、アマゾンは「地球でもっとも安全な職場になる」ことを公約した。アンディ・ジャシー最高経営責任者(CEO)も初めて公開した「株主への手紙」において、物流施設ではたらく従業員の怪我を減らし、職場の安全性を高めることを約束する(*2)。

アマゾンはファンドを通じた投資活動を強化している。2020年には気候変動対策に特化した20億ドル規模の「クライメート・プレッジ・ファンド」を設立した。また、音声認識術などの分野に投資する「アレクサ・ファンド」も運用する。

【参照記事】*1 アマゾン「Introducing the $1 billion Amazon Industrial Innovation Fund
【参照記事】*2 アマゾン「2021 Letter to Shareholders

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HEDGE GUIDE編集部 ESG・インパクト投資チーム

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