オルタナティブデータは金融機関や投資家などが資産運用で利用してきた伝統的なデータ(財務データなど)とは異なる情報源から生成されるデータで、テクノロジーの発展によって利用可能になった新たなデータも対象とする。活用によって、投資運用における投資判断のスピードアップや投資戦略の差別化が期待されている。しかし日本でデータの活用は緒に就いたばかりであり、レギュレーションの理解不足や不明確な解釈の存在、金融・経済に関する知識とデータ分析スキルを兼備した人材の不足、コスト・ベネフィットの評価手法の未確立などの課題も多い。同協議会の設立は、こうした共通の課題について、関連する企業の衆知を集め取り組むことを目的とする。
主な活動は①オルタナティブデータ市場拡大のための理解醸成②活用推進のためのガイドライン作成などのレギュレーション整理③オルタナティブデータを活用する人材の育成。オルタナティブデータ市場拡大のための理解醸成では、各社がDXによる業務高度化を目指す中で、次のステップとして活用するデータによる差別化が必要となることを広く伝える。同時にオルタナティブデータの活用事例の調査や実証実験に基づくベストプラクティスの共有を通じ、投資効果の見える化を促進するとともに、関連する全ての当事者が交流できる場を提供し、オルタナティブデータの利用に関する啓蒙活動推進の中核を担っていく。会員同士の定例勉強会を週次で実施するほか、ブルームバーグ.エル.ピーの主催する学生向けのESG投資コンテストへの協賛により、学生へのオルタナティブデータの認知度向上を進める。6月には外部向けのセミナーも開催する予定だ。
活用推進のためのガイドライン作成などのレギュレーション整理では、健全なエコシステムを育成していくためにはオルタナティブデータの取り扱いや流通に関する一定のガイドラインを日本の法規制に則った形で作成するため、山下総合法律事務所の参画を得て、会員のみならず広くデータ利用に関する共通認識・社会ルールの醸成を推進することを目指す。オルタナティブデータを活用する人材の育成では、人材のスキル要件と職種定義を一般化することで、他業種からの人材移転や、スキル向上を図ることが可能な枠組みを構築していく。
参加企業・団体は(5月24日時点)は、三菱UFJ信託銀行株式会社、三井住友トラスト・アセットマネジメント株式会社、レオス・キャピタルワークス株式会社、大和証券株式会社、株式会社ナウキャスト、リフィニティブ・ジャパン株式会社、ファクトセット・パシフィック、ブルームバーグ.エル.ピー、株式会社QUICK、株式会社日本経済新聞社、株式会社東京証券取引所、株式会社Deep Data Research、Alpaca Japan株式会社、クロスロケーションズ株式会社、株式会社マイクロアド、一般財団法人日本気象協会、株式会社電通国際情報サービス、山下総合法律事務所、慶應義塾大学 FinTEKセンター、東京大学大学院、株式会社FINOLAB、株式会社ニッセイ基礎研究所、有限責任あずさ監査法人、KPMGコンサルティング株式会社。
HEDGE GUIDE 編集部 投資信託チーム
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