今回は、トロン(TRX)について、大手仮想通貨取引所トレーダーとしての勤務経験を持ち現在では仮想通貨コンテンツの提供事業を執り行う中島 翔 氏(Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12)に解説していただきました。
目次
- トロンとは
1-1.TRON財団設立者のジャスティン・サン氏とは
1-2.トロンの機能とは - トロン(TRX)とは
- トロン(TRX)を国内で購入するには
3-1.初心者でも取引しやすいアプリを提供する「BITPoint」
3-2.130か国以上で数百万人のユーザーにサービスを提供する「Huobi」
3-3.6月15日からTRXの取引を開始する「DMM Bitcoin」 - まとめ
国内の暗号資産(仮想通貨)取引所DMM Bitcoinは5月25日、トロン(TRX)の現物取引を6月15日から開始することを発表しました。
仮想通貨トロン(トロン)は国内ではBITPointが21年3月に最初に取扱いを始めており、現在ではHuobi JapanやOkcoinでも取引できるようになっています。TRXの時価総額は9,700億円で仮想通貨市場で13位の高ランクを維持しており、注目度も高まっています。
この記事ではトロンブロックチェーンとそのネイティブトークンであるTRXに焦点を当てて解説いたします。
①トロンとは
トロンは中国の起業家ジャスティン・サン氏が立ち上げた非営利団体「TRON財団」によって2017年に公開されたブロックチェーンプラットフォームです。エンタメ業界を新しくすることをミッションに、動画やゲーム、音楽などといったデジタルコンテンツの発信や共有を目標にして開発がスタートしました。
従来のデジタルコンテンツ配信プラットフォームのなかでも有名なものと言えば、YouTubeやSpotify、Instagramなどが挙げられます。いずれのプラットフォームでも、クリエイターが自身のコンテンツを完全に管理できるわけではないという弱点がありました。
例えば、YouTubeに動画コンテンツをアップロードしても、YouTubeの規定に違反したり好ましくないコンテンツだと認識されると規制がかかったり、マネタイズできなくなったりします。また、報酬の手数料率も30~50%と高いこともネックとなります。このような仕組みがしょうがないものと感じる人もいるかもしれません。中央集権的なプラットホームでは、デジタルコンテンツを管理するのは最終的に運営企業となっているからです。
その一方で、トロンは分散型台帳技術(ブロックチェーン)を活用するため中央管理者が存在しません。あくまでクリエイターが主体となってコンテンツを配信できる仕組みとなっています。クリエイター自身が仲介者なしでブロックチェーン上でコンテンツを配信し、ファンらはそれを直接購入することもできるため、クリエイターの収益化がより簡単になることも期待できるでしょう。クリエイターとファンとの間に仲介者が存在しないことで、仲介者に支払う手数料がないのも魅力的なポイントです。
1.1. TRON財団設立者のジャスティン・サン氏とは
TRON財団を設立したジャスティン・サン氏は北京大学を歴史学を2011年に卒業し、成績優秀で学部長を三年勤めるほどの方でした。2013年にはアメリカのペンシルバニア大学で職人経済学を修士号を修得しています。そして2018年にはアリババの創業者であるジャック・マー氏が設立した企業家育成プログラムの湖畔大学にも在籍しており、様々な大学で勉学に励んだことが伺う経歴となっています。
大学を卒業した後はリップル研究所に採用され、中国最初の従業員として勤務していました。2013年から2016年までリップル研究所の代表と相談役に就任していました。また、2013年に中国最大のオンライン音楽ストリーミングサービスのPeiwoを企業しており、経営者としての才覚もすでに持ち合わせていました。その後2017年に分散型プロトコルのTRONを開発、発行する動きとなっています。
1.2. トロンの機能とは
トロンブロックチェーンはDelegated Proof-of-Stake Consensus (DPoS)コンセンサスアルゴリズムを採用しています。簡単に説明すると、投票権を持つ人によって委任された人が、ブロックの生成を行うという仕組みです。DPoSにより、トロンはTPS(秒間トランザクション)2,000件の処理を可能としています。これはビットコイン(TPS 5件)やイーサリアム(TPS 25件)と比較して高く、スピーディな取引が可能となっています。
さらに、トロンブロックチェーン上ではイーサリアムと同様にスマートコントラクトが実装されており、NFTやdAppsの開発もできるようになっています。
今後Web3市場が成長するとともにNFTやdApps、DeFi分野が拡大すれば、トロンブロックチェーンへの需要も大きくなると考えられるでしょう。
②トロン(TRX)とは
トロン(TRX)は、トロンブロックチェーンで使用される基軸通貨です。
トロンでは「TRON20トークン」という独自トークンを発行することができ、それをICO(イニシャルコインオファリング)で売ることができます。このTRON20トークンはTRXと交換できる仕様となっています。クリエイターはブロックチェーン上でトークンを発行したり、または、ファンから直接TRXを受け取ることもできます。
また、TRXはトロンブロックチェーン上のDeFi(分散型金融)アプリケーションで使用される通貨でもあります。トロンブロックチェーン上で開発されたdAppsでは独自トークンが発行されており、TRXを担保資産に使用するステーブルコインも開発されています。
DeFiLhamaというデータサイトによると、トロンのTVL(プールされた総資産価値)は約60億米ドル(8,000億円)に上り、プラットフォームの中でイーサリアムやBSCに次いで3番目の規模となっています。
③トロン(TRX)を国内で購入するには
ここまでご紹介したように、トロンブロックチェーンは次世代のコンテンツ配信プラットフォームであり、従来の中央集権的なプラットフォームにはない数多くのメリットを有しています。
YouTubeをはじめとしたコンテンツ配信プラットフォームが市場を独占している中、トロンではクリエイターがより自由に収益を見出せる可能性に期待できると言えるでしょう。
そこで、国内でもTRXを購入したり、保有したいと考える人もいるかもしれません。TRXの取引を目的に暗号資産取引所で口座開設を行う場合は、以下の企業から選択してみてください。
初心者でも取引しやすいアプリを提供する「BITPoint」
「BITPoint(ビットポイント)」は、株式ビットポイントジャパンが運営する暗号資産取引所です。ビットポイントジャパンではビットコインやイーサリアム、XRPといった主要な暗号資産が取り扱われており、取引手数料無料で利用が可能となっています。また、初心者でも簡単に取引ができるスマホアプリも用意されているため、これから暗号資産投資を始めたいと考える方が開設する暗号資産取引所候補のひとつです。
130か国以上で数百万人のユーザーにサービスを提供する「Huobi」
仮想通貨取引所・販売所のHuobiHuobiは2013年の設立以来、累積売上高が1兆2,000億ドルを超える世界最大級のデジタル資産取引所です。設立から5年、現在では130か国以上の何百万人のユーザーを抱えており、現在Huobiは仮想通貨交換業者のBitTradeを傘下に、日本の法律に則った金融サービスを開始しています。
Huobi Groupが抱える世界中のエンジニアによって、SSL認証最高ランク(A+レベル)の安全性の高い金融サービスを24時間365日利用することができるだけでなく、さまざまなお得なキャンペーンも用意されているおすすめの取引所です。
6月15日からTRXの取引を開始する「DMM Bitcoin」
仮想通貨取引所・販売所のDMM Bitcoin「DMM Bitcoin」は株式会社DMM.comのグループ会社であるDMM Bitcoinが運営する暗号資産取引所です。DMM Bitcoinでは、国内でも最多となるアルトコインレバレッジ取引銘柄を取り扱っており、DMMグループが培ってきた金融サービスのノウハウを活用し、株式などの金融商品取引経験のある投資家が利用しやすいサービスを提供していることが特徴です。
DMM Bitcoinでは現物の取引や取引所方式によるサービス提供を行っていないものの、こうしたサービス展開の背景には今後定まっていく規制への対応や顧客への安全なサービス提供という観点があり、DMM Bitcoinが取り扱っておらず他取引所で取り扱いのあるサービスについても、新たな注文方式の導入によりスプレッドを狭くする対応を進めるなど、グループ会社の金融ノウハウを活かしたサービス展開が魅力となっています。
④まとめ
6月15日からはTRXの取り扱いを開始するDMM Bitcoinでは、TRXの現物取引だけでなく、レバレッジ取引も利用可能になります。そのため、TRXのロング(買いポジション)だけでなく、ショート(売り)から入ることもできるというメリットがあります。さらに、レバレッジ取引は現物取引を行う場合よりも資金効率が良い点もポイントです。
レバレッジ取引を目的に暗号資産取引所で口座開設をしたいという方は、DMM Bitcoinをチェックしてみてはいかがでしょうか?
中島 翔
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