【投資初心者必見!】暗号資産のトレードで負けてしまいやすい人の2つの特徴とその対策

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証券会社を経て、暗号資産(仮想通貨)取引所でトレーディング業務に従事した後、現在は独立して仮想通貨取引プラットフォームのアドバイザリーや、コンテンツ提供事業を運営する中島翔氏のコラムを公開します。

目次

  1. 短期な人、ギャンブル好きな人
    1-1. 必ず日足チャート以上でエントリーする
    1-2. 自己分析を徹底して行う
    1-3. 実際にトレードして負けてみる
  2. 理論的なマーケット分析にこだわる人
    2-1. 疑問があれば投資家の心理的背景まで調べる
  3. 負けやすい特徴を持った人でも利益は出せる

暗号資産のトレードをこれからスタートしようと思っている方には、「値動きが大きくて儲かりそう」とか、「知人が資産を数倍にしたから」といった動機をお持ちの人もいるのではないかと思います。この2点に関しては事実であり、嘘ではありません。しかし、こうした特性は裏を返せば「すぐに資産を失う可能性がある」ということです。リスクを認識せずに迂闊にトレードを始めると、すぐに資産を溶かしてしまうことになります。

ここでは筆者の経験から、暗号資産のトレーディングで負けやすい人の特徴について解説したいと思います。

①短期な人、ギャンブル好きな人

「短期な人、ギャンブル好きな人」はトレードを行う際に注意が必要です。相場で大切な視点はチャートの「横軸の時間」です。

相場はすぐに上昇したり下降したりするものではありません。じっくりと時間をかけて、色々な投資家の感情が入り交じった結果、プライスアクションが現れます。

短期な人はすぐにエントリーしてポジションを持ち、常に価格動向を見てはハラハラしたり、「思った方向にいかないか」と気にする傾向があります。そして、ちょっとでも思った方向に価格が動くと利益確定をしてしまいます。こういうタイプは、負けるパターンに最も陥りやすいです。

例として下記のチャートでエントリーしたことを想像してみてください。

Trader weak1
上図はビットコイン円の日足チャートです。高値を超えてきたのでブレイクしたと判断し、青色の○印でロングポジションを構築したとします。

その後少し上昇しており、おそらく短期な方はここで利益確定したいと思うでしょう。まもなくエントリーしたラインを下抜けして反落しますが、このタイミングではどのような感情になるか想像してみてください。

大体の初心者は「少し戻ったらポジションを閉じよう」とか「損益が0のラインまでとりあえず保有してから判断しよう」といった感情が出てきます。今回のチャートは結局エントリーラインまで戻ってきており、ちょうどエントリーラインを境目にして上下に動いています。

初心者が行いやすいことは「ポジションを保有すると短期な人は利益確定を急ぎやすく、反対方向に推移したときに損切りを躊躇する」ということです。

これはギャンブル好きも同様です。ギャンブルの場合、すぐに結果が出る場合が多く、それがギャンブルの良さでもあります。しかし、トレードとギャンブルは全く異なります。その点を意識しておきましょう。

それでは短期な人、ギャンブル好きな人はどのようにしてトレードをしていくべきかを解説します。

1-1. 必ず日足チャート以上でエントリーする

短気な人は、トレードにおいて必ず日足以上の長期スパンでトレードを行いましょう。ゆっくりとした時間軸でトレード判断を行うのです。また、ルールは厳格に決めて、負けても勝っても厳守しましょう。

負けた時は後悔ではなくフィードバックを行いましょう。ルールを見直し、時には微調整することが大切です。

1-2. 自己分析を徹底して行う

次に行うべきことは自己分析です。どのような状況下でどのような感情が生まれやすいのか、自分の内面を分析しましょう。

人間は弱い生き物であり、弱い面を認めることはとても難しい作業です。しかし、それを認め、対処しない限りトレードで勝率を挙げることは困難です。

1-3. 実際にトレードして負けてみる

このアドバイスは一体なんだ?と思われる方もいるでしょう。デモトレードを経験すれば、十分ではないかと思う方も多いと思います。しかしデモトレードは実践とは全く異なります。デモで利益が出たとしても、実際のお金でトレードすると心理的な負担が大きくその違いに驚くことでしょう。

大事なことは「実際のお金でトレードしているときの感情の変化を理解すること」です。だからこそ、筆者は最初から実際のお金でトレードを行い負けてみることで、自分がどんな感情に陥るのか理解することが最初は大切と考えています。

少額の勉強代という捉え方でまずは実践してみて、ポジションを保有したときの緊張感等を理解することが次に繋がります。

②理論的なマーケット分析にこだわる人

次の負けやすいタイプは全ての事象において、理論的に物事を捉えようとする人です。一見するとこれは正しい行為の様なので、間違っていないと感じる方もいると思います。

しかし、マーケットは机上の空論で動いているものではありません。必ずしも、理論的に判断されている場所ではありません。様々な投資家の大衆心理がひしめく中で、結果的に形成されるのが価格なので、合理的ではないことも頻繁に起きています。

理論的にマーケットを理解してトレードすることは間違いではありませんが、それはアナリストであり、トレーダーとは言いません。時に説明がつかない動きを見せることもあり、どのように整理して対応するかが求められるのがトレーダーです。「相場に理由がない」という答えが出てきたとしても、それはそれで正解です。

しかし、基礎的な知識は重要であり、体系的な理解がとても大切です。市場参加者がそれぞれ、知識をベースに判断し、形成されるのがマーケットです。そのため、必ずしも理由がある訳ではないが、知識は必要であることを理解しておきましょう。

2-1. 疑問があれば投資家の心理的背景まで調べる

理論的なマーケット分析にこだわる人は、価格が動いた時にニュースを調べることが多いと思います。もちろんニュースも重要ですが、市場では「ポジション動向」こそが重要です。「ポジションの傾き」を把握することが、ニュースの影響よりも重要と考えてください。

非常にポジティブなニュースが出たとしても、既に市場参加者の9割が上昇方向のポジションを構築していたら、買い(ロング)を入れる投資家は1割しか残されていません。この時点で、ポジション動向を把握していなければ、強気になって「まだまだ上昇する」と判断してしまいます。

重要なニュースが出た時は、一旦上方向に動き、売り圧力が強まり、一気に下落するという動きになりやすいものです。例を見てみましょう。

Trader weak2

上図はビットコイン円の5分足チャートです。このように一旦上にいくものの、売り圧力が強まると上昇分を全て吐き出すような動きを見せます。これは暗号資産マーケットの特徴とも言えます。

理論的に勉強するのも必要な面はありますが、マーケットを誰が動かしているのか、そして大衆心理はどのような状態かをしっかりと理解することもとても大切なことです。

アナリストとトレーダーの違いはそこにあります。トレーダーは、市場参加者の動向をリアルタイムで把握し、理論的に説明がつかない値動きに対応する必要があります。

③負けやすい特徴を持った人でも利益は出せる

筆者も昔、短気な性格が原因で負けたケースが多くありました。しかし、克服するために自己分析を行い、マーケットの大衆心理について勉強しました。

「自分はそんなに短期じゃない」とか「理論にそれほどこだわっていない」と思う人もいると思います。しかし、将来のために悪い部分を見つめ直し、改善することはとても良い機会になります。

まずは徹底して自己分析を行い、短期な人やギャンブル好きな部分があれば、どのように改善していくべきかをしっかりと自分自身で考えてみましょう。必ず克服できますし、トレードで利益を出せるよう前向きなステップを踏み出せると思います。

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中島 翔

一般社団法人カーボンニュートラル機構理事。学生時代にFX、先物、オプショントレーディングを経験し、FXをメインに4年間投資に没頭。その後は金融業界のマーケット部門業務を目指し、2年間で証券アナリスト資格を取得。あおぞら銀行では、MBS(Morgage Backed Securites)投資業務及び外貨のマネーマネジメント業務に従事。さらに、三菱UFJモルガンスタンレー証券へ転職し、外国為替のスポット、フォワードトレーディング及び、クレジットトレーディングに従事。金融業界に精通して幅広い知識を持つ。また一般社団法人カーボンニュートラル機構理事を務め、カーボンニュートラル関連のコンサルティングを行う。証券アナリスト資格保有 。Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12