トークン発行型クラウドファンディングサービスを提供する「FiNANCiE(フィナンシェ)」は、日本最大級の地方創生プラットフォームを目指す「にっぽんの宝物DAO」のトークン新規発行および販売開始を発表しました。にっぽんの宝物DAOは、地方創生を目的にDAO(分散型自律組織)を導入するコンセプトで、全国的にも先駆的な取り組みです。
ここでは「にっぽんの宝物DAO」について、またトークン型クラウドファンディングの概要、また次世代クラウドファンディングサービスを提供しているフィナンシェについて詳しく解説します。
- 地方創生のための「にっぽんの宝物DAO」とは?
1-1.地方で眠るヒット商品の原石を世界へd
1-2.日本の宝物にふさわしい商品を大会で選抜
1-3.日本各地へプロジェクトを認知させるためのDAO発足 - にっぽんの宝物DAOが目指しているもの
2-1.サポーターも参加できるコミュニティ運営
2-2.ECサイトでの優先購入権 - 「にっぽんの宝物DAO」の宝物トークンとは?
3-1.プロジェクトとファンを繋ぐ証の「トークン」
3-2.トークン購入=プロジェクト応援
3-3.トークンを保有するメリット
3-4.トークンリリースと支援付きコース - にっぽんの宝物JAPANグランプリ2022-2023
- 次世代クラウドファンディングサービス「フィナンシェ」とは
- まとめ
①地方創生のための「にっぽんの宝物DAO」とは?
1-1.地方で眠るヒット商品の原石を世界へ
にっぽんの宝物DAOは、地域に眠る商品の開発から販売までを一気通貫で支援する、株式会社にっぽんの宝物が主導するプロジェクトです。
日本各地には「にっぽんの宝物」とも言える、食や観光、工芸品など地域に眠る様々なヒット商品の原石があります。しかし、これまでのやり方では売上につながらず、廃業に至るケースも多くありました。そういったヒット商品となる原石を、アクティブラーニングの手法を通じて、世界レベルで売れる商品に育てるのが『にっぽんの宝物』プロジェクトです。
1-2.日本の宝物にふさわしい商品を大会で選抜
日本各地にある食・工芸雑貨・観光商材等など地域に眠る様々な商品の、高いポテンシャルを引き出すため、2009年より、自治体、地元金融機関らと力をあわせ、商品の開発、販売支援を行う全国的なネットワークを構築してきました。
あえて異業種(一〜三次産業)人材を集め、「アクティブラーニング」と「コラボレーション」をキーワードに、自社商品をブラッシュアップします(4回のセミナーを実施)。その成果発表として日本の宝物にふさわしい商品を、地方大会、全国大会、世界大会(シンガポール)で商品選抜を行います。受賞商品は、すぐにECサイトや有名店での販売につながり、売上が100倍になった事業者などを輩出してきました。
1-3.日本各地へプロジェクトを認知させるためのDAO発足
「にっぽんの宝物」を47都道府県、1,718の市町村へもっともっと広げるためには、Web3の活用は必要不可欠との考えに至ったそうです。にっぽんの宝物のコンセプトと親和性が高い、多くの人たちを巻き込んだ「共創型コミュニティ」の創造を得意とする、Web3プラットフォーム「FiNANCiE」を活用した「にっぽんの宝物DAO」を発足しました。DAOの始動と同時に、トークンの新規発行・販売開始を発表しました。
②にっぽんの宝物DAOが目指しているもの
2-1.サポーターも参加できるコミュニティ運営
商品開発のためのプロジェクトに消費者が参加する1番の価値は、その商品の製造過程にあるとも言えます。にっぽんのDAOにおいては、まだ見ぬ原石を共に発掘し、世界に通用する商品に磨き上げるプロセスに関わることができます。
にっぽんのDAOでは、DAOの参加者が事業者や有識者とつながり、自身の知見やアイデアが商品開発や販売促進に活かせるようなコミュニティチャンネルの運営、投票企画、事業者教育ツールの開発などが進められる予定です。
2-2.ECサイトでの優先購入権
毎年入手が困難となるグランプリ受賞商品や、宝物出品商品が集まる「にっぽんの宝物ECサイト」での優先購入期間の提供や、にっぽんの宝物事業者の企画した旅行や、事業者訪問ツアーを通して、にっぽんの宝物の逸品に実際に触れる機会も作っていく予定、とのことです。
こうしたプロセスエコノミーの参加を通じて、「集合地の形成」をより加速させ、さらに参加者にとってかけがえのない学びと体験の場となることを目指しているそうです。
③「にっぽんの宝物DAO」の宝物トークンとは?
3-1.プロジェクトとファンを繋ぐ証の「トークン」
にっぽんの宝物DAOのプロジェクトでは、フィナンシェにて「トークン発行型クラウドファンディング」を実施します。フィナンシェの活用により、「トークン販売で資金調達→支援金を活用してプロジェクト運営→トークンホルダー限定コミュニティで活動状況の可視化→共創型の取り組みによるプロジェクトの価値向上」という一連のプロセスからなる、エコシステムづくりがチャレンジする、とのことです。
フィナンシェにおけるクラウドファンディンで発行されるトークンは、プロジェクトオーナーと支援者(サポーター)を繋ぐ証(あかし)となる『デジタル上のアイテム』です。このトークンはポイントのように数量をもつもので、需要に応じてその価値(価格)が変動するという特徴を持っています。
3-2.トークン購入=プロジェクト応援
一人一人がプロジェクトにとって価値ある行動に取り組むことで、トークンの価値が高まる可能性が生まれます。また継続的にプロジェクトを応援するメリットや、モチベーションとなります。
初回ファンディング終了後にオープンするマーケットプレイスでは、トークンの売買(二次流通)ができ、共創コミュニティではサポーター同士でトークンをプレゼントし合うこともできるそうです。
3-3.トークンを保有するメリット
プロジェクトトークンを保有するということは、プロジェクトを応援する以外の特典があります。
その1つ目は、にっぽんの宝物DAOという共創型コミュニティに参加し、プロジェクトを盛り上げることができることです。
2つ目は、トークン投票に参加できることです。デザイン選定などの気軽なものから、企画運営に関するものまで、積極的に利用していきます。さらにサポーターだけが参加できる抽選イベントを行い、様々なアイテムや体験などを獲得することもできます。
3つ目は、トークンを保有することで得られる追加特典です。トークンが複数枚保有することができる機能や保有するトークンの数量を参加条件として設定する機能を利用して、ファンディングが終了した後でも、継続的にトークンを保有して応援しているユーザーに向けた追加特典などが提供されるという仕組みです。
4つ目は、地域の宝物をシェアするチャットチャンネルの参加です。商品を紹介したい人や、日本の宝物を地元で開催してほしいといった、意見交換などができます。また商品をブラッシュアップしたり、マーケティングなどの意見交換をして、互いを磨き合うことができる限定チャットルームの利用ができます。
上記は一例ではありますが、コミュニティを形成して、応援したいと思っているユーザーで盛り上げていく仕組みが作られているということが大きな特徴となっています。
3-4.トークンリリースと支援付きコース
「にっぽんの宝物DAO」のトークン初回販売はフィナンシェのWebサイトで行われており、2月23日9:00から開始しており、4月30日20:00まで実施される予定です。また「にっぽんの宝物DAO」のトークン販売メニューは、10,000ptから10,000,000ptのものまで全16種類の支援コースが用意されており、コースによって獲得できるトークン数や特典が異なります。以下がその販売メニューの例になります。
エントリーコース①
獲得トークン数 | 10,000pt分 |
支援特典 | ・ホルダー限定コミュニティへの参加 ・投票企画・抽選応募への参加 ・関連イベント情報への先行アクセス権(トークン保有条件あり) ・にっぽんの宝物「イベント運営」参加権(トークン保有条件あり) |
エントリーコース②
獲得トークン数 | 30,000pt分のトークン |
支援特典 | ・ホルダー限定コミュニティへの参加 ・投票企画・抽選応募への参加 ・関連イベント情報への先行アクセス権(トークン保有条件あり) ・にっぽんの宝物「イベント運営」参加権(トークン保有条件あり) ・公式ECサイト優先販売期間へのご招待(トークン保有条件あり) |
エントリーコース③
獲得トークン数 | 50,000pt分のトークン |
支援特典 | ・ホルダー限定コミュニティへの参加 ・投票企画・抽選応募への参加 ・関連イベント情報への先行アクセス権(トークン保有条件あり) ・にっぽんの宝物「イベント運営」参加権(トークン保有条件あり) ・公式ECサイト優先販売期間へのご招待(トークン保有条件あり) ・体験ツアーへの優先申し込み権(トークン保有条件あり) |
教育ツール共同開発コース
獲得トークン数 | 100,000pt分のトークン |
支援特典 | ・ホルダー限定コミュニティへの参加 ・投票企画・抽選応募への参加 ・関連イベント情報への先行アクセス権(トークン保有条件あり) ・にっぽんの宝物「イベント運営」参加権(トークン保有条件あり) ・公式ECサイト優先販売期間へのご招待(トークン保有条件あり) ・体験ツアーへの優先申し込み権(トークン保有条件あり) ・羽根代表監修:教育ツール開発プロセスへの参加権(トークン保有条件あり) |
にっぽんの宝物・経営支援コース
獲得トークン数 | 100,000pt分のトークン |
支援特典 | ・ホルダー限定コミュニティへの参加 ・投票企画・抽選応募への参加 ・関連イベント情報への先行アクセス権(トークン保有条件あり) ・にっぽんの宝物「イベント運営」参加権(トークン保有条件あり) ・公式ECサイト優先販売期間へのご招待(トークン保有条件あり) ・体験ツアーへの優先申し込み権(トークン保有条件あり) ・羽根代表監修:教育ツール開発プロセスへの参加権(トークン保有条件あり) ・商品開発・販売に関するオンライン研究会参加権 ・会社経営や人材育成に関する研究合宿への参加権 |
④にっぽんの宝物JAPANグランプリ2022-2023
にっぽんの宝物JAPAN事務局(株式会社にっぽんの宝物は、『にっぽんの宝物 JAPANグランプリ2022-2023』を2月23日・24日に「東京ミッドタウン日比谷 BASE Q」と「Have a Nice TOKYO! POP UP ZONE」で開催。全国16エリアでの地方大会で選出された上位入賞81社・55組が11部門に分かれて審査され、各部門のグランプリが決定しました。
さらに、その後、部門グランプリ受賞者が部門の域を超えて競い合うグランドグランプリを行い、佐賀県の農業生産法人株式会社Agrishの「濃甘フルーツトマト 太陽のたまもの」が全商品中の頂点に輝きました。部門グランプリ受賞者は、2023年夏にシンガポールで開催予定の世界大会へ駒を進めます。
⑤次世代クラウドファンディングサービス「フィナンシェ」とは
FiNANCiEは株式会社フィナンシェが提供している、ブロックチェーンを活用したトークン発行型のクラウドファンディングプラットフォームです。スポーツチームや企業・地域プロジェクト、クリエイターなどが「コミュニティトークン(CT)」の発行を通した資金調達の実施、コミュニティ運営が可能となっています。
コミュニティトークンの保有者は、FiNANCiE内の各コミュニティに参加できる権利やコミュニティ運営の一部に携われる投票、参加型イベントへの招待、限定コンテンツ、特典抽選への応募などの権利が得られます。
投票はトークン(CT)保有数に応じて投票数が多くなる仕組み、保有しているトークン数の割合によって抽選特典の当選確率が変動するなどのインセンティブがあります。また一定量のトークンを保有しているサポーターには限定の特典も提供されます。
株式会社フィナンシェとは
フィナンシェは前述した「FiNANCiE」をはじめ、NFT事業、IEO支援事業などトークンを活用したコミュニティおよびエコシステムの形成を支援する事業を展開しています。
現在、180以上ものスポーツチームやエンタメプロジェクト、個人などのトークンの発行・販売、企画・運用実績を有しており、トークンエコシステムの形成・拡張を一気通貫で支援する国内唯一のWeb3プラットフォームの確立を目指しています。
⑥まとめ
地方創生のためにWeb3が活用される事例はすでに出てきており、フィナンシェを活用している地域活性化にかかわるプロジェクトは複数あります。地方応援のために寄付や支援をしたとしても、寄付をしたその先を知るためにはSNSを通じて確認するなど、手段が限られていました。しかしトークンとコミュニティを連携させた支援は、見守る応援だけでなく、意見交換や投票など、より直接的で寄り添える仕組みになっています。
またトークンなので保有していることで、コミュニティが盛り上がり需要が高まれば、トークンの価値も上がっていきます。応援しながら投資にも興味があるという方はぜひ、にっぽんの宝物DAOについてチェックしてみてください。
立花 佑
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