今回は、The Sandbox(ザ・サンドボックス)の全体マップについて、大手仮想通貨取引所トレーダーとしての勤務経験を持ち現在では仮想通貨コンテンツの提供事業を執り行う中島 翔 氏(Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12)に解説していただきました。
目次
- The Sandboxの基本事項
1-1. The Sandboxの世界構成
1-2. The Sandboxのデジタル不動産 - Metaverseの住人達
2-1. SUMMER JAM
2-2. EUPHORIA
2-3. INNOVATORS
2-4. PRANKSY&METAPURSE
2-5. COINMARKETCAP
2-6. THE SMURFS
2-8. BINANCE
2-9. MOON - まとめ
The Sandbox「The Sandbox(ザ・サンドボックス)」の仮想空間であるMetaverse(メタバース)の住人、つまりMetaverse上で土地を所有しているということは、そこに投資をしているということにもなります。
投資をしているということはThe Sandboxの将来性に期待し、The Sandboxを使用したマネタイズを考えているということに他なりません。そこで今回はどのような企業などがThe Sandboxに投資をしているのかを明らかにしながら、The Sandboxの住人を探ってみたいと思います。
①The Sandboxの基本事項
まずはThe Sandboxの基本事項について解説します。
The Sandboxとはブロックチェーン上の仮想空間プラットフォームで、ユーザーはその仮想空間の中でゲームを楽しんだりすることができます。仮想空間上の土地であるLANDを所有している場合はコンテストやイベントを主催したり、SANDでアセットをカスタマイズや収益化、メタバースガバナンスへの投票や自分や他の人が作成したゲームをプレイできます。
LANDは3月にCoincheckがローンチした「NFTマーケットプレイス(β版)」でも販売され、すぐに完売したことでも話題となりました。
1-1. The Sandboxの世界構成
The Sandboxの世界は、大きく以下の3つの概念で構成されています。
- METAVERSE(メタバース)
- LAND(ランド)
- ESTATE(エステート)
METAVERSE(メタバース)はThe Sandbox内に存在する仮想空間の呼称です。現実の世界に当てはめると「地球」もしくは「世界」の概念です。
The Sandboxの世界では仮想空間を無限に広がる空間としてではなく、限定的な空間として設定することにより、土地や建物の概念を入れることを可能としています。それが、LANDとESTATEとなります。
1-2. The Sandboxのデジタル不動産
The Sandboxの世界における不動産であるLANDとESTATEについて解説します。
LAND(ランド)
LANDとはMETAVERSE上に存在する土地のことで、区画の上限数が166,464個と決められています。
LANDをNFTマーケットプレイスで購入して、自分が制作したゲームを展開したり他のユーザーに土地を貸して、不動産収入を得たりといったことが可能となります。
ESTATE(エステート)
ESTATEとはThe Sandbox内におけるLANDをまとめた地域のことです。
エステートのサイズはS、M、L、XLと四つあり、それぞれLANDが9、36、144、576個まとまったスペースでMetaverseの地域を構成します。
②Metaverseの住人達
次にMetaverseの土地所有者である住民たちの顔ぶれについて解説します。
Metaverseの全体像
Metaverseには12の地域と、166,464区画のLANDがあります。各地域には下記のような名称がついています。
- SUMMER JAM
- EUPHORIA
- INNOVATORS
- PRANKSY&METAPURSE
- COINMARKETCAP
- THE SMURFS
- CARE BEARS
- BINANCE
- MOON
- ATARI
- THE HUB(Part1)
- THE HUB(Part2)
企業名がそのまま名付けられている地域もありますが、どのような企業が各地域において出資しているのか、最大サイズのESTATE所有者を中心に解説していきます。
1. SUMMER JAM
この地域は、青で塗りつぶされたThe Sandboxのゲーム用のLANDと濃いグレーで塗りつぶされたNFTマーケットプレイスのOpenSeaで販売されている区画が多いようです。
真ん中のやや大き目のLANDを所有している「zed」はブロックチェーン競馬育成ゲームの企業です。
2. EUPHORIA
この地域は大地主として紫色の「ZEPETO」と、紺の地にRと書かれた「Republic Realm」がいます。
「ZEPETO」は仮想空間上の自分自身であるアバターを制作する企業で、「Republic Realm」は建物などのデジタル不動産を制作する会社です。
3. INNOVATORS
この地域では「GALAXY INTERACTIVE」、「GEMINI」、イラストで描かれている「21X」が目立ちます。
「GALAXY INTERACTIVE」は、デジタルコンテンツなどのインタラクティブセクター全体を取り扱う企業で「GEMINI」は大手の仮想通貨取引所、「21X」はここに自社のゲームコンテンツを設置する予定です。
4. PRANKSY&METAPURSE
この地域はかなり多くの区画で構成されている地域です。
主な大地主は、画面左側から反時計回りに「SOCIOS.COM」「METAKOVAN1」「dogecoin」「PRANKED」「Cheeeech」と海に浮かんでいるのが「THE WALKING DEAD」です。
「SOCIOS.COM」はあのサッカーファントークンで有名なCHILIZです。「METAKOVAN1」はブロックチェーン技術の提供企業、「dogecoin」はあのドージコイン財団、「PRANKED」は世界最大のスーパーマーケットチェーンであるウォルマートのNFT部門、「Cheeeech」はファンドです。「THE WALKING DEAD」はThe Sandboxが企画しているゲーム用のESTATEです。
5. COINMARKETCAP
この地域は地域名にもなっているように仮想通貨の投資情報を提供している「CoinMarketCap」が圧倒的な大地主で24×24の576区画のESTATEを所有しています。
6. THE SMURFS
この地域はPRANKSY&METAPURSE一部被りがあるようですが、大地主としては「BINANCE」「GYBLand」「ATARI」「Coincheck」です。
「BINANCE」は世界的にも大手の仮想通貨取引所のBINANCEでこの地域だけで、576区画のESTATEが2区画と144区画のESTATEで合計1,296区画を所有しています。 「GYBLand」はクリプトアートのNFTを取り扱う企業で「ATARI」は古くからあるアメリカのコンピューター企業。「Coincheck」は日本の仮想通貨取引所のCoincheckで576区画のESTATEを所有しています。
7. CARE BEARS
この地域には576区画のESTATEを所有する住人はいないため省略します。
8. BINANCE
この地域には「BINANCE」がサイズの異なる4つのESTATEを所有し、合計で792区画を所有しています。
9. MOON
この地域では、被りを除いたところでは右上の「RollerCosterTYCOON」が目立ちますがこれはATARI社のゲーム用スペースです。
10. ATARI 11. THE HUB(Part1) 12.THE HUB(Part2)
これらの地域は今まで解説した地域との被りが多いため省略します。
①まとめ
The Sandboxで一番の大地主は圧倒的な区画数で「BINANCE」でした。
最近、何かと話題の話題となることも多いBINANCEですが、6月24日には「BINANCE NFT」というNFTマーケットプレイスもローンチ済みで、現実世界のみならず仮想空間においても勢力を拡大しそうな勢いです。
NFTならCoincheckは国内でも話題となっており、GMOも続いてNFTマーケットプレイスをオープンしています。気になる方は調べてもらうといいでしょう。
中島 翔
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