秋田県豪雨災害の復興を支援するNFTを販売!他NFTによる自然災害の寄付プロジェクト紹介

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暗号資産(仮想通貨)による寄付活動が増えていますが、NFTを利用したものはまだ新しい試みと言えます。2023年7月の秋田県の豪雨被害は甚大で、その影響は今も色濃く残っています。そこで、株式会社ロクブンノニ、合同会社Encrypto、そしてA LOVE MOVEMENTの3社が手を組み、災害復興を支援するNFTを9月5日から販売し始めました。ブロックチェーン技術を基盤に持つNFTは、寄付の証明となるため、新たな寄付の形として注目が集まっています。

本記事では、この「自然災害復興支援NFTプロジェクト」に焦点を当て、NFTを利用した様々な寄付プロジェクトやクラウドファンディングについても詳しくお伝えします。

目次

  1. 自然災害復興支援NFTプロジェクトとは
    1-1.NFTによる災害復興支援プロジェクトの実施背景
    1-2.継続的な支援の流れを目指した設計
    1-3.ウォレットを用意する
  2. 他NFTによる自然災害の寄付プロジェクト
    2-1.気候変動対策NFT「Ecosapiens」
    2-2.国内発、農家を支援する「支援DAO」ーNFTを活用する支援
  3. まとめ

①自然災害復興支援NFTプロジェクトとは

このプロジェクトは、ロサンゼルスの現代アーティスト、大久保鉄三氏と協力し、秋田県豪雨災害の復興を支援するためのNFTを販売するものです。

本デザインでは、秋田県のシンボルカラーを背景に、A Love Movementで人気の「スマイルくん」をフィーチャーしました。加えて、秋田美人をイメージした美しい「まつ毛」もデザインに取り入れ、秋田県の皆様が一日も早く笑顔を取り戻せることを願っています。売上は、被災地のニーズに応じて「秋田県大雨災害義援金」に寄付される予定です。

「A LOVE MOVEMENT」は、大久保鉄三氏が2002年にロサンゼルスで設立したリサイクルブランドで、「Happy, Enjoy, Sustainable」をコンセプトに掲げています。国内外でデザイナーとして活躍する中で、大久保氏はロサンゼルスでヴィンテージショップ「momo」も運営しています。

  • NFT販売概要
    • 販売期間:2023年9月5日 〜 2023年9月30日
    • 販売価格:$10
    • 対応チェーン:Ethereum
    • 発行数量:Open Edition
    • 発行形式:ERC1155
    • Contract Name:Recoveryfor001
    • SYMBOL:NFT For Recovery

1-1.NFTによる災害復興支援プロジェクトの実施背景

2022年12月に秋田県庁とのオンラインミートアップが行われ、株式会社ロクブンノニと合同会社Encryptoは、NFTを活用した地方貢献活動に取り組み始めました。2023年4月には、株式会社ロクブンノ二が秋田県庁とパートナーシップを締結し、秋田県の災害復興活動を進める運びとなりました。

1-2.継続的な支援の流れを目指した設計

本プロジェクトは、従来の一度きりの寄付ではなく、NFTの活用により、継続的な支援の流れを創出を目指しています。販売されるNFTのデザインは、ロサンゼルスのリサイクルブランド「A LOVE MOVEMENT」の代表、大久保鉄三氏が手掛けています。このNFTを利用することで、ロイヤリティが寄付として活用され、継続的な支援が可能となります。

1-3.ウォレットを用意する

NFTを受け取るためには専用ウォレットが必要です。イーサリアム専用ウォレットのメタマスク(MetaMask)は、初心者でも作成しやすくなっています。

MetaMaskのウォレット作成方法、OpenSeaへの連携方法について解説【NFTマーケットプレイス導入準備】

②他NFTによる自然災害の寄付プロジェクト

2-1.気候変動対策NFT「Ecosapiens」

Ecosapiensは、二酸化炭素削減を目的としたNFTデジタルコレクティブルです。トークン化された16トンのCO2を裏付けとするNFTを発行・販売することで、個人レベルでの気候変動対策や二酸化炭素削減への貢献を促すプロジェクトです。このNFTは、シーズン中により多くの炭素を隔離することでNFTの見た目が変化する「レベルアップ」が特徴のひとつとなっています。また、同NFTでは、世界銀行が支援するケニアの土壌炭素プロジェクトからカーボンクレジットを調達しています。

Ecosapiensの創設者であるNihar Neelakanti氏は、Blockchain Law for Social Good Centerのインタビューに対して、アクセシビリティのためにデザイン思考を持ち込んだスティーブ・ジョブズにインスピレーションを得たとしており、「ブロックチェーンを利用したCO2に裏付けされたアートを通じて、気候変動対策を簡単に、身近に、経済的に、社会的にすることをすることを目指している」とコメントしています。

「Ecosapiens」は、マウイ島の山火事救援のため、1万ドルの寄付プロジェクトを展開しました。このプロジェクトで発行された限定NFTは、10ETHで販売され、82アイテムがOpenSeaでミントされました。集められた資金は、「Endaoment」を通じて、「Maui United Way」に寄付されます。

8月に起こったマウイ島ラハイナ周辺を襲った山火事では、数千棟以上の建物が消失しており、いまだに388名が行方不明のままです(8月23日記事執筆時点)。Bloombergによると経済的損害は、40億~60億ドル(5,800億~8,700億円相当)に及ぶと推測され、アメリカの山火事史上最悪の被害をもたらしました。

2-2.国内発、農家を支援する「支援DAO」ーNFTを活用する支援

多くのNFTプロジェクトが存在する中、特に注目されるのが、農家の支援を目的とした農業系プロジェクト「支援DAO」です。このプロジェクトは、NFTを活用した革新的なクラウドファンディング方法を取り入れています。ファウンダー「ごっちゃんCEO(@eigyoueigyou)」さん自身はリサイクル業を営んでいますが、実兄の農業への思いから、農業系NFTコミュニティ「tomajoDAO」に参加。これが「支援DAO」の起源となりました。

クラウドファンディングのプロセスは、まずコミュニティ内で支援希望者が立候補し、複数いる場合は投票で被支援者が選ばれます。次に、NFTのリリース日や枚数が決定され、告知が行われます。NFTの購入は「支援DAO」内の「ミントサイト」から可能で、購入者はNFTを支援の証として保有します。全てのNFTが購入されると、集まった寄付金が被支援者に渡されます。

記事執筆時点で、2回の支援が成功し、イーサリアムが被支援者のウォレットに送られました。支援金はイーサリアムだけでなく、円に換算されての寄付も可能です。また、毎回異なるデザインのNFTが発行されるのも特色です。

国内発、農家を支援する「支援DAO」ーNFTを活用する支援の仕組みとその実績、メリット・注意点とは?

③まとめ

寄付の主流は現金でしたが、仮想通貨の登場以降、例えばイラクとロシア間の紛争ではビットコインによる支援が行われ、話題となる事例が出てきています。現金による寄付では、寄付が実際に困っている人々に届いているのか明確ではなく、仮想通貨の登場によりブロックチェーンで追跡可能になりましたが、それでも寄付をした証が残りにくいのが現状です。

NFTが国内外で注目を集めるようになり、NFTを利用した支援や寄付、クラウドファンディングが登場してきています。NFTはデジタルアートの一形態で、NFTの購入が寄付につながる仕組みとなっているため、支援者は寄付プロジェクトのNFTを証として保有することができます。

また、NFTアートを制作するアーティストとプロジェクトのコラボレーションによって、プロジェクトは大きな注目を浴び、より多くの支援者を集めることが可能になります。このようにして、NFTを利用した寄付や支援は、今後さらに活用されると考えられます。関心のある方は、ぜひ関連記事をご覧ください。

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立花 佑

自身も仮想通貨を保有しているWebライターです。HEDGE GUIDEでは、仮想通貨やブロックチェーン関連の記事を担当。私自身も仮想通貨について勉強しながら記事を書いています。正しい情報を分かりやすく読者の皆様に伝えることを心がけています。