NFTとDAOへの参加ガイド2024、市場の理解と自分に合ったプロジェクトの探し方(体験談)

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2022年以降、NFTを含む暗号資産(仮想通貨)市場は”冬の時代”を迎え、主要なヘッジファンド、レンディング会社、そして、海外版の仮想通貨取引所FTXの破綻を経験しました。しかし、2023年後半にはビットコイン現物ETFへの期待から、市場が再び活気づき始めました。

この期間中も数多くのNFTプロジェクトが登場し、個人クリエイターから巨大なコミュニティを持つプロジェクトまで、幅広い活動が見られました。筆者としても、NFT投資に興味をもったことがきっかけで、特定のDAO(分散型自律組織)のメンバーとして活動を開始。これにより、市場の動向をより深く理解することができたと実感しています。

本稿では、2024年からDAOへの参加を考えている方々へ向けて、DAOの種類や選び方、そして失敗しないNFT投資のアプローチについて、私の経験を交えて多角的にご説明します。

目次

  1. DAO(分散型自立組織)とは
    1-1. NFTプロジェクトを運営するDAOとは
  2. 2024年からどのDAOに参加すれば良いのか?
    2-1.
    どんなDAOに参加すればいいのか
    2-2. DAOに参加する必要はあるのか
    2-3. どこからDAOに参加すれば良いのか
  3. 2024年からDAOに参加するなら
  4. 筆者が興味を持ったDAOの実例
    4-1. 誕生したばかり、かつ、その思想に共感した「グリーンダオ」
    4-2. 気に入ったNFTを発行しているコミュニティ「Art Gift Shop Tulip」
    4-3. 日本で最初にDAOを広めたNFTプロジェクト「Ninja DAO」
  5. NFT購入において気をつけておきたいこと
  6. まとめ

①DAO(分散型自立組織)とは

NFTプロジェクトにおいて、DAO(Decentralized Autonomous Organization、分散型自律組織)という組織形態が注目されています。DAOは、特定の中央管理者を持たず、参加メンバーの民主的な意思決定に基づいて運営される、インターネットベースの組織です。

ビットコインはDAOの概念の代表例として挙げられます。厳密にはビットコインにDAOはありませんが、マイニングというプロセスを通じて、ネットワークの維持に参加するユーザーに報酬を提供する、その自律的な運営プロセスが、実質的に理想的なDAOの運用状況を模しています。

近年設立されている多くのDAOでは、組織の運営や意思決定プロセスにガバナンストークンを利用し、スマートコントラクトを使用して投票や財務管理などを行います。スマートコントラクトは、特定の条件が満たされた際に自動的に実行されるプログラムで、イーサリアムなどの暗号資産で広く用いられています。

1-1.NFTプロジェクトを運営するDAOとは

NFTプロジェクトのDAO運営は、一般にDiscordというチャットツールを介して行われます。テキストベースのコミュニケーションが中心となり、プロジェクトの日々の運営が進められます。貢献者に対する報酬の送金プロセスも、マニュアルなオペレーションとなっているケースが見受けられます。

DAOにおいては階層制が存在しないとされていますが、プロジェクトの創業者(ファウンダー)や、初期から参加している「運営」チームがいます。これに加えて、積極的に参加するアクティブユーザーと、それほど活動的でない非アクティブユーザーが存在します。アクティブユーザーは、その貢献度に応じてプロジェクトからのインセンティブを受けることがあります。階層が明確には存在しないものの、実際にはファウンダーや運営チームがDAOを主導している状況が見られます。DAOの成長と維持には、アクティブユーザーの育成が不可欠であり、その数が増えなければ、プロジェクトはやがて先細りとなる可能性が高まります。

②2024年からどのDAOに参加すれば良いのか?

2-1.どんなDAOに参加すればいいのか

DAOはWeb3技術を活用したコミュニティで、NFTをインセンティブやユーティリティとして利用することがあります。あなたが魅力を感じるNFTを購入することで、関連するDAOに参加する機会が得られる一方で、NFTを購入せずとも、DAOに直接参加して動向を追うことも可能です。

活動的なアクティブユーザーを抱えるDAOは、Discord上でのチャットが活発である傾向にあります。また、DAO内ではさまざまなプロジェクトが進行中です。そうしたDAOに参加することで、コミュニティのリアルタイムな活動を垣間見ることができます。チャットに積極的に参加する必要はなく、観察するだけでも参加することができます。一部のDAOでは、特定のNFT保有者のみがアクセス可能な専用チャットルームを設けている場合もあります。

新しく立ち上げられたプロジェクトは、初心者にも参加しやすい環境を提供しています。また、これは自分が貢献できるポジションが空いている可能性も示しています。DAOに参加に興味がある方にとって、魅力的な機会となるでしょう。

2-2.DAOに参加する必要はあるのか

DAO、つまり分散型コミュニティへの参加は、実はどちらでも良いというのが私の見解です。DAOへの参加は完全に自由で、参加したいときにするもので、必要でなければ参加する必要はありません。

ただし、あなたが興味を持ったNFTが特定のプロジェクトやDAOに関連している場合、少なくとも参加して情報を得ることは有益でしょう。時には、DAO内が初期には活発であったものの、後に活動が減少し、事実上停止してしまうケースもあります。

また、アートを愛好する方の中には、DAOの活動とは無関係にNFTを保有したいと考える方もいます。このような場合、DAOへの参加は必須ではありません。しかし、コミュニティを支持し、その一員として活動したいと考えるなら、参加を検討してみる価値はあるでしょう。

2-3.どこからDAOに参加すれば良いのか

NFTを保有していなくても、DAOへの参加は可能です。参加するための最初のステップは、各NFTプロジェクトの公式サイトまたはホームページを訪れることです。そこでは通常、コミュニティへの入り口が提供されています。

引用:OpenSea

公式サイトを検索エンジンで見つける方法のほか、OpenSeaを利用する方法もあります。コレクションを検索した際に表示される地球マークをクリックすると、プロジェクトの公式サイトへのリンクにアクセスできます。

また、X(旧Twitter)などのソーシャルメディアで公式URLが掲載されていることもありますが、詐欺的な偽アカウントも横行しており、安全性を考慮すると、先に述べた方法で公式サイトにアクセスすることをおすすめします。

③2024年からDAOに参加するなら

NFTプロジェクトに関連するDAOは様々あります。特に、PFP(Profile Picture)系のNFTコレクションは、独自のエコシステム構築を目指してプロジェクトを推進し、コミュニティの拡大に努めています。これらのプロジェクトは、目標達成のためにNFTを発行し、その売り上げを活動資金に充てています。参考までに、私がDAOに参加をする際に検討しているポイントをご紹介します。

1.DAOの立ち上げ段階に参加する

誕生したばかりで、これからコミュニティを形成しようとしているDAO。DAOの立ち上げ段階での参加は、コミュニティを共に築き上げたいと考える方に最適です。設立当初の段階に参加することで、運営と協力してコミュニティを活性化させ、より深く関わる機会を得られます。

2.DAOが掲げる思想、テーマに共感して参加

各DAOには独自の「パーパス」があります。これらはDAOのホームページやDiscordで示されることが多いです。その理念に共感すれば、参加しやすく、活動にも積極的になれます。

3.気に入ったNFTを発行しているDAOへの応援

NFTマーケットプレイスには多様なアートがあり、その中で気に入った作品を発行しているDAOを応援することは、参加の一つの動機となります。出入りは自由なので、情報収集のためだけの参加も一つの選択肢です。

4.既に成長している知名度のあるDAOに参加

国内外の多くのDAOは既に大きなコミュニティを形成しています。運営が確立され、初心者にも親切に対応してくれることが多いです。また、大きなコミュニティでは様々なプロジェクトが進行中で、そこからの参加も一つの選択です。

④筆者が興味を持ったDAOの実例

4-1.誕生したばかり、かつ、その思想に共感した「グリーンダオ」


グリーンダオは、Web3技術を利用してカーボンニュートラルを実現することを目指す新たなコミュニティです。彼らのミッションは「カーボンニュートラル実現のための仕組みを創造する」ことにあります。このプロジェクトは、個々人が経済的合理性に基づいて行動することで社会変革を促すインセンティブモデルを構築することを目指しています。Web3の可能性を活用し、DAO内でのコミュニティ構築から始めています。

そのロードマップには、初期段階でのコミュニティ構築、Discordの設立、メディアチャネルの開発、企業向け研修、イベント開催などが含まれています。次のフェーズでは、NFTの販売、カーボンクレジットのオンチェーン販売、トークンのユーティリティ範囲の拡大などを予定しています。

気候変動は人類にとって避けられない大きな課題です。グリーンダオは2050年のカーボンニュートラル社会を目指しており、この思想に共感する人々が集まっています。2023年に立ち上げられたばかりのこのDAOは、まだ小規模で、初期段階から参加し、影響を与えたいと考える方には特に適しています。

4-2.気に入ったNFTを発行しているコミュニティ「Art Gift Shop Tulip」

Art Gift Shop Tulipは、個人クリエイターによって立ち上げられたNFTコミュニティです。このコミュニティは、アートを贈ることの喜びや、贈られることの喜びを伝え、一生の思い出となるようなギフトを作り出すことを目的としています。さらに、物質消費主義からの脱却や、アーティストがアートを通じて生計を立てる環境を支援することを目指しています。

Art Gift Shop Tulipは、DAOというよりは、個人クリエイターを応援するコミュニティの性質を持っています。特に、花にインスピレーションを得たアート作品を中心に展開しており、ファウンダーの絵画が多くのファンを惹きつけています。アーティストを支援し、その創作活動を応援したい方には、このコミュニティが特に適しているでしょう。

4-3.日本で最初にDAOを広めたNFTプロジェクト「Ninja DAO」

引用:OpenSea

Ninja DAOは、幅広いメディア展開を行う「CryptoNinja(クリプトニンジャ)」の公式コミュニティです。このキャラクターは、漫画、アニメ、ゲーム、グッズ、小説、音楽、舞台など、多様な形で活用されています。既にゲームやアニメ、音楽などがリリースされており、2023年にはクラウドファンディングを通じてアニメプロジェクトが実現し、ファーストシーズンが放送されました。セカンドシーズンの放送も予定されています。

2024年には、トークン発行型クラウドファンディングプラットフォーム「FiNANCiE」を通じて、新たなクラウドファンディングが行われます。このプロジェクトは「Web3時代のゲームコミュニティ」を目指しており、既に数千人のユーザーが参加し、NFT業界で大きな注目を集めています。2024年1月のトークン発行型クラウドファンディング開始に先立ち、2023年12月18日からCNGコミュニティが先行オープンしました。

Ninja DAOは既に充実したコミュニティを持ち、知名度も高いため、初めてDAOに参加してみたいと考えている方には最適な選択です。

⑤NFT購入において気をつけておきたいこと

NFTの価格は変動するため、資産価値を持っていますが、値上がりを期待しての購入はおすすめしません。価格変動の予測は難しく、NFTのデザインやコミュニティへの興味・支持が購入の主な動機となるべきです。NFTを購入、保管するためにはウォレット(例: Metamask)が必要で、Googleの拡張機能として利用できます。安全対策として、保管専用と取引専用の二つのメタマスクウォレットを持つことも一つの方法です。

⑥まとめ

2023年のNFT市場は冬相場と言われましたが、2024年は投資対象としてだけでなく、様々な用途で注目されています。プロジェクト資金調達の手段、地方創生、社会課題解決など、NFTの利用可能性は多岐にわたります。

国家や企業は、環境問題やカーボンニュートラル、地方創生などの分野でNFTやWeb3技術の重要性を無視できなくなっています。DAOやWeb3技術を使ったプロジェクトが気になる方は、2024年から調べてみるのも良いでしょう。

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立花 佑

自身も仮想通貨を保有しているWebライターです。HEDGE GUIDEでは、仮想通貨やブロックチェーン関連の記事を担当。私自身も仮想通貨について勉強しながら記事を書いています。正しい情報を分かりやすく読者の皆様に伝えることを心がけています。