NECネッツエスアイのESG・サステナビリティの取り組みや将来性は?株価推移、配当・優待情報も

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投資家から企業に対し、ESGやサステナビリティでの積極的な取り組みを求める動きは依然として続いています。NECネッツエスアイは、ICTシステムのコンサルティングや保守運用などを手掛ける企業ですが、どのような取り組みを行っているのでしょうか。

この記事ではNECネッツエスアイのESG関連の取り組み、近年の業績や将来について解説します。同社への投資を検討している方、ESGに関心のある方は参考にしてください。

※2023年3月14日時点の情報をもとに執筆しています。最新の情報は、ご自身でもご確認をお願い致します。
※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定のサービス・金融商品への投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、利用者ご自身のご判断において行われますようお願い致します。

目次

  1. NECネッツエスアイの概要
    1-1.技術力と信頼性
    1-2.全国対応力
    1-3.事業創出力
  2. NECネッツエスアイのESGに関する取り組み
    2-1.2030年に向けた3つの最重要課題
    2-2.陸上養殖事業による海洋環境保全・食料問題等への貢献
    2-3.東京都武蔵野市における「エネルギー地産地消プロジェクト」
  3. NECネッツエスアイの10年間の株価推移と業績
    3-1.10年間の株価推移
    3-2.業績
  4. NECネッツエスアイの将来性
  5. NECネッツエスアイの配当・優待情報
  6. まとめ

1.NECネッツエスアイの概要

銘柄 NECネッツエスアイ
証券コード 1973
株価 1,619円
PER(会社予想) 18.55倍
PBR(実績) 1.79倍
配当利回り(会社予想) 2.84%

※2023年3月17日のデータ

NECネッツエスアイは、ICTシステムに関するコンサルティングや設計・構築、サービス拠点による保守・運用などを手掛けている企業です。1953年に電気通信工事会社として創業し、ネットワークやソフトウェアなどに事業を拡大してきました。社名の「ネッツ」はNetworksの略語、「エスアイ」はシステムインテグレーションの略語です。

1-1.技術力と信頼性

同社のコアコンピタンスは3つあり、1つ目は技術力と信頼性です。電気工事から始まった施工力にICT技術を組み合わせ、施工力を有するSIerという独自のポジションを確立しました。

企業に対してICT(情報通信技術)関連のシステムやサービスを提供しています。近年ではAI、IoT、RPAなどのデジタル技術を中心に、生産性向上・ビジネス変革につながる働き方も提案しています。

1-2.全国対応力

NECネッツエスアイでは、日本全国400カ所以上のサービス拠点に加え、ヘルプデスク、オペレーションセンター、総合テクニカルセンターなどを有しています。これらのサービス基盤により、24時間365日、全国2時間以内で人とモノを提供することが可能です。

近年ではサイバー攻撃が巧妙・複雑化していますが、同社はネットワークの運用・監視を行うセキュリティオペレーションセンターを整備。システム監視に加え、長年にわたる実績とノウハウを有するアナリストによる分析も併用し、危険性や緊急度の見極めを行います。

1-3.事業創出力

顧客の課題とニーズを吸い上げ、自社内だけでなく他の先進企業やスタートアップとの「共創」を通じてソリューションを開発。顧客に提供する前に自社で使い勝手や効果を評価し、より使いやすいサービスとして提供していくビジネスモデルです。

2.NECネッツエスアイのESGに関する取り組み

NECネッツエスアイでは、サステナビリティを重視した経営も行っています。ここからは、同社のESG・サステナビリティ関連の取り組みをいくつか紹介します。

2-1.2030年に向けた3つの最重要課題

NECネッツエスアイではSDGsに関して、「コミュニケーションで創る包括的で持続可能な社会」を長期的に目指す社会像として定めています。そのため、2030年に向けてコミュニケーションによって社会へ価値提供する最重要の取り組みを3つ選定しています。

1つ目は「誰もがより活き活きと働ける環境の創造」です。年齢・性別・国籍などに関係なく、誰もが活き活きと働き、自己実現できる環境の提供を目指します。

2つ目は「先進テクノロジーを活かした楽しく豊かなまちづくり」で、最先端のモバイル技術等で盤石な通信基盤を整備します。その上に多種多様な情報サービスが提供され、安全・便利で、楽しく豊かに暮らせるまちづくりに貢献する方針です。

3つ目は「発展する社会の安心安全を支える万全なサービスの提供」です。安心安全かつ高品質なサービスを全国展開し、経済成長に不可欠なICTの発展と高度化に寄与します。

2-2.陸上養殖事業による海洋環境保全・食料問題等への貢献

同社は初の試みとして、陸上養殖事業に参入しています。ICT・デジタル技術の活用により、安全で質の高いサーモンの生産を行う「NEC陸上養殖 富士・桂川ファクトリー」を山梨県に建設しました。

2022年12月には工場の竣工式が行われ、本格的な稼働がスタートしました。2023年1月に稚魚を投入し、2023年8月からの出荷開始を予定しています。

この取り組みの背景は、サーモンの食料品としての持続性の確保です。日本の水産市場で人気の高いサーモンですが、国産品は1/3程度で、大きく輸入に依存している状況です。新たな陸上養殖事業により、持続可能な水産物の提供に貢献することを目標としています。

2-3.東京都武蔵野市における「エネルギー地産地消プロジェクト」

NECネッツエスアイでは、東京都武蔵野市において、エネルギーを地産地消するプロジェクトを支援しています。武蔵野市ではCO2削減のため、ごみ発電による電力を周辺施設で利用することにより、エネルギーの地産地消を推進しています。

このプロジェクトにおいて、NECと協力しながら環境エネルギー技術の開発・導入を進めいています。武蔵野市クリーンセンター周辺に蓄電システムを構築し、蓄電で発電した電力の利用拡大を進め、発電量の最適化や周辺施設の省エネも図ります。

蓄電池を分散設置することで、災害時などに停電になった場合に蓄電システムの電力を公共施設で利用することができます。この取り組みにより、災害に強いまちづくりにも貢献しています。

3.NECネッツエスアイの10年間の株価推移と業績

ここからは、NECネッツエスアイの長期の株価推移、近年の業績について解説します。

3-1.10年間の株価推移

同社の株価は2019年9月までほぼ横ばいで推移していました。2019年10月から上昇し始め、2020年7月には一時期2,335円の高値を記録しました。

その後は上昇が落ち着いて現在まで若干の下落傾向となっているものの、1,600円前後で推移しており、2019年以前よりも高い水準を維持しています。1,500円近辺がサポートラインとなっている様子がうかがえます。

3-2.業績

直近5年間における連結の業績は下記のとおりです。

項目 2018/3 2019/3 2020/3 2021/3 2022/3
受注高 2,878 2,847 3,050 3,369 3,368
営業利益 111 128 162 256 232
経常利益 110 130 159 255 236

受注高・利益ともに2021年3月期までは順調に拡大してきました。2022年3月期は前期の大型案件からの反動、半導体や部材不足などの要因が影響し、受注高は若干の減少となりました。同社はこの要因について、一過性のものであるとしています。

2023年当期に関して、第3四半期時点での見込みでは、売上高は前年比3.8%増、営業利益は5.1%減、経常利益は6.6%減となっています。受注は拡大している一方、販売管理費及び一般管理費や為替の影響をカバーできず減益となる見込みです。

4.NECネッツエスアイの将来性

NECネッツエスアイの将来性について、ESGと業績の両面から考察していきます。まずESG・サステナビリティに関して、同社のICT技術は大きな貢献ができると考えられます。働き方改革を継続するには、ICT技術による業務効率化は今後も必須だからです。

環境関連の取り組みでも、サーモンの陸上養殖やエネルギーの地産地消など、ICT技術を活用したプロジェクトを展開しています。2030年までの最重要取り組みを3つ掲げており、同年までにどの程度達成するか、今後も注目されます。

業績面では近年は堅調に推移しています。2022年は部品不足など外部環境の影響でやや減益となりましたが、一過性のものと考えられます。売上は拡大傾向にあるため、為替の影響や経費の影響をいかに少なくできるかが重要になってくるでしょう。

5.NECネッツエスアイの配当・優待情報

1株あたり年間配当 2022年3月期実績:43円
2023年3月期予定:46円
主な株主優待 なし

1株当たりの配当は、2023年3月期は46円で、前年より3円の増配が予定されています。すでに第2四半期の中間配当で3円の増額が実施されているため、年間でもほぼ増配となる見込みです。

まとめ

NECネッツエスアイのESG・サステナビリティ関連の取り組み、近年の業績や株価推移などについて解説してきました。電気工事から始まった企業であり、施工力にICT技術を組み合わせ、施工力を有するSIerという独自のポジションを獲得しています。全国に構築したネットワークによる対応力も強みです。

ESGでもICT技術を活用した取り組みをさらに加速していくことが期待されます。同社の技術で社会がどう変わるのか、今後も期待したいところです。

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HEDGE GUIDE 編集部 株式投資チーム

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