今回は、Metahero(HERO)について、大手仮想通貨取引所トレーダーとしての勤務経験を持ち現在では仮想通貨コンテンツの提供事業を執り行う中島 翔 氏(Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12)に解説していただきました。
目次
- Metaheroとは?
1-1. Metaheroの概要
1-2. Metaheroの創設者
1-3. 大企業との提携 - 仮想通貨HEROとは?
2-1. 仮想通貨HEROの基本スペック
2-2. HEROの概要 - まとめ
近年、仮想空間であるメタバースが大きな注目を集めていますが、中でも「Metahero(メタヒーロー)」は現実世界と仮想空間を繋ぐ新しいサービスとして期待されています。Metaheroとは、人間や物を3Dで立体的にスキャンし、NFTとしてメタバース内で活用できるプラットフォームで、その独自トークンを「HERO」と言います。今回は、メタバース関連の注目銘柄であるMetaheroと仮想通貨HEROについて解説します。
①Metaheroとは?
まずは、Metaheroについての基本概要を解説します。
1-1. Metaheroの概要
Metaheroとは、メタバース内にウルトラHDでスキャンした自分の姿や現実世界のアセットを登場させることを目的に立ち上げられたプロジェクトです。Metaheroでは、16KのウルトラHDのスキャンを活用して現実世界の人間をスキャンし、数分でアバター化してメタバース空間で動かすことができます。
このスキャン技術には、高性能カメラが64台取り付けられており、円形にぐるりと取り付けられたカメラを通じて中心の対象物をスキャンすることで、現実世界の姿とそっくりのデジタルデータの作成が可能です。また、1度に最大4人の人物までスキャンすることができ、年間15万回のスキャンが可能となっています。
こうして3DスキャンされたデータはNFT化され、ブロックチェーン上において唯一無二のものとして価値を持たせることができます。Metaheroの技術を使えば、実物そっくりに3Dスキャンができるため、ゲーム、VR、SNSなどの分野での普及が見込まれています。このプロジェクトが普及すれば、メタバース内で等身大の自分を操作し、他人とコミュニケーションをとったりビジネスができるようになるでしょう。
なお、Metaheroの独自トークンは「HERO」と呼ばれ、Metaheroでのサービス利用料の支払いなどに使用されます。
1-2. Metaheroの創設者
Metaheroは、ポーランド人の起業家Robert Gryn(ロバート・グリン)氏が設立したプロジェクトです。ロバート・グリン氏は、フォーブス100の資産家ランキングに最年少でランクインを果たし、ヨーロッパで2番目に早い成長を遂げた「Codewise(コードワイズ)」の元CEOです。彼はCodewise事業を売却したのち、仮想通貨の業界へ足を踏み入れました。
グリン氏はMetaheroのほかにも、「超リアル・メタバース」として注目を集める「Everdome」の開発にも関与しています。また、仮想通貨と株式市場のブリッジ会社として有名な「Tenset」へ巨額の投資をしている戦略的パートナーエンジェル投資家でもあります。
1-3. 大企業との提携
Metaheroは、オフィシャルパートナーで3Dスキャン技術の世界的リーダー企業である「Wolf Studio」やマーケティングパートナーである「Tenset」、さらには様々な主要メディアとパートナーシップを締結しています。
3Dスキャンの世界的リーダーであるWolf Studioの提供している最先端メタスキャニング技術は幅広い業界で評価されており、ディスニー、フェラーリ、トヨタなどの各業界のリーダー企業やファッション業界、音楽業界、美術館でも採用されています。
さらには、Sonyポーランドが公式パートナーとなり、カメラ機材「Sony α7R IV」を200台提供したことでも大きな話題となりました。
②仮想通貨HEROとは?
次に、Metaheroの独自トークンであるHEROの特徴について解説します。
2-1. 仮想通貨HEROの基本スペック
HEROの仮想通貨としての基本スペックは以下の通りです。
ティッカーシンボル | HERO |
現在の価格(22年3月1日現在) | 0.07039ドル(約8.09円) |
時価総額 | 約3.5億ドル(約412億円) |
時価総額ランキング | 225位 |
循環サプライ | 約50.9億HERO |
発行上限 | 100億HERO |
2-2. HEROの概要
①Metaheroエコシステムのユーティリティトークン
仮想通貨HEROはMetaheroエコシステムの決済通貨となります。 NFTのスキャン、ライセンス供与、または販売-すべてがHEROを通じて支払われます。例えば、Metaheroの3Dスキャナーを使用するには、200ドル分のHEROを支払う必要があります。ユーザーはHEROを通じて自分自身のアバターを作成したり、あらゆるアイテムを一瞬でNFT化することができ、作成したNFTを様々な場所で使用することができます。
②トークンディストリビューション
発行上限100億HEROのうち50%は開発企業や提携パートナー(KucoinやPancakeSwap)、マーケティング、上場費に割り振られており、残りの50%が一般ユーザーを含むコミュニティ向けに配分されています。Metaheroはメタスキャンの利用者に1,000ドル相当のHEROを支払うインセンティブを実施するなど、HEROを報酬とするマーケティング施策に力を入れていることがわかります。
③拡張性のあるBSCを採用
Metaheroは大規模なユーザーベースに対応するため、Binance Smart Chain(BSC)上で構築されています。 イーサリアムのガス代高騰や現状抱えているスケーラビリティ問題を考えれば、BSCを採用することでユーザーの利便性に配慮しているということが分かります。なお、BSCのDEX「PancakeSwap」で行われたHEROのプレセールはわずか98秒で完売し、10,000BNB(約3億円)の資金調達に成功しています。
④手数料ゼロ
HEROは当初、トランザクションや売買が行われる度に5%の手数料がかかり、手数料の一部がHERO保有者へ報酬として還元され、残りがバーン(焼却)される仕組みを採用していました。しかし、現在は手数料0%に改められています。この変更の理由としてMetaheroは、より流動性の高いTier 1取引所が手数料付きのトークンをリストしていないことを挙げています。改変により、バイナンスやFTX、米コインベースなどへの上場につながれば、知名度が広がりホルダー数の増加に寄与するでしょう。
③まとめ
Metahero(HERO)はメタバースとNFTと3Dスキャン(アバター)という、3つの分野を組み合わせたプロジェクトとなっています。高性能な3Dスキャン技術により、超高精細なパーソナライズされたアバターやデジタルアイテムを作成できるため、医療、ファッション、エンジニアリング、教育など現実世界さながらの様々な用途で活用されることが期待されています。Metaheroのメタバース経済がどのようなスピードで発展を遂げるか注目していきたいところです。
国内で取り扱いのない仮想通貨HEROを購入するには、まず国内取引所でビットコインやイーサリアムを購入し、その後にHEROを扱う取引所に仮想通貨を送付する必要があります。HERO投資への玄関口となる国内取引所としてはアプリが使いやすいコインチェックや出庫手数料が無料のGMOコインの利用を検討してみることをおすすめします。
中島 翔
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