有料の仮想通貨セミナーには参加するべき?無料セミナーとの違いを紹介

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仮想通貨の情報収集をする方の多くはツイッターを中心に情報を集めているのではないでしょうか?ツイッターの情報は有益な情報も多く、筆者自身も愛用させてもらっています。しかし、ツイッターを利用するにあたって重要なことは、個人が自由にコメントしているだけのものであることを理解し情報の取捨選択を行うことです。

情報収集をさらに進めている方の中には、以下のような悩みをお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか?

  • ツイッターの情報以外に情報を集めたいので仮想通貨のセミナーに参加するか悩んでいる
  • 仮想通貨に関して知識がないので一から教えてもらいたいと思っている

セミナーには、「有料」のもの「無料」のもの、または単純に「トレードの仕方を教えます」といった類のものまで様々なセミナーが存在しています。そこで、ここでは実際にどのようなものがいいのか、参加しても問題ないのかの選択する際のポイントを解説します。当然ながらこれが全て正しいわけではありませんので、仮想通貨取引所で働く筆者が専門家としてのポイントをご紹介しているという参考としてチェックしていただければと思います。

目次

  1. 有料の仮想通貨セミナーには参加するべき?無料セミナーとの違いを紹介
  2. 仮想通貨セミナーの種類と特徴、メリット・デメリット
    2-1.仮想通貨全般のセミナー
    2-2.ICO勧誘セミナー
    2-3.マイニングセミナー
    2-4.通貨限定セミナー
  3. 参加したいセミナーが詐欺かどうかの見極め方
  4. 取引手法を教える有料セミナーなら安全?
  5. セミナーに参加する前に自分で勉強を

有料の仮想通貨セミナーには参加するべき?無料セミナーとの違いを紹介

いきなり結論から申し上げると、「ほとんどのセミナーには行くべきではない」というのが結論になります。それにも関わらず仮想通貨のセミナーがこれだけ様々に行われている理由は、その多くが詐欺に近いか、収益だけを追求しているセミナーであるためです。

ですが、中には有料でも参加するメリットのあるセミナーもあります。以下で詳しく解説していきましょう。

仮想通貨のセミナーの種類と特徴、メリット・デメリット

最初に仮想通貨のセミナーは一体どういうものがあるのかをご紹介したいと思います。仮想通貨のセミナーと一口に言っても様々な種類があり、内容は千差万別です。まずは下記の表をご覧ください。

仮想通貨セミナー 種類

このようにセミナーにも種類はありますが、参加してもいいと胸を張って言えるのは主催団体が仮想通貨取引所や協会等仮想通貨全般のセミナーくらいなのが実情です。通貨限定のセミナーは、気になる通貨があれば参加することで知識を得ることができるため、自分が応援したいと思えるプロジェクトであれば参加を検討するのも良いでしょう。

仮想通貨全般のセミナー

このタイプのセミナーでは、仮想通貨の投資の仕方や仮想通貨がどのようなマーケットなのか、そしてどのように注文したりすればいいのかといった基礎的なトピックがセミナー内容となります。中には仮想通貨取引所が主催しているセミナーもあり、当然ながら仮想通貨取引所はユーザーを増やすために行っているため、口座開設等こそ求められますが基本的にデメリットのないセミナーです。

しかし、この基本中の基本とも呼べるセミナーは、書店で取り扱いのある初心者向けの仮想通貨の本1冊でもカバーできる内容で、平易な内容であることがほとんどです。そのため、本を読んで自分自身で勉強できる人であればあまり有意義とはいえませんが、本当に何もわからないという方や自分が学んだ知識が体系的に合っているか答え合わせをしたいという方におすすめです。

ICO勧誘セミナー

このタイプのセミナーには残念ながら一番詐欺であることが多くなっています。

ICO(Initial Coin Offering:イニシャル・コイン・オファリング)はトークンを発行して資金を調達するという新たな資金調達手段です。しかし、中には注目されにくいICOがあることも事実で、こうしたプロジェクトは普通にICOを行ってもなかなか資金が調達できないため、「発行価格は安いが取引所に上場すればトークンの価値が跳ね上がる」などの謳い文句で射幸心を煽るセミナーを開催したり、さまざまな人を仲介してマルチ商法的に資金を調達するスキームが流行してしまいました。

プロジェクトが本当に善意で立ち上がったものであれば問題ありませんが、中には中身のないプロジェクトがあったことも現在ICOが詐欺的な扱いを受けている原因のひとつです。それでも、ICO紹介者はキックバックが欲しいがために必死になって資金を入れてもらおうと努力し、いざICOでトークンが発行されたとしても資金を集めた発行主がお金だけ持って逃げるということも横行していました。仮想通貨ブームの時にはこうした手法による詐欺案件が急増したため、現在日本ではICOが厳しく規制されており、フレームワークを整えようとしているところです。

また、ICOで注意すべきは、例えトークンに投資したとしても最終的にそのトークンを日本円に転換する必要があることです。海外では新規のトークンが頻繁に上場されていますが、まずは価値が上昇した場合にトークンを日本円に転換できる方法があるのかチェックしないといけません。

ICO勧誘セミナーはこうした数々のデメリットを抱えているため、もし参加する場合には上記の問題点をしっかりと理解した上で参加するようにしてください。

マイニングセミナー

マイニングセミナーには、仮想通貨のマイニングの機械を販売するセミナー、マイニングの特徴を説明して何かしらのマイニングへの参加を促すセミナーの2種類があります。マイニングはICOと比較すると利回りが低下するため、一見現実的のように見えますが、小さな会社や個人がマイニングで安定した利益を上げることはかなり難しいです。同様の理由で、こうしたセミナーでありがちな「利回りを保証する」ということも難しいため、元本保証や利回り保証を謳ってセミナーを行っているようであれば注意が必要です。

マイニング自体は怪しいものではないため、マイニングそのものを疑う必要はありませんが、そのスキームでお金を集めていることを疑うというスタンスでいるとセミナーの良し悪しに判断がつきます。機械を販売したいセミナーであっても「知識をつける」という明確な目的を持って参加することもいいでしょう。つまりは考え方と使い方と言えます。

通貨限定セミナー

仮想通貨は世界の人々が利用して初めて存在価値が生まれます。トークンを発行する発行体の中には、ちゃんとブロックチェーンの技術を応用して、決済面や送金面等世界の国々の利便性向上に役立てたいという強い思いで開発している発行体もあります。その思いに共感してもらい、世界各地でトークンを使ってもらったり、応援してもらうためにセミナーを開催していたりしているプロジェクトもあります。

かなり地道な活動のように見えるかもしれませんが、初期のビットコインも一部の人々がビットコインを啓蒙して回った時期があります。こうした活動によってトークンの価値が上昇しはじめ、発行体も通貨を開発した夢を叶えるための一歩を踏み出すことができます。

このように書くと怪しく見える上に、中には本当に怪しいプロジェクトもありますが、そのトークンや仮想通貨に興味を持ってより詳しい内容を知りたいということであれば、こうしたセミナーに参加することもおすすめです。

参加したいセミナーが詐欺かどうかの見極め方

では実際に自分が参加したいセミナーが詐欺なのかどうか、怪しいかを見極める簡単なポイントをご紹介します。

  1. 「儲かる」「元本保証」等明らかに利益を保証するのを謳って開催するセミナー
  2. 少人数セミナーと謳って喫茶店等でトークンを絞って行うセミナー
  3. トークンのホワイトペーパー(トークン発行時の説明書で開発者や内容、実現したいこと等記載されているもの)がない
  4. 開発者が誰かわからない
  5. 有名人が応援している等関係ないもので誘っているセミナー
  6. トークン販売になぜか代理店が介しているセミナーや販売手法
  7. 将来何か起きた場合は買い取りをして資金は返還すると説明するセミナー

冷静に考えれば当然のようなことばかりですが、バブルのときにはこうしたセミナーが横行し、多くの人がお金を失っていたことも事実です。中でも知人の紹介で集まるという類のセミナーには注意が必要です。知人だから大丈夫だろうというのは投資において安易な判断ですし、知人には何かしらのキックバックが入るインセンティブが働いているかもしれません。基本的にはこうしたセミナーには注意する方がいいでしょう。

取引手法を教える有料セミナーなら安全?

セミナーの中には、仮想通貨のトレーディングで生計立てているようなトレーダー、そして投資家として有名な方が講演するセミナーがあります。こうした取引手法を教えてもらえるセミナーは有意義なセミナーも存在します。一方で実際には稼げていないものの、ネームバリューでセミナーを依頼されて行われているというものもあります。

そのため、取引手法を教えるセミナーに参加する前には、セミナー講師がどのようなバックグラウンドを持っていて、それまできちんと取引で実績が上がっているのかを見極めることが重要です。実績が上がっていない方から教えてもらっても当たり前ですが意味はありません。現実の世界では、考え方が理論的に合っていても負けるというトレーダーが多くいます。利益を上げるために取引を行う以上はなぜ勝てているのかという本質を学ぶことが重要なのです。

もちろん取引手法についても本などで十分勉強することが可能でしょう。しかし、取引手法を教える有料セミナーの一番重要なポイントは「なぜ勝てているのかや注意していることを講師から学び、短距離で体得できること」にあります。取引手法を教えるセミナーでは、ついテクニカルのインディケーターの紹介等に目が行きがちですが、ポイントはそこではなく勝てる人の本質を学ぶことにあります。

セミナーに参加する前に自分で勉強を

このように、何も考えずに闇雲に参加するという目的であればおすすめできないセミナーが多いのが仮想通貨セミナーの現状です。もちろん、ブロックチェーンの技術を学ぶセミナーといった趣旨のものについては興味があれば勉強のために参加することがおすすめです。しかし、利益を出すために取引をするのが目的でセミナーに参加するということであれば、仮想通貨のセミナーはあまりおすすめできません。

有料のセミナーであっても上記で記載した通り千差万別です。一番重要なのは自分自身が何を学びたいのかを明確にして選ぶことです。テクニカル分析を学びたいのか、リスクコントロールを学びたいのか、それとも講師に実際に会ってその講師が持っているトレーダーとしての強みを学びたいのかで参加するセミナーは大きく変わってきます。

「ただほど安いものはない」という言葉を聞いたことがある方は多いと思いますが、仮想通貨のセミナーもまさにこのことわざの通りなのです。かといって、有料セミナーでも価値があるとは言い難いないセミナーも多いため、しっかり下調べした上で参加するようにしましょう。そして、まずは何事も教えてもらう前に、自分で一冊でも本を読んで勉強してからセミナーに参加することがおすすめです。こうするだけで知識や情報を吸収するスピードが格段に早くなるので、勉強が目的という方でもぜひ試してみることがおすすめです。

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中島 翔

一般社団法人カーボンニュートラル機構理事。学生時代にFX、先物、オプショントレーディングを経験し、FXをメインに4年間投資に没頭。その後は金融業界のマーケット部門業務を目指し、2年間で証券アナリスト資格を取得。あおぞら銀行では、MBS(Morgage Backed Securites)投資業務及び外貨のマネーマネジメント業務に従事。さらに、三菱UFJモルガンスタンレー証券へ転職し、外国為替のスポット、フォワードトレーディング及び、クレジットトレーディングに従事。金融業界に精通して幅広い知識を持つ。また一般社団法人カーボンニュートラル機構理事を務め、カーボンニュートラル関連のコンサルティングを行う。証券アナリスト資格保有 。Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12