Immutable Xと開発したゲームストップのNFTマーケットプレイスとは?使い方まで徹底解説

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今回は、ゲームストップのNFTマーケットプレイスについて、大手仮想通貨取引所トレーダーとしての勤務経験を持ち現在では仮想通貨コンテンツの提供事業を執り行う中島 翔 氏(Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12)に解説していただきました。

目次

  1. ゲームストップ(GameStop)とは
    1-1.ゲームストップ(GameStop)の概要と沿革
    1-2.ゲームストップ(GameStop)とブロックチェーン
  2. Immutable X(イミュータブルX)とは
    2-1.Immutable X(イミュータブルX)の概要
    2-2.Immutable X(イミュータブルX)の特徴
  3. ゲームストップNFTマーケットプレイスとは
    3-1.ゲームストップNFTマーケットプレイスの概要
    3-2.ゲームストップNFTマーケットプレイスの特徴
    3-3.ゲームストップNFTマーケットプレイスの今後の展開
  4. ゲームストップNFTマーケットプレイスの使い方
    4-1.ウォレットを作成する
    4-2.ウォレットを接続する
    4-3.ETHをウォレットに入金する
    4-3.NFTを購入する
  5. まとめ

22年10月31日、アメリカ・テキサスを拠点としてゲームソフトの小売業を展開している大手企業ゲームストップ(GameStop)は、Immutable X(イミュータブルX)と共に開発を進めていたNFTマーケットプレイス「ゲームストップNFTマーケットプレイス(GameStop NFT Marketplace)」を正式にローンチしました。

Immutable Xはイーサリアム(ETH)のレイヤー2ブロックチェーンとして知られ、その特徴を活かしてゲームストップNFTマーケットプレイスは、ネットワーク手数料(ガス代)無料でNFT取引できます。また、カーボンニュートラルなミントと取引が可能になるよう設計されています。

今回は、ゲームストップとImmutable Xによって開発されたゲームストップNFTマーケットプレイスについて、その概要や特徴、そして使い方までを詳しく解説していきます。

①ゲームストップ(GameStop)とは

1-1.ゲームストップ(GameStop)の概要と沿革

Gamestop

「ゲームストップ(GameStop)」とは、アメリカ・テキサスに本社を構える世界最大級のコンピュータゲーム小売店です。「ニューヨーク証券取引所(NYSE)」にも上場する大企業です。ゲームストップは22年11月24日時点で、ヨーロッパ、カナダ、オーストラリアなどの世界10か国に約5,000もの店舗を展開しており、近年はオンラインにおけるEコマース事業にも精力的に取り組んでいます。

ゲームストップは元々、1984年にテキサス州ダラスで設立された「バベッジズ(Babbage’s)」をルーツとしています。バベッジズは1980〜2000年代のゲーム小売店舗型の全盛期を経験しており、1991年には会社全体の売上の三分の二をコンピュータゲームが占めるようになるなど、業界で大きな存在感を発揮しました。そして、1996年にゲーム小売専門小売店・ウェブ販売サイトとして現在のゲームストップが創業された後も、順調にその事業規模を拡大してきました。しかし、1990年代後半あたりからインターネットを通じて取引を行う「オンラインショップ」が広く普及し始めたことを受け、多くの実店舗が閉鎖へと追い込まれました。

このような厳しい時期を経て、ゲームストップはオンラインでの販売に方向を転換し、近年ではゲームと特に親和性が高いと言われているNFT業界への進出も果たすなど、その勢いを加速しています。

1-2.ゲームストップ(GameStop)とブロックチェーン

ゲームストップはこれまでにも、ブロックチェーン関連のプロジェクトにいくつか参加してきた実績があります。

22に入ってからは、2月にImmutable Xと提携して、主に「Web3.0(分散型ウェブ)」のゲーム開発者やスタジオに対して投資を行う110億円規模のファンドを設立したことを発表したほか、その後の5月には、独自の自己管理型仮想通貨(暗号資産)ウォレットのリリースも果たしています。

このウォレットは「メタマスク(MetaMask)」などをはじめとする既存の仮想通貨ウォレットと同様に、自身が保有する仮想通貨やNFTを保管したり、入出金を行う機能が備わっていると説明されています。また、ウェブブラウザChromeの拡張機能としてウェブストアから簡単にダウンロードが可能となっています。

②Immutable X(イミュータブルX)とは

1-2.Immutable X(イミュータブルX)の概要

Immutable X

「Immutable X(イミュータブルX)」とは、18年に創業されたオーストラリアの「Immutable」によって開発された仮想通貨のことを指します。

Immutable Xはイーサリアムが抱える課題の解消を目的として生み出されたレイヤー2ネットワークとなっており、ネットワーク手数料(ガス代)をゼロとしながら、最大秒間9000トランザクションを処理します。

また、Immutable社はブロックチェーンをベースとした大人気トレーディングカードゲーム「Gods Unchained(ゴッズアンチェインド)」の開発も手がけており、これまで培ってきたノウハウをもとに、ブロックチェーンゲームの構築に必要なネットワーク環境を自社で開発し、他社にも開放しています。

2-2.Immutable X(イミュータブルX)の特徴

①ネットワーク手数料がかからない

Immutable Xはネットワーク手数料、つまりガス代がかからないという特徴があります。

通常、NFTの取引にはガス代と言う手数料を支払う必要があり、特にイーサリアムは時価総額が高いこともあり、ガス代だけでも多くのコストがかかってしまうという現状がありました。

そんな中、Immutable Xでは取引において発生するガス代をすべてImmutable社が負担するシステムを採用しており、ユーザーはガス代を払う必要がないため、他のブロックチェーンと比べてよりお得に取引を行うことが可能だというわけです。

②トランザクションの処理スピードが速い

Immutable Xは、「ZK-Rollup」という技術によって、トランザクションにかかる負荷および処理時間を大幅に軽減しています。

ZK-Rollupとは、トランザクションをレイヤー2ブロックチェーンでより高速且つ安価に処理し、その証明情報のみを集約して元のレイヤー1ブロックチェーンに戻すロールアップ技術のことを指します。

実際、Immutable Xは一秒あたり約9,000件を超える取引を処理することが可能となっており、イーサリアムの一秒あたり16件と比べても驚異的な処理スピードであることが分かります。

③高度なセキュリティ性を維持している

Immutable Xはイーサリアムのレイヤー2プロトコルとして機能しているため、イーサリアムと同等の分散型ネットワークによる高度なセキュリティ性を維持しています。

実際、ブロックチェーン分野においては特にセキュリティに関する問題が取り沙汰されていますが、Immutable Xではイーサリアムの分散ネットワークを活用することによって、リスクを分散することに成功しています。

④独自トークン「IMX」を発行している

Immutable Xでは独自トークン「IMX」の発行を行っており、主にImmutable Xにおける各種手数料の支払いやガバナンストークンとして使用されています。

また、ステーキングも可能となっているため、ユーザーはIMXトークンを保有しているだけで、報酬を獲得することができます。

③ゲームストップNFTマーケットプレイスとは

3-1.ゲームストップNFTマーケットプレイスの概要

GamestopNFT

「ゲームストップNFTマーケットプレイス」とは、ゲームストップとImmutable Xによって共同開発されたNFTマーケットプレイスです。

ゲームストップは22年2月に、Immutable Xとの提携およびNFTマーケットプレイスのローンチ計画を発表しており、これに向けてNFTマーケットプレイス運営のための新部門を立ち上げたほか、20人以上の従業員を新たに雇用したことを明らかにしていました。

なお、3月23日にゲームストップは、別のイーサリアムレイヤー2ブロックチェーン「Loopring(ループリング)」でベータ版の公開を発表していました。

そのため、22年10月31日に正式にローンチしたゲームストップNFTマーケットプレイスは、LoopringもしくはImmutable Xのどちらに接続するか、選択できるようになっています。

3-2.ゲームストップNFTマーケットプレイスの特徴

①Immutable X上で展開されているWeb3.0ゲームのNFT取引が可能

ゲームストップNFTマーケットプレイスでは、現在Immutable X上において展開されているWeb3.0ゲームのNFTを取引することが可能です。

具体的には、大人気トレーディングカードゲーム「Gods Unchained(ゴッズアンチェインド)」のほか、多人数参加型のアクションRPGゲーム「Guild of Guardians(ギルドオブガーディアンズ)」、NFTモンスターを捕獲して対戦するPlay to Earn(P2E)ゲーム「illuvium(イルビウム)」など、Immutable X基盤のゲーム内で利用されるNFTが取り扱われています。

②カーボンニュートラルな取引とミントが可能

ゲームストップNFTマーケットプレイスではガス代がフリーとなっているため、クリエイターは「カーボンニュートラル(炭素中立)」な環境でNFTの取引およびミントを行うことが可能です。

③利用することでIMXトークンを獲得できる

ゲームストップNFTマーケットプレイスではユーザーを増やすことを目的として、同マーケットプレイスで取引を行ったユーザーに対して、そのユーザーの一日の出来高の「1%」に相当するIMXトークンを付与することを発表しています。

これにより、ユーザーは比較的お得に取引を行うことができるようになっています。

④さまざまなウォレットに対応している

NFTの取引を行うためにはまず仮想通貨ウォレットを用意する必要がありますが、ゲームストップNFTマーケットプレイスはさまざまなウォレットに対応しているため、ユーザーにとって利便性の高いサービスとなっています。

具体的には、ゲームストップが手がける「GameStopウォレット」のほか、「メタマスク(MetaMask)」をはじめとする他のブラウザウォレット、「ウォレットコネクト(WalletConnect)」を使用して接続できる任意のウォレットなどを利用することが可能です。

3-3.ゲームストップNFTマーケットプレイスの今後の展開

Immutable XのCEO兼共同創設者であるロビー・ファーガソン(Robbie Ferguson)氏は今回のゲームストップとの提携について、Immutable Xが次の10億人のプレイヤーをWeb3.0ゲームに取り込む上での重要なステップの一つになると説明しています。

また、ゲームストップNFTマーケットプレイスがローンチされたことによって、プレイヤーに最高水準の体験を提供しつつ、さらに現在開発中の何百万ものNFTおよび最高峰のWeb3.0ゲームへのアクセスを提供することが可能となったと語っており、今後も両者の関係を深めていきながら、Web3.0ゲームの未来を共に築いていきたいとしています。

ゲームストップNFTマーケットプレイスでは今後も引き続きさまざまなWeb3.0ゲームのNFTがリリースされると見られているため、その動向から目が離せなくなっています。

④ゲームストップNFTマーケットプレイスの使い方

4-1.ウォレットを作成する

ゲームストップNFTマーケットプレイスを利用するためにはまずウォレットを作成する必要があります。

GameStopウォレットを利用する場合は、下記アドレスにアクセスし、GameStopウォレットのダウンロードを実行します。

「https://wallet.gamestop.com/」

ダウンロードが完了したら、そこから「Chrome に追加」をクリックし、拡張機能をインストールすることを確認し、実行すると、拡張機能トレイにウォレットが表示されるようになります。

4-2.ウォレットを接続する

ウォレットが作成できたら、次に作成したウォレットをゲームストップNFTマーケットプレイスに接続していきます。

接続には画面右上に表示されている「接続」をクリックします。
GamestopNFT3

その次に、自身が利用したいウォレットを選択し、案内に沿って接続リクエストを承認します。
GamestopNFT10

接続が完了すると、先ほど右上に表示されていた接続ボタンがプロフィールアイコンに置き換わります。
GamestopNFT2

このアイコンをクリックすると、プロファイルメニューを開くことができるため、ここからウォレットアドレスを確認してクリップボードにコピーし、資金を追加することが可能です。
GamestopNFT6

また、ここから自身のプロフィール ページにアクセスすることも可能です。
GamestopNFT9

4-3.ETHをウォレットに入金する

ウォレットが接続できたら、次に接続したウォレットにETHを入金していきます。

ゲームストップNFTマーケットプレイスでは、トランザクションはイーサリアムのレイヤー2環境で実行されるため、資金をイーサリアムのレイヤー1からレイヤー2のウォレットに入金するか、提携している支払いプロバイダーからETHを購入し、直接レイヤー 2のウォレットに入金する必要があります。

まず、右上に表示されているプロフィールアイコンをクリックし、「Add funds(資金の追加)」をクリックします。
GamestopNFT6

その後、ETHをウォレットに追加する方法を選択します。
GamestopNFT7

そして、それぞれの案内に従ってETHを追加すると追加した分のETHがレイヤー2残高に表示されるため、さらに「Activate Looping L2」でレイヤー 2を有効にしてマーケットプレイスにアクセスすると、NFTの取引が可能となります。
GamestopNFT5

4-4.NFTを購入する

ここまでの準備が完了すると、実際にNFTを購入することが可能になります。

購入したいNFTをクリックして購入ページにアクセスし、「Buy Now(今すぐ購入)」を選択します。
GamestopNFT1

NFTの数に応じて購入数量の選択が求められるため、希望の購入数量を選択します。

その後、「Confirm payment(支払いの確認)」をクリックし、ウォレット経由でトランザクションに署名すると、購入が完了となります。
GamestopNFT18

⑤まとめ

ゲームストップはこれまでにも独自の仮想通貨ウォレットをリリースするなど、Web3.0分野での事業拡大に注力してきました。

今回、Immutable Xと共同開発したNFTマーケットプレイスが正式にローンチされたことによって、今後さらに多くのWeb3.0ゲームNFTがゲームストップのNFTマーケット上でリリースされると見られています。

また、取引を行ったユーザーはIMXトークンを受け取ることもできるため、興味のある方はこの機会にゲームストップNFTマーケットプレイスを利用してみてはいかがでしょうか。

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中島 翔

一般社団法人カーボンニュートラル機構理事。学生時代にFX、先物、オプショントレーディングを経験し、FXをメインに4年間投資に没頭。その後は金融業界のマーケット部門業務を目指し、2年間で証券アナリスト資格を取得。あおぞら銀行では、MBS(Morgage Backed Securites)投資業務及び外貨のマネーマネジメント業務に従事。さらに、三菱UFJモルガンスタンレー証券へ転職し、外国為替のスポット、フォワードトレーディング及び、クレジットトレーディングに従事。金融業界に精通して幅広い知識を持つ。また一般社団法人カーボンニュートラル機構理事を務め、カーボンニュートラル関連のコンサルティングを行う。証券アナリスト資格保有 。Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12