Liquidで日本初上場したFTXトークン(FTT)とは?特徴、仕組み、購入方法まとめ

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今回は、日本で初めて上場したFTXトークン(FTT)について、大手暗号資産取引所トレーダーとしての勤務経験を持ち現在では暗号資産コンテンツの提供事業を執り行う中島 翔 氏(Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12)に解説していただきました。

目次

  1. FTXトークンとは?
    1-1. FTXトークンの概要
    1-2. 仮想通貨FTTの基本スペック
    1-3. FTXトークンの特徴
  2. Liquid by FTXにて国内初上場
    2-1. Liquid by FTXとは
    2-2. 取扱通貨
  3. まとめ

国内仮想通貨取引所の「Liquid by FTX」にて、新たにFTXトークン(FTX Token)が上場したことが発表されました。FTXトークンの上場は国内初の事例となっており、非常に注目を集めています。

そこで今回は、日本初上陸のFTXトークンについて、その概要や特徴を解説します。

1. FTXトークンとは?

まずは、FTXトークンとは何かについて、その基本的な事項を解説します。

1-1. FTXトークンの概要

FTXトークンとは、サム・バンクマン・フリード氏が創設した、バハマに本社を置く仮想通貨取引所「FTX.com」が発行している取引所独自のトークンです。サム・バンクマン・フリード氏は現在29歳でありながら、個人資産は3兆円(265億ドル)を超えるとフォーブス誌が試算しています。

FTX.comは仮想通貨の現物取引はもちろんのこと、先物取引やレバレッジトークンなどのユニークな金融商品を多く扱っているのが特徴のデリバティブ取引所です。日本の取引所における仮想通貨の取扱商品は、基本的に現物取引またはレバレッジ取引です。しかし、FTXでは将来の売買について現時点で価格や数量を約束する取引である先物取引にも対応しているため、自身の投資方針に合ったものを選択することが可能です。

また、FTXは2021年11月、米大リーグ(MLB)ロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平投手と長期的なパートナーシップを結んだことを発表しており、今後は大谷投手をグローバル・アンバサダーとして、FTXブランドやデジタル資産への認識を世界規模で高めていくということです。

1-2. 仮想通貨としての基本スペック

FTTの仮想通貨としての基本スペックは以下の通りです。

ティッカーシンボル FTT
現在の価格(22年2月19日現在) 43.41ドル(約4,993.72円)
時価総額 約59.8億ドル(約6883.9億円)
時価総額ランキング 27位
循環サプライ 約1.3億FTT
発行上限 約3.5億FTT

1-3. FTXトークンの特徴

①(FTX.comで)ステーキングができる

仮想通貨のステーキングとは、その仮想通貨を保有してブロックチェーンのネットワークに参加することで、報酬が対象の仮想通貨で支払われる仕組みのことです。FTXトークンにはFTX.comでステーキングが可能です。FTTの保有量に応じて報酬を得られるため、値上がり益であるキャピタルゲインだけでなくインカムゲインを狙うことも可能となっています。

②バーンにより供給がタイトになる仕組み

仮想通貨のバーンとは発行量の一部を消滅させることをいいます。流通市場から買い取ったり、運営元が保有している部分を一定期間ごとにバーンする仕組みが一般的です。バーンが行われると供給量が減少するため、需給が引き締められます。FTTは、FTX.comで発生した取引手数料の3分の1をFTTの実質的な買い戻しに使用し、それをバーンすることで流通量を減らしています。

③(FTX.comで)様々な保有特典を受けられる

FTXトークンはFTX.comの取引所トークンです。FTXトークンの保有者には特典が多く用意されています。その一つとして、FTXトークンを保有しているとFTXでの売買手数料が割引されるという点があります。FTXトークンの保有数が多いほど手数料の割引率が大きく、最大で60%の割引を受けられます。FTXを利用する投資家にとって、大きなメリットとなっています。

その他にも、FTXトークンを保有するだけで、毎週「SRM」が無料で配布されるという特典もあります。SRMとは「Serum(セラム)」という分散型取引所のネイティブトークンです。Serumは、Solana(ソラナ)ブロックチェーン上で構築されたDEX(分散型取引所)で、集中型の仮想通貨取引所と同様の取引体験を実現します。Solana、及びSerumはFTX.com及びバンクマン氏が支援していることが知られており、SRMのエアドロップにつながっていると考えられています。

2. Liquid by FTXにて国内初上場

前述の通り、22年2月10日、FTXトークンがLiquid by FTXにおいて国内初上場を果たしました。ここでは、今回FTXトークンが上場された取引所であるLiquid by FTXについて解説します。

2-1. Liquid by FTXとは

「Liquid by FTX」はFTX株式会社が運営する仮想通貨取引所です。2014年に設立されたQuoineは金融庁から暗号資産交換業として2017年に登録を受けて、また第一種金融商品取引業として2021年10月に登録を受けて、現物取引・デリバティブ取引のプラットフォームを提供を継続しています。Quoineはまた2022年2月2日に米FTX Trading Limited(FTX)による買収契約を締結。同時期に国内で初めてソラナ(SOL)とFTXトークン(FTT)の取り扱いを開始しました。買収完了後にQuoineはFTXの商品及びサービスを徐々に自社のサービスに統合していく計画です。

2-2. 取扱通貨

Liquid by FTXの大きな特徴として、通貨ペアが豊富であるという点があります。Liquid by FTXでは、円建て以外にも米ドル・ユーロ・シンガポールドル・香港ドル・豪ドルとさまざまな法定通貨での取引に対応しているほか、ビットコイン・イーサリアム・QASH(独自トークン)は、仮想通貨同士での取引も可能です。

また、現在取り扱いのある仮想通貨は下記の通りです。

  • ビットコイン(BTC)
  • イーサリアム(ETH)
  • リップル(XRP)
  • ビットコインキャッシュ(BCH)
  • キャッシュ(QASH)
  • ライトコイン(LTC)
  • ステラルーメン(XLM)
  • ベーシックアテンショントークン(BAT)

そして2022年2月10日に新たに下記の仮想通貨が取引開始となりました。

  • ソラナ(SOL)
  • FTXトークン(FTT)

3. まとめ

FTXトークンは2022年2月現在で時価総額ランキング27位に位置する注目度の高い仮想通貨です。今回Liquid by FTXにて国内初の取り扱いが開始されたことにより、国内の投資家にとっても購入しやすい通貨となりました。今後、FTX.comとLiquidの統合が進む中で、FTTトークンの機能が更新されるかもしれません。関心のある方は、この機会にLiquidの口座開設をして最新情報をチェックしながら、投資を検討してみてください。

お詫びと訂正:記事の一部の記述について修正いたしました。お詫びして訂正させていただきます。(最終更新日時:2022年2月25日13時40分)

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中島 翔

一般社団法人カーボンニュートラル機構理事。学生時代にFX、先物、オプショントレーディングを経験し、FXをメインに4年間投資に没頭。その後は金融業界のマーケット部門業務を目指し、2年間で証券アナリスト資格を取得。あおぞら銀行では、MBS(Morgage Backed Securites)投資業務及び外貨のマネーマネジメント業務に従事。さらに、三菱UFJモルガンスタンレー証券へ転職し、外国為替のスポット、フォワードトレーディング及び、クレジットトレーディングに従事。金融業界に精通して幅広い知識を持つ。また一般社団法人カーボンニュートラル機構理事を務め、カーボンニュートラル関連のコンサルティングを行う。証券アナリスト資格保有 。Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12