サプリメーカー大手3社のESG・サステナビリティの取り組みは?展開中のブランドや投資する方法も解説

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投資先を決定するうえで、サステナビリティの実施を重視する方も多いでしょう。ドラッグストアに数多く並ぶサプリのメーカーも、ESGの取り組みを数多く行っています。

具体例として、包装容器のプラスチック使用料の削減、原材料のリサイクルといった取り組みが挙げられます。

今回はカロリミット、ディアナチュラ、ネイチャーメイドでお馴染みの企業の事例を紹介します。ぜひ参考にしてみてください。

※本記事は2023年7月11日時点の情報です。最新の情報についてはご自身でもよくお調べください。
※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定商品・ファンドへの投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、利用者ご自身のご判断において行われますようお願い致します。

目次

  1. ファンケル
    1-1.プラスチック使用料の削減
    1-2.青汁のリサイクル
  2. アサヒグループ食品
    2-1.「心とからだの健やかさ」の実現
    2-2.ワンウェイプラスチックの使用量削減
  3. 大塚製ホールディングス
    3-1.ウォーターニュートラル
    3-2.ウクライナへの人道支援
  4. サプリメーカーに投資する方法
  5. まとめ

1.ファンケル

ドラッグストアで買えるサプリといえば、ファンケルを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。

ファンケルはサプリを含む健康食品や化粧品を手掛ける企業であり、横浜市中区に本社を構えています。設立は1981年で、従業員数は2023年7月時点で896名です(契約社員・パートなどを除く)。

同社が販売している主なサプリは下記のとおりです。

  • カロリミット
  • 大人のカロリミット
  • 内脂サポート
  • えんきん
  • ホワイトフォース
  • ディープチャージコラーゲン

「カロリミット」や「大人のカロリミット」は、ダイエットサプリです。「内脂サポート」はお腹の脂肪を減らすためのサプリで、俳優の佐藤二朗さん主演のCMでも知られています。「えんきん」は目のピント調節機能をケアするサプリです。

この他にもビタミン補充、血圧や睡眠改善など、多種多様なサプリを販売しています。

1-1.プラスチック使用量の削減

サプリのパッケージであるボトルや袋にも、プラスチックが使用されています。ファンケルでは海洋プラスチックの問題に対応するため、容器などにおけるプラスチック使用量削減に取り組んでいます。

具体的に下記のような目標を掲げています。

プラスチックを使用した容器包材における「4R」対応 2030年度までに100%
ファンケル化粧品のプラスチックを使用した容器のうち、植物由来・再生由来プラスチックの使用率 2030年度までに30%
紙を使用した容器包材における環境配慮紙の採用 2025年度までに100%

上記の「4R」とは、Reduce(削減)・Reuse(再利用)・Recycle(リサイクル)・Renewable(再切り替え)を意味します。

1-2.青汁のリサイクル

ファンケルの主力商品の1つである青汁では、リサイクルによる資源循環・廃棄物の削減に取り組んでいます。原料であるケールの製造過程で出る大量の搾りかすを、牛のエサにするための研究を開始しました。2年の試行錯誤の末、良質な牛のエサとすることが可能になりました。

牛のふんは畑の肥料になり、これを養分として栄養豊富なケールが育ち、再び青汁製品に加工されます。青汁で完全リサイクルが実現し、愛媛県の「資源循環優良モデル」に認定されました。

2.アサヒグループ食品

続いて紹介するのは、サプリの「ディアナチュラ」を販売しているアサヒグループです。

アサヒグループ食品は、アサヒグループHDの傘下にある企業です。同グループには、アサヒビール、アサヒ飲料などがあります。

アサヒグループ食品はさまざまな食品を販売しています。栄養サポート食品の「一本満足バー」や「クリーム玄米ブラン」、タブレット菓子の「ミンティア」などが有名です。サプリでは「ディアナチュラ」の製造・販売を行っています。

2-1.「心とからだの健やかさ」の実現

サステナビリティについて、同社で中長期的に注力するマテリアリティとして「健康」「環境」「人」「コミュニティ」の4つを掲げており、特に「健康」を重視しています。健康に関するスローガンは「心とからだの健やかさ」であり、同社の中核事業であるサプリや栄養食品とも関連が深いテーマです。

サプリの「ディアナチュラ」は、安全と品質を重視し、アサヒグループ独自の素材も配合しています。忙しい日々のサポートやフィットネスなどのシーンに向けては、素材とおいしさにこだわった栄養食品を展開しています。

2-2.ワンウェイプラスチックの使用量削減

ワンウェイプラスチックとは、一度だけ使われて廃棄されるプラスチック製品のことです。使い捨てのプラスチック製品であり、環境負荷の原因になるため、欧州ではワンウェイプラスチックに関する規制が広がっています。

アサヒグループ食品ではワンウェイプラスチック使用量の削減に取り組んでおり、2030年までにワンウェイプラスチック使用量原単位を、累積25%を排出抑制する目標を掲げています。具体策として2022年に「ディアナチュラ」のボトルを薄くすることで、使用量を3~10%削減しています。

3.大塚ホールディングス

3つ目に紹介するのは「ポカリスエット」などでおなじみの大塚ホールディングスです。

大塚ホールディングスは、大塚製薬、太陽薬品工業などを傘下とする持株会社です。大塚製薬では、下記のように一般的によく知られた商品を販売しています。

  • ポカリスエット
  • カロリーメイト
  • ネイチャーメイド
  • ファイブミニ
  • ボディメンテ
  • ソイジョイ(SOYJOY)
  • オロナイン軟膏
  • OS-1(オーエスワン)

サプリの「ネイチャーメイド」は、サプリ先進国であるアメリカで生まれたブランドで、日本では大塚製薬が販売しています。中でも代表的なのがビタミンDの「SUPER D」で、ドラッグストアでのビタミンDカテゴリーで売り上げNo.1となっています(大塚製薬の発表による)。

3-1.ウォーターニュートラル

大塚グループでは「ポカリスエット」など水を原料とした製品も多く販売しているため、水の保全は世界的に重要課題の1つと認識しています。同社が目標として掲げる「ウォーターニュートラル」とは、持続可能な水資源の利用を推進することです。

徳島県では「とくしま森づくり事業」のパートナーシップ協定を締結しました。毎年の植樹活動など、大規模な森林で森づくりに取り組む活動に参加しています。

また、生産拠点の水リスクについて詳細なデータを活用した分析カルテを作成し、リスク評価を行っています。地域ごとのリスクを可視化し、地域に適した管理と有効利用の取り組みを推進する方針です。

3-2.ウクライナへの人道支援

ウクライナに対するロシアの侵攻は、ウクライナを含めたヨーロッパや周辺地域の平和と自由および安全を脅かす事態となっています。あらゆる領域で深刻な損害を受けたウクライナを支援することも、サステナビリティ・ESG活動の1つです。

大塚グループは、日本赤十字社を通じて2,000万円の寄付を行いました。また、同社の医薬品なども提供し、現地の患者の方や医療従事者の方への支援を推進しています。具体的にはグループ企業の大鵬薬品工業から、抗生物質製剤の「ゾシン」を提供しました。

4.サプリメーカーに投資する方法

今回取り上げた3社はいずれも上場企業であり、証券会社を通じて株式を売買することが可能です。なおアサヒグループ食品の場合、持株会社であるアサヒグループホールディングスへ投資することになります。

株式投資を少額で始めたい方におすすめなのは「単元未満株(ミニ株)」の制度で、1株から株式を買えます。単元未満株の制度を導入している証券会社の例は下記のとおりです。

SBI証券 S株
楽天証券 かぶミニ
マネックス証券 ワン株
auカブコム証券 プチ株
大和コネクト証券 ひな株

購入できる銘柄はサービスによって違うことがあるため、事前に確認しておきましょう。

5.まとめ

ドラッグストアでよく見かけるサプリのメーカーである、ファンケル・アサヒグループ食品・大塚ホールディングスのESGの取り組みを紹介してきました。各社ともサステナビリティを重視しており、プラスチック使用量の削減や水資源の保全など、積極的な施策を実行しています。

今回は環境関連の施策を中心に解説したものの、ダイバーシティ&インクルージョンなど社会面でも数多くの取り組みが見られます。

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安藤 真一郎

マーケティング会社に勤務した後、ライター・コラムニストに転身。 さまざまなジャンルの執筆を行う途中でマネーリテラシーの重要性に気づき、現在はマネー・金融分野を中心に執筆活動を行う。投資、資産形成、年金、税制度、ローン、節約、キャッシュレス決済など多数の執筆実績あり。投資に関しては中長期での利益獲得を目指し、米国株式や先進国株式を中心とする投資スタイル。ファイナンシャルプランナー資格保有。