Metaverse(メタバース)関連の仮想通貨を紹介【ディセントラランド・サンドボックス】

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今回は、Metaverse(メタバース)関連の仮想通貨について、大手仮想通貨取引所トレーダーとしての勤務経験を持ち現在では仮想通貨コンテンツの提供事業を執り行う中島 翔 氏(Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12)に解説していただきました。

目次

  1. メタバースとは?
    1-1.メタバースとは?
    1-2.メタバースでできる事
    1-3.メタバース関連の仮想通貨
  2. Decentralandのメタバース
    2-1.Decentralandとは?
    2-2.Decentralandで使用されるトークン
    2-3.Decentralandのコンテンツ制作
  3. The Sandboxのメタバース
    3-1.The Sandboxとは?
    3-2.The Sandboxでできる事
    3-3.The Sandboxの2種類のトークン
    3-4.The Sandboxのメタバースを手に入れる方法
  4. まとめ

10月29日にFacebook(フェイスブック)社が社名をMeta(メタ)に変更する事を正式発表し、今後はメタバースに注力する姿勢を示したことから、メタバース関連の仮想通貨に注目が集まっています。

オンラインゲームのメタバース(仮想空間)は昔からSecond Lifeなどが存在しており、現在はブロックチェーン技術を用いたよりセキュアなプラットホームの構築が期待されています。そこで今回は、メタバースとは何か、また、メタバース関連で注目されている仮想通貨の解説をしたいと思います。

①メタバースとは?

まずは、メタバースについて基本事項を解説します。

1-1. メタバースとは?

メタバースはインターネット上に構築された仮想空間の事です。ユーザーはアバターと呼ばれる自分の分身を介して仮想空間に入り、世界の探索や他のユーザーとのコミュニケーションを図ることや仮想通貨を用いた買い物、自ら商品を制作して販売する経済活動ができたり、ユーザーが作ったゲームを提供するなど自由度の高い活動ができます。

厳密には、上記のように言われているものの正確な定義は定まっていません。

1-2. メタバースでできる事

メタバースは、マルチプレイヤーによるオープンワールドと呼ばれるタイプのゲームに近いものだと言えます。

古いゲームではレベル設定や、ゲームシナリオが用意されどのユーザーがプレイをしても同じストーリー展開をたどりますが、オープンワールドではプレイヤーが各自好きなことをして遊ぶことができます。

現在開発されているメタバースは、現実の世界と同じように土地と建物があり、その世界を自由に歩き回って楽しむものや様々なタイプのゲームがひとつの仮想空間内に共存するものなどがあります。現実の行動と同じ行動が仮想空間内でできるようにされているという点と、土地や建物などに仮想通貨に換算できる価値があり、経済活動を行うことも視野に入れて作られているという点が特徴です。

1-3. メタバース関連の仮想通貨

現在発行されている仮想通貨の中でメタバースのプラットフォームに使用されている通貨で代表的なものには以下があります。

仮想通貨名 ティッカーシンボル 代表的メタバース
Decentraland MANA Decentraland
SAND SAND The Sandbox
Ethverse ETHV Ethverse
Star Atlas STARL Star Atlas

中でも、DecentralandとSandboxは開発が先行しているメタバースです。

②Decentralandのメタバース

現段階でブロックチェーンベースのメタバースとして、最も注目されているメタバースの一つであるDecentralandの解説をします。

2-1. Decentralandとは?

Decentraland(ディセントラランド)は2017年にICOが実施され、同年12月には仮想空間上の土地であるLANDのオークションを開催、2018年にLANDのマーケットプライスがオープンしています。

メタバースは2020年2月から一般公開され、すでに誰もが簡単にその世界で遊ぶことができます。まだまだ、開発中であるというのが現状ですが、イギリス発祥の世界最古のオークションハウスであるサザビーズがNFTを展示するバーチャルギャラリーを開いたことでも知られます。

Decentralandでは仮想空間内のゲーム等をただ楽しむだけではなく、Decentralandの土地(LAND)の売買や賃貸、アバター用のアイテムやクリプトアートなどのコンテンツの売買、ゲームやイベントに参加するなど、現実世界と変わらない経済活動が可能な空間が作り上げられています。

2-2. Decentralandで使用されるトークン

Decentralandはスマートコントラクト機能がメタバース内のエコシステムの構築に必要であるという理由からイーサリアムのブロックチェーン上に構築されています。ソフトウェアはオープンソースで開発され、プロジェクトから提供される開発キットを使ってLAND内で使用する3Dコンテンツの制作もできるような設計です。

メタバースやNFTブロックチェーンゲームの特徴として、その中で使用されるトークンの種類が複数あるという点があります。これにはトークンの使用される用途に応じて使い分けられている理由があり、MANAがNFT機能を持たないERC-20規格で制作されており、メタバース内で取引されるLAND(土地)とESTATE(区画)にNFT規格が採用されています。

  1. MANA・・・仮想空間内での通貨機能・DAO(ERC-20)
  2. LAND・・・LAND (土地)のNFTトークン(ERC-721)
  3. ESTATE・・・ESTASTE(区画)のNFTトークン(ERC-721)

MANAの特徴として、Decentralandのマーケットプレイスでの通貨としての使用や、DecentralandのDAOの為に使用されるという機能的な特徴があります。DAOはMANAの所有量に応じて、コミュニティ内でのガバナンス、つまりポリシーの更新や、LANDオークションの詳細、Decentralandに設置するコンテンツの種類など決めるための投票権としての役割を持っています。

2-3. Decentralandのコンテンツ制作

Decentralandでは土地(LAND)の売買や賃貸だけではなく、アバター用のアイテムやクリプトアートなどのコンテンツの売買などのエコシステムを作り上げています。エコシステムのベースとなるLANDは2019年の初期には約5万円で販売されていましたが、現在では平均約63万円で販売されるなど大幅な値上がりをしています。

エコシステムのベースとなるLANDは2019年の初期には約5万円で販売されていましたが、現在では平均約63万円で販売されるなど大幅な値上がりをしています。

Decentralandで使用されるアイテムを制作するソフトウェアはオープンソースで開発され、Decentraland財団から提供される開発キットを使ってLAND内で使用する3Dコンテンツの制作もできます。

③The Sandboxのメタバース

最後にThe Sandboxの解説をします。

3-1. The Sandboxとは?

The Sandboxとは同名のゲームから発展したブロックチェーン上のメタバースです。Decentralandとの違いは、The Sandboxはゲームを主体としたメタバースである点です。

3-2. The Sandboxでできる事

The Sandboxのメタバースは自由度が高く、ユーザーがビジネスを展開することも容易です。もちろん、メタバースの土地であるLANDを所有している場合はコンテストやイベントを主催したり、他のユーザーに貸し出して人が作成したゲームをプレイできます。

メタバース内で流通するトークンはSAND(サンド)と呼ばれ、そのサンドを稼ぐには以下のような方法があります。

  1. ゲームをプレイしてSANDを稼ぐ
  2. 自身が制作したゲームやアドオン機能を他のプレイヤーに有料提供して稼ぐ
  3. ゲーム内で獲得したアイテムをマーケットプレイスで出品して稼ぐ
  4. 土地や自分が制作した施設などを貸したり売ったりすることで不動産収入を得る

様々なアプローチ方法でSANDの入手が可能ですが、最も簡単な投資としてはLANDを所有し、貸し出して数年後に売却益を狙う方法でしょう。

3-3. The Sandboxの2種類のトークン

The Sandboxで使用されるトークンの構成はDecentralandに類似しており、通貨やDAOの為の投票権としての機能を持つSANDはERC-20規格、メタバースの内の土地(LAND)と区画(ESTATE)で使用されるNFTにはERC-721規格、メタバース内のアセットと呼ばれるアイテムにはERC-1155が使用されます。

ガバナンストークンでもあるSANDはMANAと同様に仮想通貨取引所に上場されています。

3-4. The Sandboxのメタバースを手に入れる方法

The Sandboxのメタバースの土地である「LAND」はNFTマーケットプレイスで入手することができます。日本でもCoincheckの「Coincheck NFT(β版)」で発売される事があり、即完売になるほどの人気です。The Sandboxの楽しみ方は別の記事でも詳述しているので、宜しければご覧ください。

NFTメタバース「The Sandbox(ザ・サンドボックス)」の楽しみ方

④まとめ

メタバースで使用されるトークンは複数あるため、これらのトークンへの投資を検討する際には、ガバナンストークンであるのかメタバース内NFTであるかを確認してから投資をされる事をおすすめします。

Facebookはメタバース事業に約1.13兆円もの投資をするとしています。Facebookのビジネスモデルから考えると現実世界を仮想空間上に持ち込む面でDecentraland と競合している可能性があるかもしれませんが、メタバース全体の発展に貢献してくれることを期待したいところです。

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中島 翔

一般社団法人カーボンニュートラル機構理事。学生時代にFX、先物、オプショントレーディングを経験し、FXをメインに4年間投資に没頭。その後は金融業界のマーケット部門業務を目指し、2年間で証券アナリスト資格を取得。あおぞら銀行では、MBS(Morgage Backed Securites)投資業務及び外貨のマネーマネジメント業務に従事。さらに、三菱UFJモルガンスタンレー証券へ転職し、外国為替のスポット、フォワードトレーディング及び、クレジットトレーディングに従事。金融業界に精通して幅広い知識を持つ。また一般社団法人カーボンニュートラル機構理事を務め、カーボンニュートラル関連のコンサルティングを行う。証券アナリスト資格保有 。Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12