大和ハウス工業のESG・サステナビリティの取り組みや将来性は?株価推移、配当情報も

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住宅の建築素材は環境に対する影響も大きいため、ESG・サステナビリティの取り組みを行う建築住宅関連企業も少なくありません。大和ハウス工業はESG・サステナビリティの取り組みを行う建築住宅関連企業の1つであり、環境負荷の低減や社会貢献に積極的です。

この記事では、大和ハウス工業のESG・サステナビリティの取り組み内容や将来性について、株価推移や配当情報と併せて紹介していきます。大和ハウス工業の企業情報やESG・サステナビリティの取り組み内容が気になる方は、参考にしてみてください。

※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定商品・銘柄への投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、ご自身のご判断において行われますようお願い致します。
※本記事は2023年6月12日時点の情報をもとに執筆されています。最新の情報については、ご自身でもよくお調べの上、ご利用ください。

目次

  1. 大和ハウス工業の特徴
  2. 大和ハウス工業のESG・サステナビリティの取り組み内容
    2-1 Challenge ZERO 2055
    2-2 エンドレスソーシャルプログラム
  3. 大和ハウス工業の株価推移
  4. 大和ハウス工業の配当情報
  5. まとめ

1 大和ハウス工業の特徴

大和ハウス工業は、大阪市に本社を置く国内の住宅総合メーカー企業です。創業者の石橋信夫氏が、第二次世界大戦後、荒れ果てた国土の復興および日本の社会発展への貢献のため、「建築の工業化」を目指す目的で1955年に設立しました。大和ハウス工業の主な事業内容は、「建築事業部門」「都市開発事業部門」「海外事業部門」「環境エネルギー事業部門」で構成されています。

建築事業部門は、「住宅系」「建築系」の2つの事業内容に分けられます。住宅系では、注文住宅・分譲住宅・賃貸住宅・分譲マンションなどの企画、設計、施工、販売などを行っています。建築系では、店舗・ショッピングセンター、物流センター・配送センター、医療介護施設などの企画・設計・施工・リフォームなどの事業を手がけています。都市開発事業部門では、宅地や工業団地などの企画・設計・施工、販売や再開発事業などを行ってきました。

海外事業では、諸外国の現地で外国人駐在員向けの賃貸住宅の建築・運営・管理、ホテルの運営・管理、不動産開発事業などを手がけた実績があります。また、アジア諸国・オーストラリア・アメリカで新規の事業を開始しました。環境エネルギー事業においては、再生可能エネルギー発電所の設計・施工、電力販売、再生可能エネルギーの発電などの事業を行い、持続可能な環境社会への実現に貢献しています。

2 大和ハウス工業のESG・サステナビリティの取り組み内容

大和ハウス工業は、企業グループ全体で新たな価値を創造することで、人々が心豊かに生きる社会実現を目指す旨の経営ビジョンを掲げています。

以下、具体的な取り組み内容や実績を確認してきましょう。

2-1 Challenge ZERO 2055

大和ハウス工業の環境長期ビジョンである「Challenge ZERO 2055」は、2055年までに環境負荷をゼロにすることを目指す取り組みです。このビジョンでは、4つの環境重点テーマ(気候変動の緩和と適応、自然環境との調和、資源循環・水環境保全、化学物質による汚染の防止)に焦点を当てています。

そして、Challenge ZERO 2055の実現に向けた具体的な行動計画として、環境に配慮した建築・住宅・社会インフラを創造する「エンドレスグリーンプログラム」が、2007年から推進されており、建物や住宅のエネルギー効率の向上、再生可能エネルギーの導入、建築材料のリサイクル、環境負荷の低減などを行っています。

実際、2019年~2021年までの中期計画として策定された「エンドレスグリーンプログラム2021」の主な目標および実績は、以下の通りです。

気候変動の緩和と適応

管理指標 目標 実績
主要サプライヤーの温室効果ガス削減目標設定率 90% 88%
エネルギー効率(2015年度比) 1.4倍 1.47倍
再エネ利用率 10% 18%
再エネ発電率 100% 131%
ZEH販売率 70% 63%
グリーンビルディング認証取得率 80% 92%

自然環境との調査

管理指標 目標 実績
緑あふれる自社施設の累計開発件数 9件 10件

資源循環・水環境保全

管理指標 目標 実績
新築の建設廃棄物排出量 19㎏/㎡ 20㎏/㎡
建設廃棄物のリサイクル率 97%以上 97.7%以上
廃プラスチックのリサイクル率 90%以上 93%
売上高あたりの水使用量 34%削減 46.8%削減

化学物質による汚染の防止

管理指標 目標 実績
売上高あたりのVOC排出量(2013年度比) 15%削減 36.8%削減

2021年度では、各重点テーマにおける管理指標計17項目のうち、13項目の達成に成功しています。

ZEH(ゼロエネルギーハウス)とは、年間の一次エネルギー消費量がゼロに近い住宅のことを指します。大和ハウス工業は、ZEHの販売を積極的に進めており、販売率も順調に伸びています。2021年度のZEH販売率は約63%であり、今後も引き続きZEHの普及を推進することで、環境負荷の軽減に貢献していくことが期待されています。

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また、VOCとは、揮発性有機化合物(Volatile Organic Compounds)の略称です。化学物質や有機化合物が気体として揮発した状態のことで、建材や塗料、接着剤、清掃剤、インク、香料、化粧品、タバコの煙などから発生します。VOCは、大気中に放出されることで光化学スモッグの原因物質となるほか、健康にも悪影響を与えることがあるため、環境規制の対象となっています。建築物では、内装材や塗料などが放出するVOCが室内空気質を悪化させることがあるため、大和ハウス工業はVOCの低減に取り組んでいます。

2-2 エンドレスソーシャルプログラム

大和ハウス工業は、重要な5つのステークホルダー(「株主」「客」「取引先」「従業員」「地域市民」)との接点の強化を図るため、社会性長期ビジョンを策定しています。2019年~2021年では、第6次中期経営計画である「エンドレスソーシャルプログラム2021」が策定され、下記の重要テーマを強化することで経営基盤を構築したり、ステークホルダーとの関係性を深めたりし、サステナブル経営を実践しながら社会の重要課題の解決に貢献しています。

イノベーション基盤

重要課題 経営目標指標(2021年度)
社会課題の解決に資するイノベーション体制の構築 2018年度の指標基準として、イノベーション創出の協業数の量と質を高水準で維持する。
不動産開発におけるインクルージョンの推進 まちづくりガイドラインに基づいた大型案件・各事業部門の大型物件の開発比率を70%にする。

人財基盤

重要課題 経営目標指標(2021年度)
従業員の働き方改革 働きがいを感じる従業員の比率を80%にする。
人財育成と採用強化 若年社員の入社3年までの定着率を90%にする。
ダイバーシティ&インクルージョン 管理職女性比率5%
女性管理職ライン長比率40%
女性工事比率6%
女性営業比率13%
新卒採用女性比率30%、の5項目を達成する。

技術・ものづくり基盤

重要課題 経営目標指標(2021年度)
取引先企業との連携によるものづくりの生産性向上 施工現場の年間休日を112日、工場の年間休日を117日にする。
CSR調達の促進と効率化 主要取引先のCSR調達ガイドライン適合比率と全取引先へのセルフチェック回答率を70%にする。

顧客基盤

企業団体主体のコミュニケーション強化 日経企業イメージ調査において、一般個人からの好感度を70%、ビジネスパーソンからの一流評価を90%の割合にする。
顧客長期リレーション対応の促進 顧客基盤を活かした受注率を70%にする。

コミュニケーション基盤

重要課題 経営目標指標(2021年度)
コミュニケーションの一体化・システム強化 財務・非財務コミュニケーションの制度や仕組みの確立および統合経営の理解促進を2021年度末までに実現する。
激変するコミュニケーション環境への対応 コミュニケーションの変革基盤を確立する。

リスク対応基盤

重要課題 経営目標指標(2021年度)
災害・異常気象を前提とする事業実地体制の確立 事業継続体制スコアを100点にする。
工場における人権デューデリジェンスの確立 2021年末までに工場における人権デューデリジェンスのプロセスを確立する。
企業倫理・コンプライアンスの確立 内部統制体制充実度のスコアを2017年度比15%向上させる。
グローバルな範囲での長期視点に基づく経営基盤の構築 2020年度に初回調査を実施した海外拠点における従業員の行動・意識調査の改善率を向上させる。

※参照:大和ハウス工業株式会社「社会性中期計画(エンドレス ソーシャル プログラム)

特に人材基盤では、2021年度において、ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)に関する組織レベルでの改善に積極的で、女性管理職候補者・技術職への研修、テレワーク制度の導入などを実施しました。

中でも「女性工事比率」に関しては目標未達だったものの、「管理職女性比率」「女性管理職ライン長比率」「女性営業比率」「新卒採用女性比率」ではいずれも目標を達成しています。

大和ハウス工業では、今後も柔軟な働き方への取り組みを進めるとともに、研修や対話を継続する予定です。また、社内総合評価である「事業所ダイバーシティスコア」および「事業本部ダイバーシティスコア」の達成状況の分析を通じ、各指標の改善に向けた対応を進める方針です。

3 大和ハウス工業の株価推移

大和ハウス工業(1925)の株価は、2023年4月23日時点より前の直近半年間で2,900円台~3,200円台の間を横ばいで推移していました。しかし、2023年4月25日~同年5月2日までの間、株価は3,310円から3,485円に急上昇し、同年6月1日~6月12日の期間は3,500円~3,700円と高値の水準を推移しています。

2023年4月24日の証券取引所の大引け後、大和ハウス工業から、2023年3月期の連結経常利益予想を上方修正する旨の発表が行われ、2期連続で過去最高益を更新する見通しとなりました。その内容に各投資家が好感し、大和ハウス工業の株価が急上昇した可能性があります。

そのため、今後の株価推移も堅調な状況が続くことも予想される一方、2022年以降、アメリカの住宅ローン金利が上昇傾向にあり、2023年6月7日時点の30年住宅ローン利率は6.81%と高い水準となっています。それにより、大和ハウス工業のアメリカの住宅事業における業績低下が懸念され、株価にもマイナスの影響を与える可能性もあります。

4 大和ハウス工業の配当情報

大和ハウス工業は、毎年配当という形で株主への利益還元を行っています。株主への配当は、事業活動で創出した親会社株主に帰属する連結当期純利益か35%以上を充てる方針です。2019年3月期~2022年3月期までの1株当たりの配当金額の推移は、以下の通りです。

事業年度 年間配当金額
2019年3月期 114円
2020年3月期 115円
2021年3月期 116円
2022年3月期 126円(記念配当分10円込)

2019年3月期~2021年3月期にかけて、1株当たりの年間配当金額が1円ずつ増加しています。2022年3月期の1株当たりの年間配当金額は、記念配当分の10円を控除すると、2021年3月期と同額でした。

また、2023年3月期の1株当たりの年間配当金額は130円になる見込みです。大和ハウス工業は、1株当たりの年間配当金額の下限を130円とする旨の方針を打ち出したため、前年期より14円増加することになりました。

まとめ

大和ハウス工業は、企業理念として掲げている「人・街・暮らしの価値共創」により、再生・循環の社会インフラと生活文化が創出されることで、持続可能な社会の実現へと繋がるため、将来的な成長を見込める企業として期待することができます。

また、業績として2期連続で過去最高益を更新する見込みなので、今後の株価への影響もポジティブな要素が強いのも特徴です。また、2021年3月期以降の配当性向は35%以上であり、株主還元の割合も大きくなっています。

大和ハウス工業のESG取り組み内容や投資に関心のある方は、この記事を参考にご自身でもお調べになった上で検討してみてください。

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