今回は、COMSAがリリースしたBUNDLE(旧NCFT)β版について、大手仮想通貨取引所トレーダーとしての勤務経験を持ち現在では仮想通貨コンテンツの提供事業を執り行う中島 翔 氏(Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12)に解説していただきました。
目次
- COMSAとは
1-1. COMSAの概要
1-2. NFTとFTの違い - BUNDLE(β)版とは
2-1. BUNDLE(β)の概要
2-2. BUNDLE(β)の特徴 - BUNDLE(β)の使い方
3-1. BUNDLEシリーズの作成
3-2. BUNDLEの作成
3-3. BUNDLEの公開販売 - まとめ
22年9月27日、ブロックチェーン関連企業であるテックビューロ株式会社は、自社が展開するマーケットプレイスCOMSA(コムサ)にて、「NCFTβ版」の取り扱いをスタートしました。
そして、COMSAサイト内の表記が分かりづらいというユーザーの声を受けて、10月19日から以下のように名称が変更されています。
-
NFT→UNIQUEへ、NCFT→BUNDLEへ
BUNDLEβ版は実態のない既存NFTを、シリアルナンバーが付いた限定複数の現物NFTへと進化させたものとされており、これまでのNFTと比べてよりその価値を具現化することができるということです。
そこで今回は、COMSAが新たにリリースしたBUNDLEβ版について、その概要や特徴、使い方までを徹底解説していきます。
①COMSAとは
1-1.COMSAの概要
COMSA(コムサ)とは、22年1月にリリースされたマーケットプレイスのことを指し、ブロックチェーンテクノロジーを駆使したソフトウェアやサービスなどの開発を行うテックビューロ株式会社によって運営されています。COMSAは個人および団体、組織などが保有しているあらゆる「価値」を簡単なプロセスでトークン化し、売り出すことが可能なマーケットプレイスとなっています。
パブリックブロックチェーンとして知られる「シンボル(Symbol)」をベースとして採用しており、フルオンチェーンでアセットデータを保存するなど、各プロセスがすべてシンボル上において最大限完結するように設計されています。
1-2.NFTとFTの違い
COMSAにはNFT(ノンファンジブルトークン)とFT(ファンジブルトークン)」という二種類のトークン形式が用意されており、ユーザーは自身のニーズにマッチした形式を選択してミントすることが可能です。
NFT
NFTはその性質からさらに「ユニークNFT」と「シリーズNFT」に分けられます。二種類のNFTの詳細は、下記の通りとなっています。
①ユニークNFT
- 発行数は一つのみ
- 世界で唯一のアセット
- ローンチに伴って取り扱いがスタートする
②シリーズNFT
- 発行数は複数
- 個々に刻印やシリアル(メタデータ)を付ける
- 取り扱いがスタートするタイミングは後日発表される
FT
③NC-FT (Non-Circulatable FT)
日本語では「非循環型FT」と訳され、作成した「価値」をトークン化して複数量発行し、売買が可能なトークン。ホルダーからの移転は、「COMSAプラットフォーム」宛にのみ可能とした、暗号資産(仮想通貨)とは異なるデジタル電子アセットとなっています。
- 発行数は複数
- 刻印やシリアルは付けない
②BUNDLE(β)版とは
2-1.BUNDLE(β)の概要
BUNDLE(β)とは、実態のない従来のNFTを、シリアルナンバーが付いた限定複数の現物NFTへと進化させたものとされています。COMSAでは、誰でもすぐに且つ簡単にシリアルナンバーを有した限定複数NFTをミント可能とするため、本来あるべきNFTの先の姿を目指して、一年以上におよぶ開発を行ってきました。
これまでのNFTは、単体の商品もしくはコンテンツとして扱われることを想定したものでしたが、BUNDLEは「デジタル限定モノ」という位置付けとして、シリアルナンバーを任意の限定数で割り振ってミントし、COMSAのマーケットプレイスにて販売することが可能だということです。なお、BUNDLE(β)はCOMSAユーザーであれば誰でも利用可能だと発表されています。
2-2.BUNDLE(β)の特徴
①オールオンチェーンNFT
今回のBUNDLE(β)は、従来のCOMSAマーケットプレイスに新たにBUNDLEのNFT機能が実装された形となっていますが、BUNDLE(β)もこれまでと同様、画像および音声、映像といったあらゆるNFTコンテンツが「シンボル(Symbol)」というパブリックブロックチェーン上にて展開される、「オールオンチェーンNFT」となっています。
これまでのNFTは、その性質から複数のコンテンツ発行もしくは販売が難しくなっていましたが、COMSAが提供するBUNDLE(β)では、NFTを複数部数の「オンチェーンアセット」として発行および販売することが可能となっています。
またこのほかにも、オールオンチェーンNFTというシステムを採ることによって、NFTのすり替えや消失といった従来のNFTが抱えている「権利の実態や所在」に関するリスク解消を実現しており、NFTを「デジタル現物」への次世代へとシフトさせることに成功しています。
②スマホのみでシリアルナンバー付きNFTの発行が可能
COMSAのBUNDLE(β)では、アートやトレーディングカードをはじめとするさまざまなデジタルアセットを、スマホのみでシリアルナンバー付きNFTとして発行することが可能です。
また、「シンボル(XYM)」による決済だけでなく、「イーサリアム(ETH)」やクレジットカードによる円決済にも対応しており、「販売間口の最大化」および「経済抵抗値の最小化」の同時実現を目指しているということです。
③誰でも自由にトークンを発行できる
運営元であるテックビューロは設立当初から「誰でもトークンを自由に気軽に発行できる時代」の実現を目指してきましたが、BUNDLE(β)はそれがさらに進化した形だと語っています。
ここ数年はさまざまな規制などが生まれ、自由なトークン経済が失われつつありました。そんな中、BUNDLE(β)のリリースにより、誰でも気軽に安心してトークンを発行できる環境が再来し、NFTの価値やクリエイターの評価をよりはっきりと具現化することが可能だということです。
③BUNDLE(β)の使い方
3-1.BUNDLEシリーズの作成
BUNDLEを作成する場合、まずシリーズを作成する必要があります。
シリーズとはBUNDLEを内包するグループのようなもので、複数作成することができるほか、一つのシリーズ内にいくつかのBUNDLEを作成することも可能です。
まず、COMSAにログインした状態でマイページメニューから「BUNDLE作成」を選択し、シリーズ管理ページの「シリーズ作成」をクリックします。
シリーズ名およびサムネイル画像、説明文を入力し、次のページへ進みます。その後、確認画面が表示されるため、問題がなければ「登録する」をクリックして作成完了となります。
3-2.BUNDLEの作成
シリーズ作成後、「BUNDLE作成画面」を開くと作成したシリーズの一覧が表示されるため、使用したいシリーズを選択し、「BUNDLE作成」をクリックします。
画面の項目に沿ってアセットの登録および必要項目を入力した後、「BUNDLE作成確認」をクリックします。その後、BUNDLE作成確認ページに移動するため、シミュレーションを確認し問題がなければ「登録する」をクリックします。決済画面に移動するため、希望の支払方法を選択して手数料を支払うと、作成完了となります。
なお、作成手数料はアセットデータの容量1MBにつき200XYMとなっており、上限は20MB、4,000XYMまでと定められています。
3-3.BUNDLEの公開販売
BUNDLEの作成が完了すると、まずは「初回販売」が可能となります。これはシリアル番号が発行される前の販売となり、オークション形式ではなく「板取引」形式となります。
そして、その後の「二次販売」では初回販売以降で購入したBUNDLEホルダーが、そのBUNDLEを出品して売り板に乗せることができます。この場合は、シリアル番号指定で販売される形となります。
④まとめ
COMSAは誰でも自由にトークンを発行できるプラットフォームとして、これまで見失われかけていたNFTの本来の価値やクリエイターの評価をよりはっきりと具現化することを目指しています。
今回BUNDLE(β)がリリースされたことにより、誰でもスマホのみでシリアルナンバー付きNFTを発行することが可能となったため、独自のトークンを発行したいという方はこの機会にCOMSAでアカウントを開設し、BUNDLE(β)を利用してみてはいかがでしょうか。
中島 翔
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