国内取引所コインチェックに上場したPolkadot(DOT)とは?

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今回は、Coincheck(コインチェック)に上場したPolkadot(DOT)について、大手仮想通貨取引所トレーダーとしての勤務経験を持ち現在では仮想通貨コンテンツの提供事業を執り行う中島 翔 氏(Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12)に解説していただきました。

目次

  1. Polkadot(ポルカドット)とは?
    1-1.Polkadotの概要
    1-2.プロジェクトの目的
    1-3.Polkadotの特徴、メリット
  2. Polkadot token(DOT)
    2-1.トークンの概要
    2-2.ユースケース
  3. 日本の取引所に上場した理由
    3-1.DOTの需要
    3-2.購入者データから考えられること
    3-3.将来性
  4. まとめ

9月1日より国内の暗号資産(仮想通貨)取引所のCoinCheckで、Polkadot(DOT)の取り扱いが開始されました。

今回はPolkadotや仮想通貨DOTの概要、そしてなぜPolkadotは注目されるかなどをデータや資料を用いて具体的に解説していきます。

①Polkadot(ポルカドット)とは?

1-1.Polkadotの概要

Polkadotはイーサリアムの共同創設者でもあるギャビンウッド氏らが主導するParity Technologiesが開発しました。多種多様なチェーンを接続し、分散型アプリケーションの世界に相互運用性をもたらすために設計されたブロックチェーンです。

Polkadotの研究開発を支援し、資金調達活動を監督するために設立された非営利団体Web3 Foundationは、2017年10月に Polkadotの最初のトークンセールを主催し、2週間足らずで1億4500万米ドルを調達。当初発行した1000万DOT供給の 50% を販売しました。

また、Polkadotは2種類のチェーンを採用することで相互運用性を可能にしています。その2種類のチェーンを「リレーチェーン」、「パラチェーン」と呼びます。

1-2.プロジェクトの目的

Polkadotは前述した2つのチェーンを採用することで、ユーザーの個人情報を守りつつ、トランザクションも効率よく行うことを実現させます。

Polkadotは、ブロックチェーンの課題と言われ続けているスケーラビリティ、セキュリティなどを解決することを目指しているのです。また、もうひとつの目的としてDApps(分散型アプリケーション)、機関、サービスなどの接続を容易にするということも考えられています。

1-3.Polkadotの特徴、メリット

上記で記述したように、Polkadotは2つのチェーンを操作できるように設計されています。

Polkadotのメインチェーンは「リレーチェーン」で、リレーチェーン上のスロット(枠)に個別に接続されているのが「パラチェーン」です。Polkadotではリレーチェーンを中心に相互運用性を計り、インターオペラビリティとスケーラビリティの課題解決を行います。

Polkadotでは、セキュリティがリレーチェーンにプールされ、各パラチェーン間で共有されています。またパラチェーンは様々な用途に合わせてカスタマイズされ、メインブロックチェーンに供給されます。パラチェーン同士に相互運用性があり、それぞれのチェーン上のトークンやその他様々なデータおよび機能を、パラチェーン間で共有できます。

②Polkadot token(DOT)

2-1.トークンの概要

  • ティッカーシンボル・・・「DOT」
  • ブロックチェーン・・・Polkadot
  • 時価総額・・・¥1,225,414,747,708(2022年9月12日現在)
  • 総供給量・・・約11.1億DOT
  • 発行上限・・・1,231,432,711 DOT

現在(2022年9月11日)の時価総額ランキングも10位とPolkadotは非常に需要があるトークンの1つと言っていいでしょう。

また、Polkadotは国内海外問わず多くの取引所に既に上場済みで世界のユーザーからみても認知度の高い銘柄になります。

2-2.ユースケース

①相互運用性

パラチェーンを他ブロックチェーンに接続することでネットワークとアプリケーションを構築し、相互運用性を強化します。パラチェーンはカスタマイズ可能であることから、Polkadot開発チームはイーサリアムより柔軟性を与える事ができると発言しています。

Polkadotにはパラチェーン「スロット」が100個あり、それぞれがユーザーやコミュニティによってオークションにかけられ投票されます。それをパラチェーンオークションと呼びます。

②イーサリアム(ETH)への接続

例として挙げると、Moonbeamはパラチェーンオークションの勝者となりスロットを獲得したプロジェクトの一つです。Moonbeamの目的とその機能は、イーサリアム間との機能が途切れる事なく容易にクロスチェーン操作を可能にすることです。Moonbeamの存在のおかげで、イーサリアムのさまざまなツールの使用をPolkadotに付与し、それを使用できることになりました。

イーサリアムは、ユーザー、投資家、開発者にとって非常に人気のあるブロックチェーンです。イーサリアムのエコシステム全体とポルカドットのエコシステム全体がシームレスに統合することで、新しいレベルでの相互運用が可能となります。

③日本の取引所に上場した理由

3-1.DOTの需要

まず、ブロックチェーンの課題でもあるスケーラビリティ、セキュリティ、相互運用性の課題をPolkadotは解決してくれるという期待から購入されている点があるでしょう。Polkadotを利用することでガス代も安く抑えられ、送金時間もはやいため非常に扱いやすいトークンです。

また、Polkadotにはパラチェーンオークションという仕組みがあり、私たちの投票次第でスロット100個を決定することが出来ます。パラチェーンオークションに参加するためにはDOTを購入する必要があり、過去の歴史からみてもパラチェーンオークション前にはDOTの需要が上がり、価格も高騰した経緯があります。こうした新しく面白い仕組みがあることもPolkadotが買われている理由として考えられるでしょう。

3-2.購入者データから考えられること

DOT
上図はPolkadotの価格チャートを表しています。Polkadotの過去最高値は約55ドルで、最高値から現在は約1/7ほどになっています。

Polkadotは2021年1月頃から注目され始め、価格が徐々に上昇し始めました。過去2回の価格急騰がありますが、これはどちらもパラチェーンオークション前ということあり価格が上昇したと考えられます。

パラチェーンオークション前は価格が上がると予測する投資家やユーザーが多く、市場の織り込みから上昇した側面も少なからずあったでしょう。

Active Addresses Count

出典:Messari【Active Addresses Count】より

こちらはアクティブアドレス数を表しているデータです。

2021年から価格同様にアドレス数も上昇し、2021年の秋ごろに最高値を達成しました。その後は緩やかに減少し、現在はほぼ横ばいとなっています。価格は減少傾向にありますが、アドレス数にはほとんど影響しておらず多くのユーザーがPolkadotから離れたとは考えにくいでしょう。パラチェーンオークションに参加後、DOTはロックされ、ある一定の期間を経過していないと引き出しが出来ないためそのまま保有しているユーザーが多いことも考えられます。

3-3.将来性

2種類のチェーンの採用やブロックチェーンプロジェクト初となるパラチェーンオークションなど革新的な試みを行ってきたPolkadotは、長い目で見た際にはまだまだこれから上昇する余地はあるのではないかという考え方もできます。時価総額も急に下落するということも考えにくいため、しばらくは上位の位置で推移するでしょう。

その反面、Polkadotの特徴でもあるスケーラビリティ問題の解決や相互運用性が出来る銘柄も増加しており、そのような銘柄にシェアが奪われるかという点はリスクシナリオとして存在します。スケーラビリティ問題解決の他にも何かしら付加価値を提供していかなければ、今後上位に位置するのは難しくなってくるでしょう。

また、Polkadotはメインネットやステーキングサイトが視覚的に難しく、分かりづらいといったユーザーの声も多くあり、その課題は足元でも大きな問題と言えそうです。

④まとめ

今回はPolkadotが購入される理由、期待される理由と現在の課題や将来性について解説しました。まだDOTを購入されたことがない方、DOTに興味がある方はこの機会に国内仮想通貨取引所Coincheckで口座開設を行い、ポートフォリオの一つとして保有してみても面白いかもしれません。

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中島 翔

一般社団法人カーボンニュートラル機構理事。学生時代にFX、先物、オプショントレーディングを経験し、FXをメインに4年間投資に没頭。その後は金融業界のマーケット部門業務を目指し、2年間で証券アナリスト資格を取得。あおぞら銀行では、MBS(Morgage Backed Securites)投資業務及び外貨のマネーマネジメント業務に従事。さらに、三菱UFJモルガンスタンレー証券へ転職し、外国為替のスポット、フォワードトレーディング及び、クレジットトレーディングに従事。金融業界に精通して幅広い知識を持つ。また一般社団法人カーボンニュートラル機構理事を務め、カーボンニュートラル関連のコンサルティングを行う。証券アナリスト資格保有 。Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12