今回は、チャートパターンの「チャネルライン」と「三角保ち合い」について、大手暗号資産取引所トレーダーとしての勤務経験を持ち現在では暗号資産コンテンツの提供事業を執り行う中島 翔 氏(Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12)に解説していただきました。
目次
暗号資産(仮想通貨)市場は、伝統的なアセットクラスと比較してファンダメンタルズが確立されていないため、色々な憶測や予想が飛び交う中で何が正しいのか疑心暗鬼になっている投資家も多いことでしょう。
そのため、私を含む多くのトレーダーはテクニカル分析を重視しているかと思います。ダウ理論には「経済状況などのファンダメンタルズ的な要因は既にチャートに反映されている」という原則がありますが、トレード判断を行う上でテクニカル分析は重要なものです。
ここではテクニカル分析の中でも、使用頻度の多い「チャネルライン」と「三角保ち合い」をご紹介します。暗号資産FXトレード初心者の方はまずその基本的な考え方を覚えて、チャートに反映された投資家の心理的背景を理解するようにしましょう。
①チャネルラインとは
チャネルラインはチャート上で高値と安値を結び、その値幅やトレンドの方向性を視覚的に捉えるために利用します。
暗号資産も含め、相場にトレンドが発生すると一定の値幅で上昇と下落を繰り返すことがあります。これは過去の値動きに基づいて予想する投資家の集合心理が価格レンジを生み、規則性が表出したものと考えられます。
実際のチャートからチャネルラインを見てみましょう。
これはイーサリアム円(ETH/JPY)の1時間足チャートです。赤色の2本線はそれぞれ高値と安値を結んでおり、これがチャネルラインです。高値を結んだチャネルライン上辺の延長戦上で利益確定を行うフローが生じ、上昇(下落)の勢いが衰えています。下辺では買いが集まり反発しており、結果的にこのチャネルラインは上下で抵抗線と支持線として機能しています。
こうしたチャネルラインの特性を活かしてトレードすると、下辺をロングのエントリーポイント、上辺を利益確定の目処として想定できます。ただし、暗号資産FXの初心者は上図のような上昇トレンドにおける逆張り(ショートエントリー)は控えるようにしてください。トレンドの方向性に沿った(順張り)取引が無難であり、勝率を高める上で重要です。
次に三角保ち合いについて解説します。
②三角保ち合いの重要性
三角保ち合いは、値動きが上下に動きつつも徐々に収斂していく形状です。高値が徐々に切り下がる一方で安値が切り上がり、方向性がわからなくなる状態が三角保ち合いの特徴です。
実際のチャートを見てみましょう。
これは先ほどと同じイーサリアム円(ETH/JPY)の1時間足チャートで、青色のラインが三角保ち合いとなっています。
このような動きになる投資家の心理的背景を考えてみましょう。
三角保ち合いを形成しているとき、下目線の投資家は高値で売り(ショート)を入れる一方、上目線の投資家は押し目で買い(ロング)を入れています。2つの勢力が均衡しているため、徐々に値動きが収束しています。こうした状況では、ポジション量が蓄積されるため、上下どちらかに勢いが傾くと、ポジション決済のフローが発生することから相場が急激に動きやすくなります。
そのため、保ち合いを上下どちらか突破した方向を追従してエントリーするのがセオリーです。なお、三角保ち合いの期間が長いほどポジション(燃料)が蓄積され、ブレイク時の勢いは強力なものになります。
特に長期トレンド中の小休止のように三角保ち合いが発生し、そのトレンドと同方向に保ち合いをブレイクした場合は、エントリーの絶好機となります。逆にトレンドとは反対方向にブレイクした場合は騙しになる危険性があり、エントリーは控える方が賢明です。
先ほどのイーサリアム円の場合、上昇トレンド中の三角保ち合いを上方向にブレイクしました。トレンドの方向性とブレイクの方向が一致しているため、ここはエントリーすべきタイミングと判断できます。
このようにチャートの形状から投資家の心理的背景を推測できると、トレード判断に役立ちます。ポジションを作っていた人が決済を強いられる場面を見極められると、トレードが楽になるでしょう。
③GMOコインはテクニカル分析ツールが豊富
先ほどご紹介したチャートの画面は、GMOコインのテクニカルチャートを利用しています。GMOコインは暗号資産FXの銘柄数も豊富です。レバレッジ取引を好む方はとても使いやすい取引所の一つと言えます。
GMOコインの暗号資産FX専用のトレードツール「Web.Trader」は、世界的なテクニカル分析プロダクト「Tradingview」を採用しています。今回ご紹介したチャネルラインや三角保ち合いだけではなく、多くのテクニカル指標を利用出来ます。
Tradingviewは、暗号資産トレーダーだけではなく、FXや先物等のトレーダーから愛用されている分析ツールです。筆者自身もTradingviewを利用してトレードを行っており、今ではこれがないと分析がやりにくいと感じるほど重宝しています。
GMOコインは名前の通りGMOグループの傘下の取引所で、GMOクリック証券で定評のあるFXアプリを活用しています。ユーザビリティが高いアプリを利用できるということも大きなメリットの一つです。外出先から取引を行うユーザーにとっても使いやすい暗号資産取引サービスとなっています。非一度利用してみてください。
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中島 翔
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