今回は、DMM.Bitcoinに上場したアバランチ(AVAX)について、大手仮想通貨取引所トレーダーとしての勤務経験を持ち現在では仮想通貨コンテンツの提供事業を執り行う中島 翔 氏(Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12)に解説していただきました。
目次
- アバランチとは?
1-1. アバランチの概要
1-2. プロジェクトの目的
1-3. アバランチの特徴、メリット - AVAXトークンとは?
2-1. トークンの概要
2-2. ユースケース - AAVAXの投資状況
3-1. 購入者データから考察
3-2. なぜアバランチは保有されるのか
3-3. 将来性 - まとめ
DMM.Bitcoinにて、9月21日からアバランチ(AVAX)の取扱いが開始されることが発表されました。
今回はそのアバランチ(AVAX)について解説していきたいと思います。後半では、なぜAVAXが購入されるのかをデータや資料を参考に考えていきたいと思います。
①アバランチ(アバランチ)とは?
1-1.アバランチの概要
アバランチは Ava Labsによって開発され、独自のコンセンサスプロトコル(プルーフオブステーク)を採用するブロックチェーンです。イーサリアムキラーとも呼ばれ、イーサリアムの課題であるスケーラビリティ問題などを解決してくれるブロックチェーンとして話題になりました。時価総額も高い位置にあることから暗号通貨(仮想通貨)業界の中でも非常に人気のプロジェクトとなります。
アバランチのスマートコントラクトは、Solidity言語を使用し、多種多様の分散型金融エコシステムを統合する事により、相互運用可能なより優れたブロックチェーンを作成することが出来ます。
1-2.プロジェクトの目的
アバランチの最大の目的は、ブロックチェーントリレンマの課題を解決することに据えています。特にスケーラビリティ、ガス代高騰の課題解決に力を入れています。目的達成のため、独自のコンセンサスの採用や古いブロックチェーンプラットフォームの制限などにも対処するといった開発も進んでいます。
1-3.アバランチの特徴、メリット
特徴の1つ目は、3種類のブロックチェーンを採用していることです。Exchange Chain(X-Chain)は主に「取引」、Contract Chain(C-Chain)は「スマートコントラクトを作成するため」、Platform Chain(P-Chain) は「バリデーターとサブネットを調整するため」のものです。
特徴の2つ目は、ビットコインの場合1秒間に7件のトランザクション処理、イーサリアムだと1秒間に14件のトランザクション処理が可能なのに対し、アバランチは1秒間に約4,500件のトランザクションの処理が可能になります。また、3秒未満でファイナリティ(決済が取り消し不可能な状態)を達成出来ることから、いかにアバランチが他のブロックチェーンに比べてスケーラビリティが高いことが分かるかと思います。
3つ目は、多くのブロックチェーンではバリデーターとなるためにに、一般人では保有が難しいほどの大量のトークンの保有することが求められたり、高額かつ維持管理が難しいコンピューターを保有する必要がありますが、アバランチの場合2,000 AVAXをステーキングした人なら誰でも参加できることが特徴です。そのためアバランチはバリデーター参加障壁が非常に低く、他のブロックチェーンと比較した際により分散されたネットワークを構築することができ、セキュリティ強化に繋がるという特徴があります。
②AVAXとは
2-1.トークンの概要
銘柄名 | AVAX |
ブロックチェーン | アバランチ |
ティッカーシンボル | AVAX |
時価総額 | ¥837,401,020,807(2022年9月6日現在) |
総供給量 | 720,000,000AVAX |
2020年9月に誕生したAVAXはアバランチブロックチェーンのネイティブトークンになります。
また、AVAXは時価総額ランキングも16位(2022年9月6日現在)と、仮想通貨市場におけるプレゼンスが非常に大きい銘柄の1つとなっています。
2-2.ユースケース
①インセンティブプログラム
アバランチエコシステムで人気のネイティブトークンでもあるTrader Joe(JOE)、Pangolin(PNG)はどれも分散型取引所(DEX)とそのガバナンストークンです。こうしたプロジェクトをさらに獲得し、それぞれにアプリ固有のブロックチェーン「サブネット」形成を支援するため、Avalanche Foundation は3月に、インセンティブプログラムを開始しました。
このプログラムは、ブロックチェーン対応のゲーム、DeFi、NFT、および機関のユースケースを含む新しいエコシステムをサポートするために、最大400万AVAX(当時2億9,000万ドル)のインセンティブを用意しています。
②スケーラビリティ
従来のブロックチェーンではスケーラビリティと分散化の両立が出来ませんでした。
ノードの数を制限することで効率化を図り、スケーラビリティを解決するプロジェクトもありますが、それではブロックチェーン採用のメリットである分散化を犠牲にします。
しかし、アバランチは、分散化を保ちつつ、独自の技術によりスケーラビリティ向上を実現しました。
③ガス代の削減とバーンメカニズム
人気のあるイーサリアムの代替ブロックチェーンが2020年頃はまだ無かったため、多くのユーザーが高額のガス代を支払う状況が継続していました。
しかし、2020年9月にメインネットをローンチしたアバランチは、非常に低コストに取引手数料を抑えられます。加えて、AVAXトークンは手数料が支払われる度に消費され、市場に流通するAVAXを減らすという「バーン(焼却)メカニズム」を採用。トークンの価値を維持しています。
③AVAXの投資状況
3-1.購入者データから考察
これまでのアバランチの価格推移、購入者データからみて予測できることを解説していきます。
AVAXの価格推移のチャートになります。2021年7月頃は10ドル近辺を推移していましたが、2021年11月には120ドルを越え約12倍となりました。2022年の4月頃にはLUNAの大暴落やBTCの暴落の影響もあり、現在では20ドル前後を推移しています。
こちらは、ステーキングの割合、ステーキングの利率、アクティブアドレスの数を表している資料になります。この中でも特に注目したいのが、アクティブアドレス数で、この値が低いブロックチェーンはユーザーからあまり使用されていないということになります。それは、需要に影響を与え最終的には価格にも影響を与えることになります。
アバランチは現状、アクティブアドレス数が多いことからユーザーからの人気が高く、需要もあることからまだまだ期待して購入しているユーザーが多くいる事が予測できます。
3-2.なぜアバランチは保有されるのか
次にアバランチが保有される理由について考えていきたいと思います。
1つ目は、アバランチの1番の特徴と言ってもいいファイナリティの早さ、ガス代の安さです。仮に同様のサービスやアプリケーションを利用できるとすれば、取引処理が早く、手数料が低い方が好まれるでしょう。これがアバランチを使用する事で解決出来てしまうため、AVAXが買われるのも当然と言えるかと思います。
2つ目は分散性の高さです。コストと同様にセキュリティの高さというのは重要な要素となってきます。アバランチはバリデーターになる参入障壁が他のブロックチェーンと比べ非常に低いため、より分散されたネットワークを構築する事ができ、強力なセキュリティを担保することができます。
3つ目は、アバランチのエコシステムにプロジェクトが次から次へと誕生しており、その開発スピード、さらなる発展を期待しているためだと言えるでしょう。最近では、GameFiやNFTのプロジェクトも多数作られており、今後が期待されています。
3-3.将来性
イーサリアムキラーとして、アバランチは今後も業界を引っ張っていく銘柄の1つと言えると思います。ファイナリティの早さ、ガス代の安さという特徴からみてもユーザーを獲得しやすい、アバランチ上のブロックチェーンに次から次へとプロジェクトが誕生していることを考えるとまだまだ期待できるブロックチェーンとも考えられるでしょう。
ただ、イーサリアムキラーとしてどの銘柄がトップの位置にくるのか覇権争いが繰り広げられている中で、アバランチは今の特徴にプラスしてどのようなアプローチでユーザーを獲得しプロジェクトを大きくしていくのか、今後に期待したいところです。
④まとめ
今回はアバランチの概要やユーザーからなぜ人気なのか、購入されるのかなどといった見解やデータを用いながら解説しました。
これを機会にぜひDMM.Bitcoinなどの国内取引所を開設し、AVAXを使用してファイナリティ、ガス代の安さを実感してみるのも面白いかと思います。技術面が今後アップデートされユーザー数がどのように推移するのか確認しながら興味があれば保有してみることも良いでしょう。
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中島 翔
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