【仮想通貨投資の始め方講座】仮想通貨トレードに必要な知識と情報源

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トレードを始める際、わからないことに直面すると調べて前に進んでいく方が多いと思います。しかし、地図を持たずに旅をするより、地図を持って旅をした方が当然効率よく、早く目的地にたどり着くことができるでしょう。

前回から数回にわたり初心者向けに仮想通貨(暗号資産)トレードに必要なポイントについて解説してきましたが、今回は仮想通貨をトレードする上で必要な知識について解説します。

目次

  1. 仮想通貨トレードに必要な知識
  2. 仮想通貨トレードのファンダメンタルズ
    2-1. ファンダメンタルズの影響力
    2-2. 主要なニュースソース
    2-3. オンチェーン分析について
  3. 仮想通貨トレードのテクニカル分析
    3-1. 基本は株やFXトレードは同じ
    3-2. 柔軟性が必要な仮想通貨トレード
  4. 仮想通貨トレードの基本的な取引ルール
    4-1. FXトレードとの相違点
  5. まとめ

①仮想通貨トレードに必要な知識

まず、初めに仮想通貨トレードにどのような知識が必要か解説します。

FXトレードの経験がある方にとっては、仮想通貨トレードもさほど苦も無く進める事はできると思います。しかし、仮想通貨に特有の事項も多いので、FXトレードと何が共通していて何が違うのかという視点も含めて解説したいと思います。

まず、取引ルールについては、基本的にそれぞれの仮想通貨取引所が設定しています。仮想通貨取引はFXトレードほど統一性はなく、取引コストなどについても各社で異なっているので、事前の確認はFX以上に大切になってきます。

実際のトレードの流れは、株やFXトレードと同じように考えることができます。ファンダメンタルズ分析を含めた環境認識を行い、テクニカルのインジケーターを使用してエントリーの後、決済をします。しかし、ファンダメンタルズ分析の仕方やテクニカル分析の方法に関しては、FXトレードとは違う部分もあります。

また、仮想通貨に関する情報源についても初心者の方にとっては不明であることが多いため、当サイト以外でも仮想通貨の情報源となるサイトをご紹介します。

②仮想通貨トレードのファンダメンタルズ

株やFXのトレード経験はあっても、仮想通貨のトレード経験のない初心者の方にとっては仮想通貨のファンダメンタルズといって思い浮かばないかもしれません。

しかし、仮想通貨にもファンダメンタルズは存在し、実際にファンダメンタルズの影響で価格が大きく動く事はFXトレード以上に多いと言っても過言ではありません。また、仮想通貨には株式に近い特性もあり、それぞれに開発された目的と時価総額などの基本的な事項があります。時価総額の低さが流動性の低さに繋がり、そのことはボラティリティが高まる要因でもあります。

そのため仮想通貨を取引する場合は、通貨そのもののファンダメンタルズとして、時価総額・時価総額ランキングは必ず確認が必要な事項です。特に長期運用する場合は、仮想通貨の設計図とも言える「ホワイトペーパー」や開発チームの「ロードマップ」を確認する事も大切です。

それではどのようなことが仮想通貨の価格に影響するファンダメンタルズの要素となるのでしょうか?以下にまとめました。

  1. 取引所への新規上場
  2. 仮想通貨プロジェクトと大手企業の提携
  3. 要人発言
  4. 政府による規制など
  5. 事件・事故
  6. オンチェーン分析

上記のように、仮想通貨も株やFXと同じように価格に影響するファンダメンタルズ要因は数多くあります。いくつか具体的に見てみましょう。

2-1. ファンダメンタルズの影響力

仮想通貨のファンダメンタルズの情報として、前述した6項目の情報を収集分析することが必要です。

新規上場などは上場前からネット上に予測や噂として情報が出ていたり、事前に上場される仮想通貨の母体となるプロジェクトと仮想通貨取引所が提携を結んでいたりします。最近では、CoincheckとEnjinプロジェクトが提携しその数ヶ月後にCoincheckがENJ(エンジン)を上場するなどしています。

また、株式市場や為替市場に大きな影響を与えたトランプ前アメリカ大統領のように、テスラ社のイーロン・マスク氏の発言が仮想通貨市場に与える影響が大きいことは周知の事実でしょう。イーロン・マスク氏の発言などは一般的なニュースで取り扱われますが、提携情報や政府による規制情報などは仮想通貨のニュースを専門に扱ったメディアなどで情報収集をする必要があります。

仮想通貨のファンダメンタルの中でも価格に影響を与えやすい項目が各国政府の規制関連などです。また、初心者の方には使いこなすのが難しいかもしれませんが、中級者以上になると是非とも使用したいデータがオンチェーン分析データです。

各国政府の規制関連など

前述の通り、各国政府の規制関連などは仮想通貨市場全体を動かす最も大きな要因となりえます。規制が行われる背景としては、各国において仮想通貨に関する法整備が追いついていないからです。

2021年10月執筆時点では、中国によるマイニング規制、世界最大の仮想通貨取引所であるBINANCEが10ヵ国以上の国から刑事訴追、警告、取引停止をされ、7月にはアメリカ最大の仮想通貨レンディング大手であるBlockFiが各州で問題となるなどしています。

反対に、エルサルバドルでビットコインが法定通貨として承認されるなど仮想通貨が国に受け入れられる方向性での決定や、ステラ・ルーメンがウクライナ政府のCBDCプラットフォームとして採用された事例など、大規模な採用につながる事案がその仮想通貨の価格上昇要因になる場合があります。

2-2. 主要なニュースソース

仮想通貨に関するニュースはどのようなところで入手すると良いのでしょうか?

当サイトを含めた仮想通貨ニュースがまず一つ。日本の仮想通貨メディアにはCOINPOSTやcoindesk JAPAN、コインテレグラフ等があり、日本における仮想通貨情報の一次ソースにもなっています。英語も読める方がいれば「The Block」という海外メディアも有益です。

そして仮想通貨取引所の中にはプロのアナリストによるマーケットレポートを発行している所もあります。代表例は国内暗号資産取引所bitbankの「マーケット情報(https://markets.bitbank.cc/)」で、以下の4つのカテゴリの情報が提供されています。

  1. 市況・相場分析
  2. 調査レポート
  3. ニュース速報
  4. 暗号資産の教科書

bitbank
①の市況・市場分析と②の調査レポートは1日に2~3本アップされ、bitbankで取引できる通貨を中心にマーケットアナリストによる調査やテクニカル分析など、プロ視点での客観的なレポート見ることができます。③のニュース速報は、 1日に数十本のタイムリーに配信されます。

仮想通貨関連のニュース速報を見られるサイトは数も少なく、かなり貴重な情報源です。

2-3. オンチェーン分析について

Glassnode
オンチェーン分析は仮想通貨特有の定量的なファンダメンタルズ情報です。対象となる仮想通貨のブロックチェーンに保存されているデータし、市場動向を探る分析手法です。オンチェーン分析を活用する事で、市場動向を分析するのに役立ちます。

ブロックチェーン上のトランザクションデータは全て保存され、透過的に誰でも見れる状態になっています。ウォレット毎の保有量もわかるので大口ウォレットの動きもアナリストによってウォッチされています。

対象アドレスで過去にどれくらいの取引量があったのか、どのアドレスに転送されているのかなど、ブロックチェーンに関係するすべての情報が蓄積されています。また、どれくらいの期間アクティブになっていないのかというデータも抽出することができます。これらのブロックチェーンに保存されたデータを解析することで、市場動向を探る分析手法をオンチェーン分析と言います。

ブロックチェーンのデータを手に入れることは、さほど難しいことではありませんが、それを解析するのは個人ではかなり難易度が高いものです。

そこでオンチェーン分析を専門に行なっているドイツのGlassnode(https://glassnode.com/)が提供しているデータがおすすめです。また、一部の分析データは仮想通貨取引において主流のチャートツールの一つであるトレーディングビューでも入手することもできます。

【関連記事】:【仮想通貨取引所の元トレーダーが解説】ビットコイン分析を行うときに有益なサイト3選

③仮想通貨トレードのテクニカル分析

次に仮想通貨トレードにおけるテクニカル分析について解説します。

テクニカル分析に関しては基本的に株式トレードやFXトレードと変わりはありません。しかし、仮想通貨の動きの特徴としてはそのボラティリティの高さにあります。その理由としては、前述の通り時価総額の低さと流動性の低さに関係しています。

仮想通貨に限らず株式においてもそうですが、金融商品は時価総額が低ければ低いほどボラティリティが高くなる可能性が高いと考えてください。また、時価総額が低い場合は少ない投資金額で大きな動きが起こることもあり、大口の投資家の動きに大きな影響を受けることもしばしばあります。

仮想通貨の動きに合わせたテクニカル分析を行うには、1つのトレードルールをすべての 仮想通貨に当てはめるのではなく、トレードしたい仮想通貨の過去チャートをよく見てその動きに合わせたトレードルールの設定が必要です。

3-1. 基本は株やFXトレードは同じ

仮想通貨はもちろん株、FX、CFDなどどのような金融商品であっても、最初に環境認識として現在の投資対象の値動きが上昇トレンドにあるのか、下降トレンドにあるのか、横ばいであるのか、をチャート上に線を描くことが重要です。

つまり、テクニカル分析における所謂「ライン引き」は仮想通貨トレードにおいても必須事項です。また、テクニカル分析に使用されるインジケーターは、「トレンド系」と「オシレーター系」に分けられますが、どちらも仮想通貨取引において有効に活用することができます。

トレンド系インジケーターは取引対象が現在どのようなトレンドにあるか判定し、買いか売りかのサインを得るための指標となります。FXトレードで一般的に使用されるインジケーターは移動平均線で、ついでボリンジャーバンド、一目均衡表となりますが、仮想通貨でも同様です。その他MACD 、パラボリック等、トレンド系のテクニカル分析のインジケーター関して、意味や売買サイン、使い方を習得されると良いと思います。

一方、オシレーター系のインジケーターは値動きの強弱を示すものです。どのような金融商品であれ、一方通行の相場はありません。上がるにしても下がるにしてもチャートはジグザグを形成しながら推移します。そのため「買われ過ぎ」ればいずれ売られ、「売られ過ぎ」ればいずれ買われます。それを数値化とグラフで表示してくれるのが、オシレーター系のインジケーターです。

仮想通貨取引においてはオシレーターが有効に作用しないほど価格の上下動が激しい場合があり注意が必要です。具体的な注意点に関しては後述します。オシレーター系のテクニカル分析のインジケーターに関しては、RSI、ストキャスティクス、DMI、オーサムオシレーター 、CCI、ウィリアムズパーセントレンジ等を順次習得されると良いでしょう。

3-2. 柔軟性が必要な仮想通貨トレード

流動性が非常に高く価格の安定しているFXトレードでは、チャートに「窓」が開くことは稀ですが、流動性が低く価格が不安定な仮想通貨トレードでは、短い時間足になればなるほど、窓が多くなる傾向があります。

インジケーターはある特定期間の情報を定められた数式に従って分析するものであるため、「窓」の多いチャートでは、表示がおかしくなり機能しないという欠点があります。

しかし、そのようなチャートでも、「日足」などの長い時間足のチャートでは有効に働くため、短い時間足でインジケーターが使えない仮想通貨の場合は、長い時間足のみインジケーターを用いて、短い時間足ではラインだけを使用するなどの工夫が必要です。

また、インジケーターの初期設定の数値と必ずしもその仮想通貨の値動きがあっているわけではないためパラメーターの調整もできるようになると良いでしょう。

3-3. テクニカル分析に関する情報源

テクニカル分析に関しては、株式投資やFXトレードと同じであるため、株やFXのテクニカル分析に関するサイトや書籍などを参考にされると良いでしょう。当サイトでも、筆者が度々テクニカル分析のインジケーターの解説をしてきたので、必要に応じてご覧になっていただくと幸いです。

【関連記事】:【元トレーダーが解説】移動平均線1本でビットコインのトレンドを把握する方法

④仮想通貨トレードの基本的な取引ルール

最後に、トレードする前段階で把握しておくべき仮想通貨トレードの基本的な取引ルールについて解説します。

一般的な現物取引の流れは、「口座開設」→「入金」→「取引」→「出金・仮想通貨の転送」です。ほとんどの仮想通貨取引所がインターネットを利用した取引をするため、入金をした後に販売所のページにアクセスをし、購入したい仮想通貨を選択し、数量を入力すると口座残高の範囲で仮想通貨の購入ができます。

取引のルールとしては、以下の項目が取引所により定められています。

  1. 取引時間
  2. 注文タイプ
  3. 注文有効期限
  4. 注文変更ルール
  5. 取引手数料
  6. 最小注文数量
  7. 最小注文単位
  8. 最大数量
  9. 最大注文数量
  10. 最大取引数量
  11. 最大保有量

各ルールの詳細は取引所によって違うため事前の確認が必要ですが、一般的に取引時間は365日24時間、注文タイプは成行か指値・逆指値となっています。最低注文数量や最大取引数量や最大保有数に関しては、同じ取引所でも通貨によって大きく異なります。

4-1. FXトレードとの相違点

取引ルールにおいて特に意識したい点としては注文数量と注文単位の最小値と最大値です。

最小注文数量はいくらの資金があれば、トレードができるのかということに関係があり、最大注文数量は一つのロットの最大限の大きさがわかるため、いくら以上だと分割してエントリーしなければならないということがわかります。

いずれもトレード戦略を立案する際や資金マネージメントをする際に必要となってくる情報です。

仮想通貨トレードを始める時点では大きな資金を動かすことはないかもしれませんが、資金が大きくなればなるほど上記の項目は大切になります。

⑤まとめ

仮想通貨トレードは特別なものではありません。現在、仮想通貨トレードを行っている多くのトレーダーは、株やFXの経験者が多く、その経験をうまく活かして仮想通貨トレードを行っています。仮想通貨トレードに必要な知識の取得と情報収集さえ怠らなければ、仮想通貨以上に魅力的な市場はないと言えます。

今回ご紹介したbitbankなどの情報を有効活用して、仮想通貨トレードをしてみてはいかがでしょうか?

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中島 翔

一般社団法人カーボンニュートラル機構理事。学生時代にFX、先物、オプショントレーディングを経験し、FXをメインに4年間投資に没頭。その後は金融業界のマーケット部門業務を目指し、2年間で証券アナリスト資格を取得。あおぞら銀行では、MBS(Morgage Backed Securites)投資業務及び外貨のマネーマネジメント業務に従事。さらに、三菱UFJモルガンスタンレー証券へ転職し、外国為替のスポット、フォワードトレーディング及び、クレジットトレーディングに従事。金融業界に精通して幅広い知識を持つ。また一般社団法人カーボンニュートラル機構理事を務め、カーボンニュートラル関連のコンサルティングを行う。証券アナリスト資格保有 。Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12