【仮想通貨投資の始め方講座】仮想通貨の長期投資の様々な運用方法

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2021年7月にアメリカの大手投資銀行であるゴールドマン・サックスは、同行と取引のある富裕層の資産運用を行うファミリーオフィス150余りのうち、15%がすでに仮想通貨に投資しており、45%が仮想通貨投資に関心があると発表しています。これは投資対象として仮想通貨の魅力が広範囲に広がっていることを意味します。

仮想通貨(暗号資産)投資では、ビットコインやイーサリアムに代表されるデジタル資産の取引を行い、利益を狙います。日本国内では主に金融庁に認可された仮想通貨取引所で取引を行う点で、株やFXと同様です。

仮想通貨の投資方法は短期投資と長期投資に大きく二分することができますが、今回は長期投資にスポットをあてて解説したいと思います。

目次

  1. 長期投資の様々な投資方法
  2. 仮想通貨の運用方法のメリット・デメリット
    2-1. 仮想通貨積立
    2-2. 仮想通貨のレンディング
    2-3. 仮想通貨のステーキング
    2-4. NFT投資
    2-5. イールドファーミング
  3. まとめ

①長期投資の様々な投資方法

仮想通貨の長期投資には複数の運用スタイルが存在しているため、まずは整理したいと思います。

仮想通貨の運用方法の種類

仮想通貨の長期投資を細かく区分すると以下のようになります。

  1. 仮想通貨積立
  2. レンディング
  3. ステーキング
  4. NFT投資
  5. イールドファーミング(流動性マイニング)

仮想通貨積立については、証券会社などが提供している株式積立や純金積立などと同じものですが、より柔軟な設定が可能です。他の4つについては仮想通貨独自の運用方法であり、追って解説します。ただイールドファーミングは、日本の規制の行き届かない分散型取引所(DEX)を使用するため概略のみご説明します。

②仮想通貨の運用方法のメリット・デメリット

仮想通貨積立

仮想通貨積立とは、指定した仮想通貨を一定間隔(毎月・毎週・毎日など)で一定の金額ずつ継続的に購入していく手法です。仮想通貨積立ができる取引所が増えてきており、代表的な取引所の積立サービスについてご紹介します。

まず、仮想通貨積立のメリット・デメリットとしては以下の点が挙げられます。

メリット デメリット
・ドルコスト平均法で購入ができる
・他の積立商品と同じ感覚で取引ができる
・何もする必要がない
・解約に制限がない
・積立期間中に価格変動リスクを追う

仮想通貨積立ができる取引所

①コインチェック
Coincheck
コインチェックは、東証プライム上場企業(マネックスグループ)のグループ会社であるコインチェック株式会社が運営している仮想通貨取引所です。使いやすさに定評がありスマホアプリは、2021年6月時点に累計ダウンロード数415万件を突破しています。

コインチェックでは「コインチェックつみたて」という名称で積立サービスを行っています。積み立て金額は1万円~10万円まで1,000円単位で設定でき、引き落とし用の銀行口座を指定しておくだけで入金から購入まで全て自動で行ってくれます。取り扱い通貨は、以下の通りとなっています。

取扱銘柄

26銘柄:ビットコイン、イーサリアム、リップル、ライトコイン、ビットコインキャッシュ、ベーシックアテンショントークン、ステラルーメン、モナコイン、ネム、クアンタム、エンジンコイン、リスク、IOST、SAND、ポルカドット、イーサリアムクラシック(一時停止中)、チリーズ、チェーンリンク、メイカー、エイプコイン、アクシーインフィニティ、イミューダブル、ポリゴン、ラップドビットコイン、アバランチ、シバイヌ

②GMOコイン
bitFlyer
GMOコインは東証プライム上場のGMOインターネット株式会社のグループ会社であるGMOコイン株式会社が運営する暗号資産取引所です。

GMOコインでは「つみたて暗号資産」という名称で積立サービスを行っています。積み立て金額は500円~最大50000円まで500円単位で設定でき、自身で決めた頻度(毎日 or 毎月)で、口座残高を使って自動的に購入を行います。取り扱い通貨は、以下の通りとなっています。

取扱銘柄

21種類:ビットコイン、イーサリアム、リップル、ライトコイン、ビットコインキャッシュ、ベーシックアテンショントークン、ステラルーメン、クアンタム、チェーンリンク、ポルカドット、エンジンコイン、テゾス、コスモス、エイダ/カルダノ、メイカー、ダイ、ドージコイン、ソラナ、ファイルコイン、ザ・サンドボックス、チリーズ

③bitFlyer

ビットフライヤー(bitFlyer)は2014年創業の独立系企業で、日本の主要メガバンク(SMBCベンチャーキャピタル、みずほフィナンシャルグループ、三菱UFJキャピタルなど)から出資を受けている国内でも有数の仮想通貨取引所です。

bitFlyerでは「簡単つみたて」という名称で積立サービスを行っています。1回あたり1円から100万円までの範囲で積み立て金額の設定をすることができます。積み立て頻度に関しても、①毎日1回②毎週1回③毎月2回(1日と15日)④毎月1回(1日~28日で指定)と4種類の設定方法が用意されています。取り扱い通貨は以下の通りで、豊富なラインナップとなっています。

取扱銘柄

32銘柄:ビットコイン、イーサリアム、リップル、ライトコイン、ビットコインキャッシュ、ベーシックアテンショントークン、ステラルーメン、モナコイン、ネム、チェーンリンク、イーサリアムクラシック、ポルカドット、リスク、テゾス、シンボル、ポリゴン、メイカー、フレア、ジパングコイン、シバイヌ、パレットトークン、ザ・サンドボックス、アバランチ、ザ・グラフ、レンダートークン、ダイ、チリーズ、エイプコイン、イミューダブル、アクシーインフィニティ、ディセントラランド、ドージコイン

仮想通貨のレンディング

レンディングとは、投資家が保有している仮想通貨を仮想通貨取引所に貸し出し、期間と貸付数量に応じた利息分を仮想通貨で受取れるサービスです。長期的な値上がりを期待して仮想通貨を保有し続けるつもりの投資家にとって、着実に資産(数量)を増やせる運用方法です。

レンディングサービスを提供する事業者は、「貸し手」と「借り手」を仲介する役割を担います。仮想通貨の借り手は仲介者に金利を支払い、手持ち資金の数倍の金額を動かせる「信用取引」に利用する、というのが貸仮想通貨の仕組みです。

投資家にとって、レンディングのメリット・デメリットは以下の通りです。

メリット デメリット
・トレードする必要なく仮想通貨の保有量を増やせる
・仮想通貨の価格変動以外にリスクが少ない
・銀行口座の預金よりも利率が高い
・持ち逃げなど不正が起こりにくい
・一定期間、仮想通貨の使用ができなくなる
・貸出期間中は価格変動リスクを負う
・貸出中に取引所の破綻リスクを負う
・途中解約ができない場合が多い

レンディングができる仮想通貨取引所と取扱通貨

①コインチェック
Coincheck
コインチェックの「貸仮想通貨」サービスではビットコインだけでなく、人気のアルトコインを含めた全ての仮想通貨に対応しています。

取扱銘柄

30銘柄:ビットコイン、イーサリアム、リップル、ライトコイン、ビットコインキャッシュ、ベーシックアテンショントークン、ステラルーメン、モナコイン、ネム、クアンタム、イーサリアムクラシック、エンジンコイン、リスク、シンボル、IOST、パレットトークン、SAND、ポルカドット、フィナンシェトークン、チリーズ、チェーンリンク、DAI、メイカー、エイプコイン、アクシーインフィニティ、イミューダブル、ポリゴン、ラップドビットコイン、アバランチ、シバイヌ

14日間・30日間・90日間・180日・365日間の5種類から貸出期間を選択でき、それぞれ1%~5%の年率が設定されています。最低1万円(相当)から利用でき、貸出上限は設定されていません。

②GMOコイン
bitFlyer
GMOコインの「貸暗号資産」は、1ヶ月(年率1%)プランと3ヶ月(年率3%)プランの2種類があり、最低10万円(相当)から利用できます。対応銘柄は以下の通りとなっています。

取扱銘柄

26種類:ビットコイン、イーサリアム、リップル、ライトコイン、ビットコインキャッシュ、ベーシックアテンショントークン、ステラルーメン、モナコイン、ネム、クアンタム、チェーンリンク、ポルカドット、エンジンコイン、シンボル、テゾス、コスモス、エイダ/カルダノ、メイカー、DAI、ソラナ、ドージ、FCRコイン、アスター、チリーズ、ザ・サンドボックス、ファイルコイン

GMOコインの場合、中途解約契約の自動更新ができ、貸付時または貸付中に「再貸出」を選択している場合、償還時に同じ条件で再度貸出できます。

③ビットポイント
仮想通貨取引所・販売所のBITPoint
ビットポイント(BITPoint)は、株式会社ビットポイントジャパンが運営する仮想通貨(暗号資産)取引所です。

ビットポイントでは「貸して増やす」という名称でレンディングサービスを行っています。対象通貨は6種類、最初数量、期間、料率は募集毎に決定されます。BITPointでは中途解約はできません。また、利用できる枠には制限があります。

取扱銘柄

22銘柄:ビットコイン、イーサリアム、リップル、ライトコイン、ビットコインキャッシュ、ベーシックアテンショントークン、トロン、エイダ、チェーンリンク、ポルカドット、ジャスミー、ディープコイン、IOST、クレイ、ポリゴン、シバイヌ、フレア、ゼノ、コスモス、トンコイン、ツバサガバナンストークン、オシトークン

仮想通貨のステーキング

ステーキングとは仮想通貨を条件に沿って一定期間保有することで、ネットワークセキュリティに貢献し、対価として報酬を得られる仕組みです。保有するといっても専用のウォレットなどを介して、各コインのネットワーク上に接続する必要があります。初心者にとってウォレットの設定はハードルが高いので、仮想通貨取引所のステーキングサービスを利用するのが一般的です。

なお、ステーキングに対応する仮想通貨はコンセンサス(合意形成)アルゴリズムに「プルーフ・オブ・ステーク(PoS)」を採用しているものに限られます。代表的なPoSコインには、イオス(EOS)、ポルカドット(DOT)、カルダノ(ADA)などがありますが、現時点で国内の取引所でステーキングサービスが利用可能なものはリスク(LSK)とテゾス(XTZ)のみです。

投資家にとって、ステーキングのメリット・デメリットは以下の通りです。

メリット デメリット
・投資家は何もする必要はない
・年間3~6%と定期預金よりも高い利回りが期待できる
・レンディングのように仮想通貨がロックされる期間がない
・必ずしも報酬が支払われるわけではない
・対象通貨そのものの価格変動リスクを負う
・対象の通貨が少ない

ステーキングができる仮想通貨取引所と取扱通貨

仮想通貨取引所のステーキングサービスでは、該当コインを一定量保有しているユーザーに取引所が得たステーキングリワードの一部を分配する形を取っています。ステーキングによる年率期待利回りは3%~6%と、定期預金や国債よりも遥かに良い水準となります。

ステーキングには保有している仮想通貨の価格の変動リスクがあります。仮想通貨全体の上昇を見込んで長期投資をする場合に、値上がりによるキャピタルゲインに加えて、ステーキング報酬を狙うことにになります。

ステーキングサービスが利用できる仮想通貨取引所のうち代表的な取引所はCoincheckとGMOコイン、bitFlyerとなります。

①コインチェック
Coincheck
コインチェックでは「LSK」(リスク)を対象としてステーキングサービスが行われており、コインチェックの口座で10LSKを保有するだけで、週単位で自動的に報酬が付与されます。

②GMOコイン
bitFlyer
GMOコインでは「XTZ」(テゾス)を対象としてステーキングサービスが行われており、GMOコインの口座で1日あたり平均で1XTZ(テゾス)以上保有するだけで毎月10日に自動的に報酬が付与されます。

③ビットフライヤー

ビットフライヤーではコインチェック同様に「LSK」(リスク)を対象としてステーキングサービスが行われており、LSKを保有するだけで自動的に報酬が付与されます。

NFT投資

最後はNFT投資です。NFT投資とはNFT(ノンファンジブルトークン)と呼ばれるトークンを購入し、そのトークンが値上がりした際に売却することでキャピタルゲインを得る方法です。アート作品やコレクターズアイテムへの投資と近い性質があります。

NFT投資のメリットとしては以下の点が挙げられます。

メリット デメリット
・コレクション収集の満足感が得られる
・短期間で値上がりをする銘柄も多い
・メタバース内で不動産運用も行える
・日本のマーケットが成熟しておらず売却が海外サイトで行うことが多い
・同じ銘柄が必ずしも同じ金額で売れるとは限らない
・スポーツ系のNFT銘柄では、選手のコンディションにより価格変動がある
・値上がりまでに時間がかかる場合がある

NFTの購入は、NFTマーケットプレイスで行われますが、NFTに投資できる取引所も出てきています。コインチェックのNFTマーケットプレイスでは、クリプトスペルズやThe Sandboxのゲームアイテムなどの購入ができます。

GMOコインでもNFTマーケットプレイス「Adam byGMO」を2020年8月にオープンしており、取扱い銘柄の拡大が期待されます。

NFTマーケットプレイスのローンチや日本国内で新規上場をする仮想通貨の先鋒となることも多く、様々なサービスを展開しているのがこの2社です。仮想通貨投資の幅を広げたい方は、口座開設だけでもしてみてはいかがでしょうか?

イールドファーミング

イールドファーミングは近年急成長を遂げているDeFiの運用方法の一つです。

イールドファーミングもレンディングの1種になりますが、DeFiのレンディングプラットフォームで運用する点が異なります。今までのレンディングは仮想通貨取引所が貸し手と借り手を仲介しました。DeFiではスマートコントラクトにより、借り手と貸し手がほとんどダイレクトに取引できます。

イールドファーミングの仕組みはこうです。貸し手がDeFiプラットフォームのスマートコントラクトにコインを預け(ロック)ます。引き換えに預かり証となるトークンが貸し手に交付されます。貸出期間中の金利が変動料率で蓄積され、コントラクトから資産を引き出す際にまとめて償還されます。

さらに、DeFiプラットフォームが「ガバナンストークン」を発行していれば、金利と併せて獲得できるので特に人気を集めています。代表例はCompound(コンパウンド)です。Compoundはイーサリアム上で稼働しているレンディングサービスであり、ユーザー間のトランザクションは全てスマートコントラクトで処理されます。Compoundで貸し借りを行うとCOMPというトークンが付与されます。Compoundは管理者不在で稼働しており、資料も全て英語です。国内事業者のサポート外なので、興味のある方はご自身で調べた上で、失っても問題ない少額から利用してみましょう。

まとめ

国内の仮想通貨取引所で投資の選択肢の幅が広がる取引所がコインチェックとGMOコインです。
NFTマーケットプレイスのローンチや日本国内で新規上場をする仮想通貨の先鋒となることも多く、様々なサービスを展開しているのがこの2社です。今回ご紹介した取引所は全て無料で口座開設ができるため、仮想通貨投資の幅を広げたい方は利用してみましょう。

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中島 翔

一般社団法人カーボンニュートラル機構理事。学生時代にFX、先物、オプショントレーディングを経験し、FXをメインに4年間投資に没頭。その後は金融業界のマーケット部門業務を目指し、2年間で証券アナリスト資格を取得。あおぞら銀行では、MBS(Morgage Backed Securites)投資業務及び外貨のマネーマネジメント業務に従事。さらに、三菱UFJモルガンスタンレー証券へ転職し、外国為替のスポット、フォワードトレーディング及び、クレジットトレーディングに従事。金融業界に精通して幅広い知識を持つ。また一般社団法人カーボンニュートラル機構理事を務め、カーボンニュートラル関連のコンサルティングを行う。証券アナリスト資格保有 。Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12