フェイスブックが計画を進めるステーブルコインのリブラについて、フェイスブック子会社が開発するデジタルウォレットが「カリブラ(Calibra)」から「ノヴィ(Novi)」に改称された。昨年の発表に続いて各国政府や規制当局に批判されたリブラプロジェクトだが、改称には規制準拠の姿勢が反映されている。
5月26日のリリースによると、ノヴィウォレットはリブラネットワークと同時期の立ち上げを目指している。政府発行の身分証で本人確認済みのユーザーは、フェイスブックのメッセンジャーやワッツアップ、及びスタンドアロンアプリでウォレットを操作してリブラを送金できる。ノヴィは顧客保護対策が施されており、詐欺防止機能が組み込まれ、チャット機能のカスタマーサポートが24時間年中無休で対応する。ノヴィウォレットは最初に複数か国で利用可能になり、国境を越えた送金を即座に安全に明確な手数料で処理する機能を備えるとしている。
ノヴィフィナンシャルはカリフォルニア州に本社を置き、フェイスブックの子会社ではあるが独立して運営される。名称は変更されたが、そのミッションに変更はないようだ。引き続き「世界中の人々が手頃な価格の金融サービスにアクセスできるようにする」ことにコミットしており、ノヴィウォレットが「誰にとってもお金をよりよく機能するようにする」と加えた。
「Novi」はラテン語の2つの単語、「Novus(新しい)」と「Via(道)」に由来している。リブラの共同創設者であり、子会社を率いるディビッド・マーカス氏によると、ノヴィはリブラを送信、受信、保護する「新しい方法」を提供する。マーカス氏はまた、昨年夏に発表したリブラプロジェクトが予想以上の混乱を招いたとツイッターで述べた。
今年4月にノヴィフィナンシャル(当時カリブラ)はアイルランドでの50人の新規雇用により、規制当局との対話やウォレットの詐欺防止プログラムの開発、及びカスタマーサポートに当たるチームの設立計画が明らかになった。同時期にリブラプロジェクトは計画を刷新させており、当初予定していた複数通貨のバスケットに裏付けられるリブラトークンに加えて、各国通貨に基づいた個別のステーブルコインを発行する方針を示している。
【参照PDF】Welcome to Novi

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