仮想通貨の代表として知られるビットコインとイーサ(イーサリアムの内部通貨)にはどのような違いがあるのでしょうか?ここではそれぞれの通貨の特徴や違いについて詳しく見ていきましょう。
イーサとビットコインの特徴
イーサの特徴
イーサはイーサリアムにおける内部通貨です。そして、イーサリアムとは取引の自動化を実現するために事前に組み立てられたプログラム(スマートコントラクト)を導入した分散型アプリケーション(DApps)開発のためのプラットフォームです。ヴィタリック・ブテリンによって2013年に開発され、ICOを経て実装されたプロジェクトとしても知られています。イーサはビットコインなどと同様に通貨としての役割をもつ他、スマートコントラクトを実行するための手数料「ガス(Gas)」としても利用されます。
ビットコインの特徴
ビットコインとは、銀行をはじめとする中央集権機関の管理を受けることなく、個人同士が自身のアドレスを用いて自由に支払いや送金をする目的で開発された世界初の仮想通貨です。ビットコインはサトシ・ナカモトと名乗る人物によって2008年11月にその構想が論文として発表され、サトシ・ナカモトをはじめとするさまざまな開発者によって開発が進められました。現在では、決済通貨としての側面を持ちながらも価値の保存手段として利用されることも多く、インフレの激しい国などでは自身の財産の保全のために利用されるケースも散見されています。
イーサとビットコインの違い
利用用途
イーサはDAppsのスマートコントラクトを動かすためのGASとしてのユーティリティトークン的な役割をもつため、現時点では通貨に発行上限がされていないことが特徴です。一方でビットコインは通貨としての考案・開発されたプロトコルで、中央銀行による金融政策によって起きる可能性があるハイパーインフレの懸念がその誕生や思想に密接に絡んでいます。そのため、ビットコインは発行上限が約2100万枚のデフレ通貨として設定されており、イーサリアムが目指すDApps開発プラットフォームとは目指すものが異なる点が最も大きな違いといえるでしょう。
ブロック生成スピード
イーサのブロック生成スピードが約15秒に対し、ビットコインではブロック生成スピードが約10分に設定されています。イーサはDAppsの普及により膨大なイーサが消費されることを想定しているため、ブロック生成の時間を短くし発行上限も少なくすることで対応が進められています。一方、ビットコインは通貨としての側面が強く、ブロックチェーンの分岐が起きる頻度を低減させながら余計なハッシュパワーを使うことを避けるために、長めのブロック生成時間が設定されています。
コンセンサスアルゴリズム
コンセンサスアルゴリズムはイーサとビットコインの違いを語る上でも外せないトピックの一つです。イーサは現在、ビットコインと同じPoW(Proof of Work:プルーフオブワーク)を採用していますが今後PoS(Proof of Stake:プルーフオブステーク)に移行する予定となっています。PoWは、取引の承認プロセスにおいて自由競争と経済インセンティブを施すことによって、ブロックチェーンの維持・管理を図る概念です。マイニングと呼ばれる膨大な計算によってブロックを生成し、トランザクションを承認することでトランザクションの信用性を担保しています。一方で、PoWは近年、その電力消費量が問題視され始めており、よりエコなコンセンサスアルゴリズムとして提唱されたのがPoSです。PoSでは。通貨の保有数と保有年数によって算出されるコインエイジによってマイニングが可能なため、PoWと比べ電気の消費量が減るというメリットがあります。もちろん、PoSにも課題は存在しており、どちらが正しいとは言えず、これからの開発に注目が集まっています。
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