ヒト型ロボットスタートアップの米フィギュアAI(Figure AI)は2月29日、シリーズB(資金調達ラウンド)で6億7,500万ドル(約1,000億円)を調達した(*1)。調達資金を元手に、ヒト型ロボットの商用展開の加速を目指す。米オープンAIと提携し、ヒト型ロボット用の次世代AIモデルを開発することも併せて発表した。
今回の投資ラウンドには、マイクロソフト、エヌビディア、オープンAIやジェフ・ベゾス氏が運営するファンドなど参加した。さらに、インテルのベンチャーファンドやキャシー・ウッド氏が率いるアーク・インベストメント・マネジメントなども加わった。フィギュアAIの評価額は6億7,500万ドルとなる。
今回の出資を受け、AIトレーニングやロボット製造、エンジニアリング人員の拡大、商業展開の加速を図る。また、オープンAIとの提携は、ヒト型ロボットが言語を処理し推論する能力を強化することで、商用展開を加速させる狙いがある。
フィギュアAIは、2022年に創業した自立型汎用ヒト型ロボットを開発するスタートアップだ。ボストン・ダイナミクス、テスラ、グーグル・ディープマインド、アーチャー・アビエーションのAIロボット工学のトップ・エキスパートを擁する。
フィギュアAIが開発した見た目も動きも人間のような汎用ロボット「Figure 01」は、労働力不足が最も深刻な製造業、物流倉庫業、小売業での仕事に対処することを目指す。同社の究極の目標は、Figure 01が日常的な作業を自律的にこなせるようになることだ。
そのためには、より堅牢なAIシステムを開発する必要がある。AI開発、トレーニング、ストレージにはマイクロソフト・アジュール(Azure)を活用する。
フィギュアAIの創業者兼最高経営責任者(CEO)であるブレット・アドコック氏は「我が社のビジョンはヒト型ロボットをできるだけ早く商用展開することだ。この投資は、オープンAIやマイクロソフトとのパートナーシップと相まって、人類に変革的なインパクトを与えるエンボディドAI(身体性を有するAI)を世に送り出す準備を万全にするものである」と述べた(*1)。
24年1月には、独自動車メーカーBMWと、自動車生産における汎用ロボットの導入に関する商業契約を締結したことを発表している(*2)。
【参照記事】*1 PR Newswire「Figure Raises $675M at $2.6B Valuation and Signs Collaboration Agreement with OpenAI」
【参照記事】*2 PR Newswire「Figure announces commercial agreement with BMW Manufacturing to bring general purpose robots into automotive production」
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