多くの投資家は、自身の価値観に合う企業に投資したいと考えている。最新の「Wells Fargo/Gallup Investor and Retirement Optimism Index survey(ウェルズ・ファーゴ・ギャラップ投資家及び退職見通し指数調査)」によれば、米国投資家の4人のうち3人は、サステナブル投資について、ほとんど聞いたことがない、あるいは、全く聞いたことがないと答え、サステナブル投資の知識がないことがわかった。
これは、一つには、金融専門家、家族、友人、メディアが、サステナブル投資情報を提供していないことに起因する。米国投資家のうち24%は投資情報を自分で調査している。
他方で、情報を得ている投資家は、サステナブル投資から市場平均と同じか、それより高いパフォーマンスを得られると期待している。それだけでなく、71%の投資家は自分の価値観に合う企業の株式やファンドに投資したいと回答している。
ウェルズ・ファーゴ投資研究所グローバル・アセット・アロケーション戦略本部長であるTracie McMillion氏は、「今、我々が把握しているサステナブル投資に対する投資家の需要はほんの氷山の一角に過ぎない。米国投資家は個人的嗜好に一致する投資を望んでいる。現在、サステナブル投資情報が十分でないが、投資家の意識が高まるにつれて、市場は成長する。」と述べた。
調査結果によれば、25%の投資家はサステナブル投資についてかなり情報があり、38%は、情報が少なく、37%は、情報が全くないと回答した。12%の投資家は、個人的な投資アドバイザーから、9%は、ファンド・マネージャーから情報を得ている。401(k)加入者の4%は、勤務先の401(k)プログラムを通じてサステナブル投資の情報を得ている。
現在、投資家がサステナブル投資ファンドを利用していない最大の理由は、情報がないためだ。サステナブル投資を行っていない投資家のうち約半数(47%)は、十分に知識がないと回答し、34%は投資パフォーマンスが不安だから投資していないと答えた。また、37%は、担当の投資アドバイザーや401(k)プランがサステナブル投資を勧めなかったことが理由だと答えた。
ウェルズ・ファーゴ・ギャラップ投資家及び退職見通し指数調査は、2月10日から16日にかけてオンラインで実施された。調査対象となった投資家の9人に1人が、サステナブル投資ファンドに投資していると答えた。この調査は、1万ドル以上を株式や債券に、個人的にあるいは、退職基金や投資信託に投資する米国の成人1,029人を対象に行われた。
投資家の半数は、サステナブル投資に興味がある
サステナブル投資について説明を受けた米国投資家のうち、29%はあまり興味がなく、18%は全く興味がないと答えた一方で、52%は大変興味がある、あるいは、興味があると答えた。概ね投資家は、サステナブル投資にまとまった資金を26%程度、配分したいと答えた。
さらに、3分の2の被雇用者は、もし、勤務先が提供するなら、サステナブル投資ファンドを401(k)に組み込むだろうと答えた。そして、401(k)プランの選択肢にサステナブル投資ファンドがあれば、44%の被雇用者は、勤務先を肯定的に評価すると答えた。
ウェルズ・ファーゴ・アセット・マネジメント社サステナブル投資部門グローバル部長 Hannah Skeates氏は、「この調査結果は、投資家が、サステナブル投資に関する情報と、嗜好に合う投資を必要としていることを明らかに示している。我々は、サステナブル投資に関連したサービス提供を強化するチャンスだと捉えている。」と述べた。
実際に、投資家は、サステナブル投資ファンドのパフォーマンスがよいと考えている。市場平均と同等の利回りを得られると期待する投資家は、69%を占め、これは、市場平均を下回ると予想する投資家24%を大きく上回る。このほか7%の投資家は、市場平均よりも高い成果を得ると見ている。
【参照サイト】Wells Fargo: Investors Want More Information on Sustainable Investing
HEDGE GUIDE編集部 ESG・インパクト投資チーム
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