株式会社三井住友銀行(以下SMBC)は11日、国際資本市場協会(International Capital Market Association、以下ICMA)が公表している「ソーシャルボンド原則」等に基づき、SDGs(持続可能な開発目標)ソーシャルローンの取り扱いを不動産投資信託(REIT)向けに開始すると発表した。
顧客のESG/SDGsへの取り組みサポートを目的としたもので、第一号案件として、東証 J-REIT 市場上場のヘルスケア&メディカル投資法人に対し2月1日付でSDGsソーシャルローンの実行を予定している。貸付額は55.5憶円で、調達資金は有料老人ホームや病院の取得に充てられる。ICMAが策定した原則に基づくソーシャルローンを調達する日本初のケースとなる。
SDGsソーシャルローンは、SMBCが資金使途の対象となる事業について、ICMAが公表している「ソーシャルボンド原則」及び「グリーンボンド及びソーシャルボンド:SDGsに照らしたハイレベルマッピング」などに基づき、ソーシャルファイナンスの要件を充足していること、あるいはSDGsとの関連性について確認するとともに、顧客と連携して外部評価機関である株式会社日本格付研究所から評価を取得したローン。
ESG情報を考慮して投資を行う手法であるESG投資は、株式や債券のみならずローンにも広がっている。既に、環境分野ではローン市場協会から再生可能エネルギーなどのグリーンプロジェクトを対象とする「グリーンローン原則」が公表されるなど、基準作りも進む。2018年7月に環境省が主催する ESG金融懇談会が公表した提言においても、ESGやSDGsへの貢献を資金使途としたESG融資の促進が盛り込まれている。
SMBCのソーシャルファイナンスの要件は、ICMA の公表する「ソーシャルボンド原則」に記載されている①調達資金の使途②プロジェクトの評価と選定のプロセス③調達資金の管理④レポーティングの4点を充たしていることに加え、外部評価機関から評価を取得していること。今回の取り扱い開始にあたり、「ESG/SDGs への取り組みが重要な経営課題となる中、SDGsソーシャルローンの提供を通じ、持続可能な社会への貢献、および顧客のESG/SDGsへの取り組みを積極的にサポートしていく」としている。
【関連サイト】株式会社三井住友銀行「SDGsソーシャルローンの取扱開始について」
HEDGE GUIDE編集部 ESG・インパクト投資チーム
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