SIIF、富裕層におけるフィランソロピー活動実態をまとめた報告書発表。国内初

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一般財団法人社会変革推進財団は9月16日付で調査報告書「新しいフィランソロピーを発展させるエコシステムに関する調査~富裕層の意志ある資産を社会に生かす~」を発行、ウェブサイトで公開している。グローバルに発展している「新しいフィランソロピー」を、日本の富裕層が中心となって実践していく上で求められるエコシステム(環境、仕組み、プレイヤーなど)、内外の文献調査と日本の関係者に対するインタビューを通じて明らかにすることを試みている。富裕層におけるフィランソロピー活動の実態をまとめた報告書は国内初となる。

SDG’s(持続可能な開発目標)の普及によって、フィロンソロピーも社会課題の解決策のひとつとして注目を集めている。しかし、日本では「慈善活動」「社会貢献」といった印象が強い。SIIFは、新しいフィランソロピーを「多様な資金提供手法と活動を駆使して社会的インパクトの実現を目指すフィランソロピー」と定義。これは、寄付・助成だけでなく社会性と経済性の両方を追求するインパクト投資や融資などの手法を積極的に活用しようという点で、伝統的なフィランソロピーとは異なる。一方、世界の富裕層の総資産は74兆ドルと言われて、その4%がSDGs関連の投資に向かえば、SDGs目標達成のための資金ギャップは解消される。また、富裕層の多くはビジネスでの成功体験も豊富であり、ビジネスの視点を社会課題解決のために活かすことができる。SIIFは富裕層が担う役割は重要と考え、資料作成に着手した。

報告書は第1章「進化するグローバル・フィランソロピーと富裕層の役割」第2章「新しいフィランソロピーのエコシステム」第3章「日本のフィランソロピーの現状と課題」第4章「日本における新しいフィランソロピー」第5章「新しいフィランソロピーのエコシステム構築に向けて」という構成。このうち、第2章の新しいフィランソロピーのエコシステムでは、海外における富裕層のフィランソロピー活動についての既存の調査結果を概観、富裕層のフィランソロピー活動のプロファイリングを試みている。これを踏まえ、新しいフィランソロピーのエコシステムに重要な「寄付・投資ビークル」「アドバイザリー・サービス」「支援ネットワーク」の3点を事例と共に分析している。

第4章「日本における新しいフィランソロピー」は日本で新しいフィランソロピー活動に取り組んでいる起業家、金融関係者、ファミリー・ビジネス関係者などを紹介。池森ベンチャーサポート合同会社代表の池森賢二氏、株式会社LIFULL 代表取締役・社長執行役員の井上高志氏ら7人が掲載されている。

【関連サイト】SIIF『国内初調査報告書「新しいフィランソロピーを発展させるエコシステムに関する調査~富裕層の意志ある資産を社会に生かす~」発行

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HEDGE GUIDE編集部 ESG・インパクト投資チーム

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