「Internet of Value(価値のインターネット)」の実現を目指すRipple(リップル)は10月1日、ブロックチェーン業界で初めて、2030年までにカーボンネットゼロ(二酸化炭素排出実質ゼロ)を達成する計画を公表した。リップルは同日、この目標の一環として、カーボンニュートラルな未来に向けて、あらゆるブロックチェーンの脱炭素化を可能にするオープンソースツールの立ち上げなど、世界の金融業界をリードする取り組みを発表している。
2050年までに二酸化炭素排出実質ゼロを達成するため世界が一丸となって取り組む中で、サステナビリティに対する取り組みは優先事項となっている。ブロックチェーンや暗号資産などの金融技術は、世界の金融機関が持続可能な未来に向けた取り組みを推進する上で重要な役割を担っており、新たな調査によると、現在から2023年までの期間が暗号資産の採用拡大において最も重要な時期であることが示唆されている。世界のデジタル化が進む中、フィンテックの持続可能性を確保することは、より一層重要になってきています。リップルは、REBA(再生可能エネルギー購入者連合) やロッキーマウンテン研究所などの戦略的技術・保護団体と協力し、この取り組みを牽引していく計画だという。
ロッキーマウンテン研究所のCEOであるJules Kortenhorts氏は、次のように述べている。「金融業界は、今後業界全体で二酸化炭素排出量ゼロを達成する上で重要な推進力となっています。ブロックチェーンとデジタル資産は変革をもたらすテクノロジーであり、金融の未来において極めて重要な役割を果たすことになるでしょう。リップルは、フィンテックが銀行や消費者にとって革新的なものであるだけでなく、環境の面でも有益であり、持続可能な未来を構築するために不可欠であることを実証すべく、この取り組みを推進しています。」
リップルは、エネルギーウェブ財団とのパートナーシップにより、EW Zeroを共同開発している。EW Zeroは、ローカル市場における再生可能エネルギーの購入を通じて、あらゆるブロックチェーンプロジェクトの、ブロックチェーン上のエネルギー消費の脱炭素化が可能となる新しいオープンソースのツール。XRP Ledger財団は、EW Zeroの最初のユーザーとなり、XRP Ledger上でのエネルギー消費に対するオフセットを購入することが決まっている。
リップルのCEOであるBrad Garlinghouseは、次のように述べている。「ブロックチェーンと暗号資産の導入が加速していることは喜ばしいことですが、金融業界の未来が持続可能なものになるよう、我々の取り組みを常に評価していく必要があります。デジタル決済が進化し続ける中、デジタルトランスフォーメーションが環境に悪影響を与えないよう、金融業界は長期的なシステム転換を行う必要があります。リップルはこの変革をリードし、すべての暗号資産プレイヤーに対して、エネルギー消費を監視して、地球に優しい選択を行い、説明責任を果たすように働きかけています。」
リップルは、金融業界における持続可能な未来の実現に向けて、2030年までに二酸化炭素排出実質ゼロを達成することを約束している。同社はこの期間内に、以下の計画を立てている。
- カーボンフットプリントを総合的に測定・削減し、リップルの拠点がある地域、従業員を抱えている市場でクリーンかつ再生可能なエネルギーを購入する
- 二酸化炭素排出をすべてなくすという目標実現に向け、革新的な炭素除去技術に投資を行う
- 革新的な環境保護団体や学術機関とのパートナーシップを拡大する
二酸化炭素排出量削減に向けて、業界全体で持続可能な取り組みを導入することで、2030年までに全世界で26兆ドルを節約できると推定されている。同社はフィンテック技術の普及に伴い、金融業界におけるカーボンニュートラルな未来の実現において、フィンテックが担う役割も拡大していくとしている。
【参照サイト】REBA(再生可能エネルギー購入者連合)
【参照サイト】ロッキーマウンテン研究所
【参照サイト】エネルギーウェブ財団
【参照サイト】EW Zero
【参照サイト】NCE 2018
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HEDGE GUIDE 編集部 Web3・ブロックチェーンチーム
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