SIIFが「新しいフィランソロピー事業」本格始動。戦略策定から成果測定まで支援

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一般財団法人社会変革推進財団(SIIF)は4月19日、「新しいフィランソロピー事業」を本格始動すると発表した。フィランソロピーは、具体的には民間が公益のために行うボランティア活動、特に企業体の(寄付を含む)社会貢献活動を指す。SIIFでは、特に個人資産を活用したフィランソロピーへの参加を促し、フィランソロピー戦略の策定から資金提供のメニューの設計、フィランソロピー活動の成果の測定までを支援する「フィランソロピー・アドバイザリー」事業に注力していく。

日本は、世界で最も早いタイミングで少子高齢化を迎え、また複雑な社会課題の構造により、公的資金の不足が喫緊の課題となっている。一方で、「100万ドル以上の投資可能資産を保有する富裕層数は世界で2番目に多いが、環境・社会課題の解決に振り向けられる個人資産額は、欧米を中心とする先進国と比較して、著しく少ない」とSIIFは指摘する。

SIIFでは、これらの環境・社会課題解決の資金不足の解消の糸口として、個人資産をフィランソロピー活動に活用する方向性を探り、20年、海外における個人資産のフィランソロピーの現状を把握するための調査を行った。結果、「環境・社会課題の構造的な解決を目指し、寄付から投融資まで柔軟な資金提供を用い、また、活動の成果である社会的インパクトを計測する先進的な海外のフィランソロピー活動の姿が浮き彫りになった。さらに、その活動を実現する背景として、これらを支援するエコシステムの存在が確認された」という。

調査結果を受け、SIIFは日本における「新しいフィランソロピー」のエコシステムを形成するため、公益財団の事業戦略策定や個人の資産管理会社へのインパクト志向の寄付・投資の提案、事業会社の社会的インパクト測定の支援を開始。同時に、フィランソロピー活動に関心を寄せる個人投資家や起業家等、また、彼らの資産を守る金融機関や士業関係者への啓発活動を本格的に始動することを決めた。

新しいフィランソロピー事業の始動に向け、特設サイトを開設した。サイトでは、フィランソロピー活動を希望する個人投資家や、彼らを支える金融機関や士業関係者を対象に、日本で活躍するフィランソロピストや、社会課題の解決に取り組む非営利組織や社会的企業の紹介、国内外の最新フィランソロピー動向の発信に活用する。

【関連サイト】SIIF「新しいフィランソロピー事業」特設サイト