国内大手出版社の集英社は、マンガアート販売事業の一環として、人気マンガONE PIECEの活版印刷作品「The Press」の販売を9月25日に開始した。
集英社は、マンガアート販売事業である「SHUEISHA MANGA-ART HERITAGE(SMAH)」を3月に発表していた。国内ブロックチェーン開発企業スタートバーンの提供するブロックチェーン証明書サービス「Startbahn Cert.」を活用している。
SMAHでは、マンガ作家の作品に美術品としての永続的な価値を与えることを目的とした新事業だ。作品の価値を決める情報をブロックチェーンに記録することで、マンガ作品の持つアートとしての価値を訴求する仕組みとなっている。
SMAHによって販売された作品には、Startbahn Cert.による専用の証明書が梱包されるという。購入者は、証明書に記載のコードをスマートフォンで読み込むことにより、その作品の作家や来歴、流通などの情報がわかる。
これまでに、「ONE PIECE」や「ベルサイユのばら」、「イノサン」といった人気作品がSMAHを通して販売されてきた。今回はその中からONE PIECEのコミックス100巻発売を記念して活版印刷作品を抽選販売する。
具体的には、これまでに公開されてきた全1,000話の中から名シーンをセレクトし、現在では希少になった1960年代製のハイデルベルク大型活版印刷機でプリントするという。この手法は、活版印刷に特化してその表現が進化してきたマンガの歴史に敬意を表すシリーズとのことだ。
集英社は、経年変化に弱いマンガ原画をどう残していくかという問題に長年直面していたという。マンガの数が増えるにつれて大量の原画が未整理の状態で溜まっていく一方で、収蔵を行う公共機関は限られるようだ。
この問題を解決すべく、デジタルテクノロジーとりわけブロックチェーンに期待しているという。集英社は、マンガアート販売事業について「我々は2008年から、マンガのカラー原画を高精細でスキャン、撮影し、作品情報とともにアーカイブしてきた。その資産を、世界に向けて送り出そうと思う。」と言及している。
【参照記事】集英社マンガアートヘリテージ、尾田栄一郎『ONE PIECE』活版印刷作品を販売開始
株式会社techtec リサーチチーム
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