英シェルと中国BYD、EV充電強化など戦略的提携。社用車のCO2排出量実質ゼロを目指す。

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英石油大手シェル(ティッカーシンボル:SHEL)と中国の電気自動車(EV)大手である比亜迪(BYD、01211)は3月24日、エネルギー・トランジション(#1)の推進にくわえ、BYDのバッテリー式電気自動車(BEV)およびプラグインハイブリッド(PHEV)のチャージングエクスペリエンス(EV充電器のアクセス性など)を向上させるべく提携した(*1)。まずは中国と欧州で協業をはじめたのち、世界各地へ事業展開を図る。

提携を通じ、BYDのBEV・PHEVを利用する個人および法人顧客に対し、シェルが構築した27万5,000か所の充電ポイントへのアクセスを提供する。BYDの欧州顧客を対象に、フリートソリューションとバスターミナルでの充電サービスも共同で開発する。

また、両社は家庭用蓄電池やV2G(#2)充電など、家庭用エネルギーソリューションを世界中のさまざまな地域で提供することを模索する。欧州顧客に脱炭素化プログラム「アクセレート・トゥ・ゼロ(A2Z)」へ参画を呼びかけ、社用車の二酸化炭素(CO2)排出量を実質ゼロにすることを目指す。EV搭載電池の性能や高機能充電分野でグローバルに共同で研究開発も行う方針である。

中国ではEV充電ネットワーク開発を目的とした合弁会社を設立する計画。深センで1万か所を超える充電ポイントを設置する予定であり、その後中国の他の地域でも設置を拡大する意向だ。シェル中国のエグゼクティブ・チェアマンを務めるジェイソン・ウォン氏は、中国はEV分野のグローバルリーダーであると指摘。21年はEVとPHEVが前年比約160%増の350台以上販売されたという(*1)。

シェル・モビリティ部門のグローバル・エグゼクティブバイスプレジデントを務めるイストバン・カピタニ氏は、当社は中国でのモビリティ事業の拡大と、EVへのシフトによってドライバーの脱炭素化を手助けするという大きな野心を持っていると述べた(*1)。BYDとともに、できるだけ速く、利便性が高く、快適なチャージングエクスペリエンスを提供したいと付け加えた。

(#1)エネルギー・トランジション…従来の石炭や石油などの化石燃料を中心とするエネルギー構成から、太陽光や風力などの再生可能エネルギーを中心としたものに大きく転換していくこと。

(#2)V2G…EVに蓄えられた電力を大手電力会社が管理する電力網に供給する技術。

【参照記事】*1 シェル「Shell and BYD partner on EV charging across China and Europe

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HEDGE GUIDE編集部 ESG・インパクト投資チーム

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