米SEC、カンファレンス会場で召喚状を手渡し、規制強化の憶測呼ぶ

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暗号資産分析企業Messariの主催するカンファレンス「Mainnet 2021」に、米証券取引委員会(SEC)が召喚状を持って現れたことが9月21日にわかった。カンファレンス登壇者に対して規制に関する警告を与えたとされている。

MessariのCEOであるRyan Selkis氏によると、ニューヨークで開催された大型カンファレンスにて、SECの関係者が会場へ無断で入り、一部の登壇者に対して召喚状を手渡したという。対象となった人物は複数いるといい、普段は米国外におり接触できるタイミングがないことから、米国にいるカンファレンス登壇のタイミングを利用したとのことだ。

米メディアThe Defiantによると、米国の暗号資産コミュニティでは、召喚状を受け取った人物が誰であるか憶測が飛び交っていたという。最も多く名前が上がったプロジェクトはTerraだったようだが、共同創業者のDo Kwon氏はこれを否定している。また、Polkadot創業者のGavin Wood氏の名前も候補にあがっていたという。

Selkis氏は、今回の出来事を受けて、2024年の米国上院議員選挙に立候補する意向を発表した。昨今のSECによる度重なる規制強化の動きを受けて、自らこの流れを抑止すべく取り組む構えだ。

バイデン政権になって以降、SECは暗号資産への規制を積極的に強化する姿勢を見せている。ビットコインとイーサリアム以外の暗号資産は全て有価証券に該当する可能性がある考えを示し、2020年末から2021年にかけて、有価証券に該当する可能性のあるXRPを独占販売したとしてリップル社を提訴するなどしてきた。

また、9月8日には暗号資産取引所Coinbaseが提供予定だったレンディングサービスを提訴し、事業撤退にまで追い込んでいる。9月14日には、委員長のGary Gensler氏が、暗号資産取引所はSECへの届出が必要になる可能性が高いと発言した。

いずれも、ビットコインとイーサリアム以外の暗号資産は有価証券に該当する可能性が高いため。それらを取り扱うのであればSECの管理下に入るべきとの見解だ。

【参照記事】Talk of SEC subpoena swirls at New York crypto event as regulatory scrutiny grows
【参照記事】Messari Founder Announces Senate Run as SEC Shadow Hangs Over Mainnet Conference

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株式会社techtec リサーチチーム

「学習するほどトークンがもらえる」ブロックチェーンのオンライン学習サービス「PoL(ポル) 」を運営。日本発のブロックチェーンリーディングカンパニーとして、世界中の著名プロジェクトとパートナーシップを締結し、海外動向のリサーチ事業も展開している。Twitter:@PoL_techtec