米国証券取引委員会(以下SEC)は、ビットコインをはじめとした仮想通貨に投資する上場投資信託(ETF)数社の承認を見送った。今月18日、2社に送った書簡のなかで、仮想通貨関連の投資は、投資家保護や安全性の観点から現時点でSECの法規に適合しているとは言えないとの見解を示している。
書簡のなかで、同委員会は従来の証券市場に比べて投資家保護の体制が十分でない仮想通貨市場において、操作や詐欺の可能性に触れている。また、日々激しく変動する仮想通貨の価格を各ETFが正確に反映できるのかといった点も懸念している。各日の終わりに各社はその保有資産を確定しなければならないが、仮想通貨取引の場合はどの価格を使うべきか、そしてブロックチェーンの分岐が起きたときにどうするべきかなどの基準が不明確なため、確定がしづらい。
また、受益者が保有資産を換金するために流動資産を確保する必要があるが、仮想通貨ではこの流動性にも問題が生じる可能性があると見ている。
今回の報道は、各金融会社の予想とは大きく異なった。昨年12月に大手のCBOEとCMEがビットコインの先物取り引きを始め、それに続く形でビットコインETFが次々に上場することで、新規の個人投資家や機関投資家などの参入が見込める。そしてビットコインがさらなる発展を遂げる、と期待が広がっていたのだ。
SECは現在、14件のビットコインETF関連の申請を保留している。仮想通貨の承認は時期尚早なのか。今後も注意深く見ていきたい。
【参照サイト】Staff Letter: Engaging on Fund Innovation and Cryptocurrency-related Holdings
【参照サイト】米証券取引委員会がビットコインETFの合法性を疑問視
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