今月20日、「価値のインターネット」が実現すると人々の日常がどう変わるのかを説明する記事がリップル社から発表された。「価値のインターネット」とは同社がかねてから掲げているビジョンのことで、今日情報がウェブ上を自由に行き来するように、お金のやり取りを安く、迅速に、簡単に、世界のどこでも行えるようにすることを目指す。支払いの仕組みを大きく変え、いわば金融の民主化を推し進める概念だ。
支払いの仕組みを変えると聞くと、スマートウォッチをかざして自販機で飲み物を買ったり、アプリを使ってその場で割り勘ができたり、といったテクノロジーがすでに実現していると思うかもしれない。だが、これらの例はあくまでも支払いに使うデバイスのイノベーションであり、部分的な変化に過ぎない。同社は支払いのインフラを根本から変え、特に国境を超える金銭のやり取りを全く新しいものにしようと挑戦している。
では、「価値のインターネット」が実現するとどういう毎日が待っているのだろうか。例えば、あなたがプロテインバーをコスタリカの企業から注文したいとしよう。その場合、専用のアプリが支払いをコスタリカ・コロンで済まし、その企業はアマゾンのドローンで品物を配達するよう手配する。あなたの設定に応じて、アマゾンは例えば米ドルで配送料を引き落とすことが可能だ。
他の例も見てみよう。あなたが海外に赴くとき、直前になってWi-Fiの手配を忘れていたことに気付いたする。その場合でも心配はいらない。iPadでもラップトップでも、電源を入れれば自動的に現地のサービスプロバイダに繋がり、彼らが指示する通貨で支払いを済ませられる。その他にも、「価値のインターネット」が実現すればマイクロペイメントを速やかに行えるようになる。
これらの例からわかるメリットとして、「価値のインターネット」はお金を情報のように素早く送れるのはもちろんのこと、複数の通貨をまたぐ場合でも直ちに支払いができる。今同じやり取りをしようとすれば、資金が相手側に到着するまで、さまざまな金融機関を経由することによって数週間かかることもあり得るだろう。
世界経済を根本から変える可能性を秘めている「価値のインターネット」だが、このビジョンを実現するためにはリップルに賛同する多くの参加者が必要となる。あるひとつの企業だけで「価値のインターネット」を構築することはできず、ウェブの黎明期がそうであったように、あらゆる組織の協力が必要となる。リップル社は自社の役割を果たすことに意欲的であり、また、他の製造業者や金融機関などと共に働くことに前向きな姿勢を示した。
【参照記事】A Vision for the Internet of Value
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