事務機器製造メーカーであるリコーと産業用セラミックメーカー日本ガイシは11月12日、再生エネルギーの発電から消費、余剰発電への充放電に至るまでのプロセスを追跡する「再エネ流通記録プラットフォーム」の実証実験を開始すると発表している。
実証実験で採用されるブロックチェーン基盤のプラットフォームは、2021年日本ガイシと恵那市、中部電力カミライズ株式会社との共同で設立された地域新電力企業「恵那電力株式会社」とリコーにより開発された。
天候などによって発電量に変動のある再生エネルギーは、最大限かつ効率的に活用するための課題を抱えている。実証実験ではこうした課題をクリアするため、再エネの発電と需要家の消費をリアルタイムでトラッキングし余剰の再エネを確実に充電、地域の再エネ比率と地産地消率を最大化することを目指す他、異なる配電網へ再エネの余剰電力を融通し効率化を図るための実証を行う予定だという。
リコーと日本ガイシは、本実証実験で再エネ利用の効率化と簡易化を目指すとともに、再エネ導入の最大化に寄与することで2050年のカーボンニュートラルの実現を目指している。リコーらは今後、蓄電池やPVなどの設備の採用時に、恵那電力の設備との遠隔連帯によるトラッキングも検証していきたいとしている。
リコーは2018年、100%再生エネルギーによる事業活動を推進する国際的イニシアチブ「RE100」に日本で初めて参加した企業だ。同社は2030年を目処に、自社から排出される温室効果ガス(GHG)「スコープ1」と間接的に排出されるGHG「スコープ2」を2015年比の63%削減、同社のサプライチェーンにおけるGHG「スコープ3」で2015年比で20%削減することを目標として掲げており、国際的なイニシアチブであるSBTイニシアチブから「1.5℃」基準の認定を受けている。
【参照URL】日本ガイシとリコー 再エネトラッキングの実証事業を開始へ

HEDGE GUIDE 編集部 Web3・ブロックチェーンチーム

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