リバー株式会社東松山事業所(埼玉県比企郡)はこのほど、都市鉱山から回収される電子スクラップ(家電基板・情報通信機器類)を主な対象とした新工場を2022年4月に稼働すると発表した。
同工場の敷地面積は2,494平方メートルで、電子スクラップと基板の処理数量は毎月700トンを想定している。電子スクラップの破砕量は日本最大級で、入荷した電子スクラップは100%リサイクルする予定だ。新工場の屋根には太陽光パネルを設置し、施設稼働に必要な電力のうち約26%を再生可能エネルギーで運営するとしており、CO2排出量削減・カーボンニュートラルの実現を目指す意向だ。
同工場は、リバーグループの中田屋熊谷工場で実施している高セキュリティ電子機器類の手解体ラインと連携し、解体後の基板を破砕・濃縮の役割分担を強化する計画だ。東松山事業所で電子スクラップを破砕し、鉄・アルミを選別したあと「金銀銅滓」として国内大手精錬所へ出荷する。リバーグループが従来から強みとしている産業廃棄物(什器類・衣料品リサイクル・混合廃棄物)などの回収・受入れも強化するとしている。
リバー株式会社は、カーボンニュートラル実現・サーキュラーエコノミーへの移行を目指し、さまざまな使用済み製品のリサイクル・調達に挑戦しているとしており、各バリューチェーン企業と連携して持続可能な社会実現を目指し、さまざまな投資を加速させていく構えだ。
国連のレポート「The Global E-waste Monitor 2020」によると、2019年には世界で約5,360万トンの電子廃棄物が、日本では256.9万トン(2019年)の電子廃棄物が発生し、うち57万トン(2017年)が回収・リサイクルされた。世界で毎年生み出される電子廃棄物には約6兆円以上の価値があり、都市鉱山としての活用の可能性が指摘されている一方、電子廃棄物の削減に向け、国家レベルでの規制強化や機器の長寿命化を目指した設計、および回収・リサイクルの仕組みの構築などが求められている。リバー株式会社東松山事業所の新工場が、回収・リサイクルの仕組み構築に大きく貢献していくことが期待される。
【プレスリリース】リバー(株)東松山事業所 2022年4月に向けて電子廃棄物専用工場を建設中
*冒頭の画像の出典:リバー株式会社
※本記事は、世界のサーキュラーエコノミーが学べるメディア「Circular Economy Hub」リバー株式会社東松山事業所、電子廃棄物専用の新工場を2022年4月に稼働より転載された記事です。
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