ステーブルコインPAXの発行及び管理を行う米Paxos National Trustが、連邦信託銀行としての条件付きライセンスを取得したことが明らかとなった。4月23日に通貨監督庁(OCC)が公表している。
Paxosは、WeWorkやPayPalが暗号資産事業を行う際のパートナーとして選定された企業だ。ステーブルコインPAXの発行及び管理だけでなく、暗号資産のカストディ事業も行なっている。
今回取得したのは、全米で銀行業を開始するための条件つきライセンスになるという。OCCにより発行され、暗号資産関連企業としてはAnchorageとProtegoに次ぐ3例目となった。
ライセンスを取得したことで、これまで金融機関が担っていた役割を自社で行うことができるようになり、カストディ企業として暗号資産以外にも顧客の資産を管理することができるようになる。
Paxosは、昨年より本ライセンスの取得に向けて動いていた。これまでは、ニューヨーク州金融サービス局(NYDFS)より許可を得て事業を行なっていたものの、今後は全米で正式に事業を開始することができる。しばらくは既存の運営体制を維持するとした。
米国では、各州でそれぞれライセンスを取得することができるようになっている。大手暗号資産取引所Krakenはワイオミング州でのライセンスを取得していた。PaxosやAnchorageは、各州ではなくOCCからのライセンス取得となっているため、全米での事業展開が可能だ。
OCCによると、連邦銀行ネットワークには約1,200の国立銀行と連邦貯蓄貸付組合、および外国銀行の米国連邦支部が含まれるという。これらの金融機関は、米国の銀行業務の約70%を実施し、計14兆ドル以上の資産を保有している。
なお、OCCはPaxosに対して1年半の期間を設け、その期間内に連邦信託銀行としての運営体制と事業計画を整備する条件を元にライセンスを正式に承認するという。
【参照記事】OCC Conditionally Approves Chartering of Paxos National Trust | OCC
株式会社techtec リサーチチーム
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