ESGレポーティングosapiens、シリーズBで185億円調達。製品開発と国際展開を加速

ESG(環境・社会・ガバナンス)ソフトウェア分野のスタートアップosapiensは7月29日、シリーズB(資金調達ラウンド)で1億2,000万ドル(約185億円)を調達したと発表した(*1)。調達した資金を元手に、テクノロジー・プラットフォームへ更に投資し、国際展開を加速させる。

今回の投資ラウンドは、ゴールドマン・サックス・グループのオルタナティブ運用チーム(Goldman Sachs Alternatives)が主導した。同チームはosapiensの株式を少数取得している。2023年に2,700万ドルを調達したシリーズAを主導した既存投資家のArmira Growthも加わった。

Osapiensの共同創業者兼最高経営責任者(CEO)であるアルベルト・ザモラ氏は「投資家からのサポートは、ESGコンプライアンスとプロセスの効率化という、非常に競争が激しく、急速に進化している市場において、弊社がリーダーシップを発揮していることの証だ。我々は世界中の企業が複雑なESG規制に簡単に対処し、長期的にサステナビリティを達成できるよう支援する単一プラットフォームを提供できる」と述べた(*1)。

osapiensは、2018年にドイツ・マンハイムで設立されたESGプラットフォームのリーディングカンパニーだ。コンプライアンスとサステナビリティ・レポーティング・ソリューションを提供する。

300人以上の専門家からなるチームは、独自動車部品大手ボッシュ、北米コカ・コーラ、独スーパー大手メトロなど、世界中で1,300社超の顧客をサポートする。23年には顧客数が473%超増加した。22年には、ドイツのスタートアップ分野で最も重要な賞の1つとされるGerman Founder AwardのRising Star部門賞を獲得した。

osapiensは、企業が迅速かつ自動化された安全な方法でESG要件を満たせる革新的なSaaSソリューションを開発している。

その中核となるosapiens HUBは、人工知能(AI)を搭載したクラウドベースのプラットフォームである。同ツールを活用することで、企業持続可能性報告指令(CSRD)、欧州連合(EU)における森林破壊防止規則(EUDR)、企業持続可能性デューデリジェンス指令(CSDDD)など国際的なESG規制への準拠を容易に行える。企業がオペレーションやサプライチェーンにおけるリスクを特定・緩和し、プロセスの自動化を通じてマニュアル作業を削減することもできる。

osapiensは共通のデータモデルを活用し、様々なコンプライアンス、リスク軽減、業務効率化モジュールを1つのプラットフォームに統合することで、同業他社と明確に差別化している。透明性と効率性を高め、ビジネスに力を与える実用的な洞察を提供し、長期的にサステナビリティを促進することで、ポジティブインパクトももたらす。

【参照記事】*1 osapiens「osapiens raises $120 million funding round led by Growth Equity at Goldman Sachs Alternatives

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フォルトゥナ

日系・外資系証券会社に15年ほど勤務。リサーチ部門で国内外の投資家様向けに株式レポートを執筆。株式の専門家としてテレビ出演歴あり。現在はフリーランスとして独立し、金融経済やESG・サステナビリティ分野などの記事執筆、翻訳、および資産運用コンサルに従事。企業型DC導入およびiDeco加入者向けプレゼンテーション経験もあり。
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