NFTマーケットプレイス最大手OpenSeaで、従業員によるインサイダー取引が行われていたことが9月15日に明らかとなった。
OpenSeaによると、従業員の1人が、OpenSeaのトップページに表示されることが決まっていたNFTコレクションを事前に購入していたことが発覚したという。OpenSeaでは、トップページに表示するNFTを定期的に変更しており、トップページに表示されるNFTは価格が高騰する傾向にあった。
今回の出来事に伴い、OpenSeaでは次のポリシーを策定している。
- OpenSeaの従業員は、特定のNFTコレクションやクリエイターを特集している最中は、そのNFTを売買することはできない
- OpenSeaの従業員は、マーケットプレイス上で利用可能かどうかに関わらず、機密情報を利用してNFTにアクセスすることを禁止する
OpenSeaは、ローンチ当初CryptoKittiesしか取り扱っていなかったものの、現在は2,000万以上のNFTが流通しているという。
今回の出来事は、1人のOpenSeaユーザーがTwitter上でインサイダー取引と疑われるトランザクションがあったことを報告したことで発覚した。OpenSeaのプロダクト責任者を務めるNate Chastain氏のトランザクション履歴をまとめ、OpenSeaに対して確認するよう求めていた。
現状、NFTに関するインサイダー取引の違法性は確立されていない。そもそもNFTに関する法規制が未整備状態であるため、インサイダー取引もほとんど明るみに出ていなかったのだ。
しかし、まさに今回の発覚経緯のように、NFTのトランザクション履歴はブロックチェーンに記録されているため、ウォレットアドレスと持ち主を紐づけることができれば、どのような取引を行なっているのかが明らかとなる。
OpenSeaは今回の出来事を重く受け止め、Chastain氏へ辞任を要求し、すでに受理されたと発表している。
なお、NFTマーケットプレイス以外にも、暗号資産取引所Coinbaseなどが従業員のインサイダー取引疑惑を指摘されている。米SECより、Coinbaseのレンディングサービスが証券法に違反する可能性があることを指摘する「ウェルズ通知」を受け取っていたことを、一部の従業員が事前に把握しており、Coinbase株を売却していたのではないとの指摘だ。
なおCoinbaseは、9月12日にこれを正式に否定している。
【参照記事】Employee information use at OpenSea
株式会社techtec リサーチチーム
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